見出し画像

マンガ『青のオーケストラ』の名言から学ぶ一歩を踏み出す勇気

落ち込んだとき、テンションが下がったとき、気分が乗らないときに、少しでも気分を変えて、一歩を踏み出す勇気がほしいときはありませんか?

マンガを読んでいると、この言葉深いなぁ〜ってしんみりさせてくれたり、大切なことを思い出させてくれる気がします。

今回は、今回は2023年9月時点、11巻発行・連載中の作品である『青のオーケストラ』(©阿久井真/小学館)より、僕の人生をより魅力的になるよう考えさせてくれた言葉を紹介させていただきます。

『青のオーケストラ』は、高校オーケストラをテーマに、天才ヴァイオリニストの父を持ち、複雑な家庭環境からヴァイオリンを辞めた少年が、高校でオーケストラ部に入り、仲間たちとの交流を経て再びヴァイオリンに対する情熱を取り戻し、仲間たちとの切磋琢磨する奏者達の青春サクセスストーリーがリアルに描かれた、第68回「小学館漫画賞」少年向け部門受賞をした作品です!

少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるときに、モチベーションを上げてくれたり、グサッと心に刺さったり、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。

青のオーケストラ 名言一覧

あの不協和音が…、俺の演奏だと思われている…!?
ふざっけんな!!!

青野 一

下手くそなヴァイオリンの音が、俺の神経を逆撫でする。
これじゃあただの八つ当たりだ…。

青野 一

嫌いなものから解放されたはずなのに…、なんでこんなにも苦しいのだろうーー…。

青野 一

…弾かない。
ヴァイオリンは辞めたんだ。

青野 一

人には踏み入って欲しくない場所もあるんだよ。
お前、そんなことしてると友達なくすよ?

青野 一

…俺も、あいつのようにまた弾ける日が来るのだろうか……。

青野 一

俺は…、あいつのことを何も知らない…。

青野 一

すごい…。楽器を持ってないのに、一緒に演奏してるみたいだ。
ここにいる全員が、楽器の音と溶け合ってて、すげー楽しそう…!

青野 一

たどたどしくて危なっかしい、聴いてるこっちがドキドキするような演奏だけど……、ーー…でも、俺は……、そんなこいつの音に救われたんだ。

青野 一

…音も、演奏も、聴く人の心までも、その場の全てがひとつになって踊りだす。

青野 一

先輩達の演奏が言っている。
音を合わせるというのは、こういうことなのだと…。

青野 一

もしかして…、音が合わないのは俺のせいだった…?
佐伯の隣で弾いていると、自分のダメなところを見せつけられてるようだ…。

青野 一

お前は…自分の音をどんなときでも精一杯出そうとしてるから、すげーなって思うよ。だからお前は…、自信持って弾いていいと思うよ。

青野 一

…誰かが頑張ってる姿を見ると、自分も頑張ろうと思える。
…昔の俺には想像も出来なかった。

青野 一

いいな…、頑張ってるのが自分だけじゃないって…。
これが部活動か……。

青野 一

それじゃあフェアじゃないだろ?
3日後のオーディション…、お前が負けたときに言い訳されたくねーからな!

青野 一

腹が立った…、それと同時に自分が少し恥ずかしかった。
「天才ヴァイオリニスト」「ジュニアコンクール優勝」「自分は特別」、どこかでそう思っていたことに気づいたから…。

青野 一

そんな弱腰の演奏された方がよっぽど幻滅するぞ?
自信持てよ。

青野 一

別に、名前なんか覚えられなくてもいいんだけど。
ただ…、やられっぱなしじゃ気が済まない。

青野 一

演奏者は…、作曲者の想いを伝える…か…。
…ここには100年以上前にも生きていた人間の想いが、音符になって詰まってるんだよな…。

青野 一

「色んな人の気持ちになれるから読書が好き」って言いましたよね。
きっと先輩は…、そうやって部員みんなの気持ちになって演奏してるんだろうなって思います。

青野 一

「ヴァイオリンが上手くなりたい」
…小さい頃からただその一心で走り続けてきた俺が…、他の楽器の音とどう向き合うか…。

青野 一

…きっとこれは…先輩達の「本音」…。
嘘偽りの無い音を、みんなで交わしている。

青野 一

…先輩達の演奏を聴いただけで、こいつは……、俺の知らない「奏者」になった。…そして思い知らされた。…こいつとの間には…、大きな隔たりがあるのだと。

青野 一

誰かを苦しめたくてヴァイオリンを弾いてるわけじゃないのに、…そしてなにより、自分が苦しい…。

青野 一

でもお前が!…お前自身を否定しちまったら…!俺の気持ちとか…、今までの関係とか…!全部が嘘になっちまう…!

