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栄翠ペナント日記 ~そして伝説へ~

(左から)斉田、楠城、海野、松村、弦本、佐賀、三堀、毛塚、須藤

2036シーズン

 暗雲立ち込めた2036シーズンだったが、昨年精彩を欠いた投手陣が4月から奮闘した。
 防御率は結局のところシーズン通算でリーグワーストとなったが、エースとなった橋上は規定投球回をしっかりと投げ、9勝8敗とチームを支えた。
 2番手楠城は調子を見つつ投げられるところで積極的に投入し、10勝6敗シーズン防御率2.96と、大事な場面でチームを勢いづけた。CS,日本シリーズとフル稼働し丈夫さを披露した。
 勝ち頭となったのは左腕斉田で、規定未達ながら23登板2完封被本塁打9と素晴らしい成績を残した。
 他、先発陣では大引(4勝8敗)田所(9勝7敗)も100投球回を超える優勝へのピースとなった。

 リリーフでは、昨年に続き千葉(3勝2敗28HP)が78登板と、中盤・ビハインドを繋ぎ、優勝に貢献した。
 対左も昨年同様近澤(16HP)が防御率2.05で22回をしっかり繋いだ。
 勝ち継投としては海野(6勝3敗1セーブ29HP)が防御率2.35の好成績、吉岡(1勝3敗20セーブ8HP)は今年度衰えの見えた安野(2勝3敗10セーブ5HP)に替わり配置転換後初年度としては十分すぎる安定感を見せた。板谷(1勝3敗11HP)も47回を防御率2.66と、勝ち継投を盤石にした。
 大卒2年目、三橋はビハインドを任されながら、荒い制球から球威のある直球、ツーシームを武器に60回を4勝1敗10HP、防御率2.69と、栄翠のリリーフ陣を鉄壁にする最後のピースとなった。

2年連続2位フィニッシュ、だがまだ負けていない。

9月の足掻き

 国際試合でシーズンが間延びした今年、9月はまだ多くの試合を抱える最重要の時期。今年もシーズン終盤に投打ともに覚醒、月間MVPは栄翠選手が輝いた。
 ただ好調広島には直接対決も物にならず、9ゲーム差リーグ優勝を許した。
 しかしCSの直接対決ではシーズンとは準備が違う。ローテを崩し好調の楠城を2戦目に投入、中4日となるがチームを勝利に導いた。
 接戦で抑え吉岡の登板が嵩み、安野も9回を投げる場面があった。

意地の勝利
リリーフが踏ん張りCS制覇へ
逆転

日本シリーズ最終戦 ~HANABI~

 〇〇●〇●とCSを思わせる状況で、ホームに帰ってきた西日本栄翠。
 昨年の大怪我で無念の引退を遂げるも、指揮官として帰ってきた有本を、
13年間チームを見守った多くのファンが勇気づけた。
 シーズン80勝でパリーグを勝ち抜いた西部に対して、シーズン最後までAクラスを争っていたチーム。交流戦でも負け越している。
 しかし有本の後ろを歩く投手陣は確実に成長し、自分以上の投球を見せている。昨年自分の勝ちを守ってくれたリリーフ陣も誰一人として欠けていない。そして後ろを守りリーグトップの打力を誇る野手陣はキャリア最高の状態を迎えていた。 
 お互い先発陣を出し尽くした6戦目に登板したのは大引だった。4勝8敗と数字は悪い。しかし一年間の登板を見てきた監督は構わずこの場面を彼に託した。

 5回を2失点、リリーフ陣の充実、打力を考えれば十分の投球を見せた大引が6回に捕まった。3ランにソロホームランと、100球を前に3対6と大きく逆転されてしまったのだ。
 しかしその回2点を返すと、勢いを奪い返した栄翠は7,8回と猛攻を続け、リリーフ陣は無失点。安野は奇しくも、日本一を決める試合でも吉岡の代役を務めることとなり、2点差の乱戦を抑え切った。

無敵の野手陣


優勝記録

 高校から始まった小さな球団。はじめは戦力外と格安トレードの投手たちが集まる球団だった。須藤と松村は創立からいまだ健在だ。多くの投手は多くの敗戦・失点と共に消えた。その犠牲の中で、ドラフトされた野手は練習を続けた。コーチ陣も選手に応え成長し、野手もタイトルで彼らに報いた。
 チームがシーズン2位の栄冠をつかむまでひたすら打力を鍛えた。優勝への守備力が欠けていると分かれば、皆で特守に取り組んだ。
 古川、雨宮はFAでチームを去ったが、彼らは守備に取り組む大きな転換点を与えてくれた。
 これからも、無敵の打撃陣はリーグを荒らすだろう。投手は衰えを見せる者も多いが、明日の投手の偉大なる糧となるはずだ。
 栄翠の未来は明るい。常勝軍団の歴史は始まったばかりだ。

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