青野 一

そんなこと絶対ゆるさねえ…!
俺の気持ちを無かったことにすんじゃねえ!!!

青野 一

お前の本音で変わったりしない!
俺たちの関係は変わらないんだよ…!

青野 一

なんなんだよあいつ!…無理だ、俺あいつの考えてることがわからない。わかりたいとも思わない。

青野 一

…俺は嫌なことがあるとすぐ逃げたけど…、滝本先輩は苦しくても、「それでもどうにかしよう」ってもがいてるじゃないですか。
……「しょせん」って言いながら…、頑張ってるじゃないですか…!

青野 一

…ホントは言ってやりたいこともたくさんあったのに。
…だから今、ちょっとだけ後悔してます。
「もっと言っておけば良かった」って。

青野 一

…もう会いたいとは思わないけど…、今なら…、言いたいことを全部ぶつけてやろうって思えるんです。
…何も言えないまま、「しょせんお前は変わらない」って、舐められたくないですから…!

青野 一

毒を吐いて自分がスッキリしたいだけにしか見えません!
言いたいこと言えて…気持ちいいですよね!
他人を使ってストレス解消?みたいな…。
…言われた相手がどんな思いするかも考えないで…。

青野 一

俺は…! 中学の頃の小桜さんを知らない…!
高校に入ってからの…今の小桜さんしか知らない…!
でも俺は…! 今の小桜さんを偽者だなんて思わない!

青野 一

「そんな小さいこと」って思うかもしれないけど……、その人の「らしさ」って…案外、そういうところにあったりするんじゃないかなあって思うんだ。だから…、高校生の小桜さんが、本当の小桜さんなんだと思うよ。

青野 一

俺はむしろそこが羨ましいです。
頑固ってことは…、ブレないことだと思うので。

青野 一

今わかったぞ…、俺、お前のそういうところが嫌いだ!ド天然ぶってんじゃねーぞ!
いっそ「俺はすごいんだぜ!」くらい威張ってみろっつーんだよ!
お前のその無自覚さのせいで…、なんかこっちが惨めな気分になるんだよ!!!

青野 一

…まあ、周りからどう思われてるのかわかって良かったよ。
俺は…、今でも「青野龍仁の息子」で…、あいつらにとっては「過去の人」だ。

青野 一

「ああ…、自分にはまだまだできることがあるんだ」って、妙に納得したんだよな。天狗になってたつもりはないけど…、…そんな甘くはねーよな…って……。

青野 一

……多分俺もこいつと同じ、「上手くなりたい」って気持ちもあるし、「楽しみたい」って気持ちもある。
この二つの気持ちは…一緒に持っていたらダメなのかな……。

青野 一

楽しく演奏したいのはもちろんなんだけど…、なんていうか…、上手くなるためには自分を追い込んででもやらなきゃいけないときもあるのかなって。

青野 一

俺は…、青野龍仁の息子だ。
…どう足掻いたってそれを変えることはできない。
だったら…、過去の記憶を利用してでも…、俺はあいつを越えてやる。

青野 一

今日はありがとね。
あんたしか頼れる人いないから助かった。

秋音 律子

あのさ、私思うんだけど…、あんたの父親、ヴァイオリンとは関係ないと思う。

秋音 律子

………別に? 気にしてないよ?
だって私、今の自分がかわいそうなんでちっとも思ってないからさ。

秋音 律子

そりゃあ私だって「学校行くのやめちゃおっかな」って思ったこともあるわよ。
クラスの奴らの顔見たくないし、行ってもムカつくだけだしさ。

秋音 律子

今の嫌なことより、これからの楽しいことを考えるようにしたの。
それに中学なんて卒業しちゃえばあいつらに会うことも無いんだし。

秋音 律子

だから私、ヴァイオリン弾くんだ!
だって好きなことを我慢するのはなんか違うじゃん?

秋音 律子

オーケストラ部の演奏会で、初めて聴いた生の演奏にめちゃくちゃ感動したからなんだよね。
たくさんの音が溶け合っていく瞬間は鳥肌立ったもん!

秋音 律子

いつか私も…、あいつみたいに弾きたいって思ったから…。
だからあいつより上手くなって見返してやるんだ!

秋音 律子

まだ…、約束果たせてないんだからね!

秋音 律子

嘘つき! 何が「大丈夫」よ!
学校休んで…、連絡もろくに寄越さないで…。
全然大丈夫じゃない!!!
たとえハルが大丈夫でも…、私が大丈夫じゃない!!!
ハルは言葉を飲み込みすぎ!!

秋音 律子

…本当の気持ちを言ってほしかったら…、まず自分が言わないといけないよね…。

秋音 律子

自分は正しい。
そう思っていたけど……、わからなくなった。

秋音 律子

…きっと、あいつの言ってることは間違ってない…。
間違ってないけど…、先を行くあの人達に…、早く追いつきたい。
そう思ってしまう。

秋音 律子

…バカ!
1人で勝手に焦って…、褒められたからって安心したり…。
自分のことしか考えてないじゃん!

秋音 律子

今……、私の目の前には楽譜がある。
でも…、少しだけ視野を広げれば…、そこは楽譜にはない世界。

秋音 律子

音だけじゃない…!
もっと…身体の動きや呼吸も見るんだ…!

秋音 律子

…みんなの音は、楽譜に書いていないことを教えてくれる。

秋音 律子

あんたは「先生」として私にヴァイオリンを教えてくれたよね。
…そのおかげでわたしも変われたし…、あんたも高校に入って変わったと思う!

秋音 律子

私は大丈夫!
確かに落ちちゃったことはショックだけど、でも今の自分がそう簡単に合格できるほど甘くないことはわかってるつもり!

秋音 律子

…知らない世界は正直怖いし、緊張する。
でも…、今は、その緊張すらも心地良い。

秋音 律子

だからこそだよ!
今までいっぱい我慢した分、ここで楽しまなきゃ勿体無いじゃん!

秋音 律子

ごめん!
私、人との距離感掴めない奴でさ、自分でも直さないとなーって自覚してて…。
次から気をつけるね。

秋音 律子

大丈夫でしょ。
君なら弾けるでしょ?

佐伯 直

…さっきの君との演奏、すごく楽しかった。
また君と弾けたら嬉しい。

佐伯 直

楽譜なんて見なくても余裕でしょ?
ちなみに俺は余裕だよ。

佐伯 直

…俺がドイツに住んでいたことは知ってるよね。
…俺が日本に戻って来たのは…、君に会うタメなんだ。

佐伯 直

…確かに俺は、君のお父さんの演奏を聴いて憧れた…。
…でも君はそんな俺を理解できないだろうし…、拒絶する気持ちもわかる。
でも…、拒絶されてでも俺は君に伝えなきゃいけないんだ…!

佐伯 直

日本語話せるんだけど、書いたり読んだりがまだ苦手なんだ。
その点、音楽はいいよね。
言葉にしなくても伝わるもの多いし。

佐伯 直

君も俺は…対等じゃない。
…生まれたときから君は「表」で…、….俺は「裏」。

佐伯 直

俺は……、血の繋がりよりも…、今身近にある人達の繋がりを大事にしたい。

佐伯 直

「何も変わらない」って言ってくれたから。
「何も変わらない」からこそ、変われたものがあるんだ。

佐伯 直

………俺ね、欲張りになろうと思って。
…今まで我慢してたものとか、抑えていたものをもっと外に出してみようって思うんだ。
…だから今、すごく楽しい。

佐伯 直

青野くんがオーディションで勝ち取った演奏会の座席も!先生に特別扱いされてるからってあいつは言ったんだ!実力だろ!?

佐伯 直

その考え方キライ。
先輩とか後輩とか関係ないよ、だった1先に生まれただけじゃん。
それだけで言いたいことを言えないなんておかしいと思う。

佐伯 直

人間って不安があると集中力低下するらしいよ?
だったらいっそ…、言いたいこと言ってケンカすればいいんだよ。

佐伯 直

何か掴んだね。全体では上手くいかなかったかもしれないけど…、青野くんの演奏、何か表現したいことがあるんだなーって伝わってきて良かったよ。

佐伯 直

でも…、いつか忘れちゃうんですよね?
ふと思ったんです。小さい頃の楽しかった記憶とか…つい最近のことのように覚えてることでも…、そういうの段々思い出せなくなるのかなあって。

佐伯 直

俺は、自分の演奏がもっと良くなるならなんでもするけどね。

佐伯 直

俺は嫌いだけどね。あんなキツイ言い方されたらヤル気無くなるし、本心でどう思ってても俺達からはわからないんだから、正直見てて不快。
有名な人だけど…、皆が萎縮するやり方はどうなのかなって。

佐伯 直

言ってることは的確だとおもうし、練習の内容も納得できるんだけど…、でも…、楽しくないよね。
部活でも苦しいときはあるけど…、「皆で楽しんで音楽を作り上げよう」って感じられるから平気。
今のジュニアオケは…、厳虎さんのために音楽を作ってるきがする。

佐伯 直

…俺にはやっぱりわからない。
上手くなるためには何をしてもいいのかな。

佐伯 直

小学生の約束なんてあって無いようなものだけど、でも…、信じたくなるくらいあの日のあなたは…、とても眩しかったのです。

小桜 ハル

高校に入れば、何かが変わると思ってた。
でも実際は………、何も変わらない自分がそこにいる……。

小桜 ハル

……嫌だな私…。
「変わりたい」と思いながら、人には「変わってほしくない」と思う自分がいて……、…りっちゃんにこんな感情、持ちたくなかった…。

小桜 ハル

つくづく自分が嫌になる。
結局私は…、あの頃から何も変わってない。

小桜 ハル

昔からそれは、私にとって呪いの言葉。
『大丈夫です』…ホントは大丈夫じゃないくせに……。

小桜 ハル

だって私…、りっちゃんが優しいこと知ってるもん。
知ってるから、だから私…。あのときみたいにーーー、りっちゃんに甘えてしまう自分のが一番怖いの。

小桜 ハル

誰かのためにヴァイオリンを弾くのが初めてだと気づいた。
その瞬間、初めて自分を好きになれた気がしたのです。

小桜 ハル

一緒に演奏するって約束…、まだ果たせてないんだよ!?
私…、全部の曲演奏するつもりで頑張るから!!

小桜 ハル

上手くなればいいだけだよねっ!
きっと…、頑張れば私にだってチャンスはある!

小桜 ハル

…正直びっくりしちゃった。
…力の差ってこんなにもあるものなのかって.….。

小桜 ハル

演奏会でちょっとだけ自信がついたの。
自分達の演奏を聴いて…、こんなにたくさん喜んでくれる人がいるんだってわかったから…。

小桜 ハル

見られてしまった。…知られてしまった。弱くて…、何もできない惨めな私を。
心のどこかでいつも不安に思ってた。過去の自分が、いつか知られちゃうんじゃないかって。

小桜 ハル

…気づいてたのに…、わたし…っ、何もできなかった…!…これが本当の私なの…。私が…、あの人達の人生を壊してしまった。変わりたかった…、でもダメだった。私なんか…居なければ…。

小桜 ハル

…まったく。
これじゃあまるで、音の喧嘩だな。

原田 蒼

音に乗せてほしい気持ちは反省じゃないよ。
明日はそんな顔で演奏しないようにね!

原田 蒼

音楽に学年は関係無い。
満足したらそこで成長は止まってしまうし…、今回のオーディションをやるのもきっと…、そういうところに本当の目的があるんじゃないかな?

原田 蒼

まあ…、羽鳥もこの1年で上手くなってますから…。
去年俺が苦しめられたように、1年生達の良い壁になってくれると思いますよ。

原田 蒼

一つだけ忘れないでほしいことがあります。
僕達は「聴きに来てくれるひとたちのために演奏をする」ということです。

原田 蒼

みんなカオが強張ってる…。
…それじゃあダメだ。音楽はもっと楽しくなきゃね。

原田 蒼

不安なのは僕だけじゃないんだってみんなが教えてくれた。
だから僕は…あの日感じた匂いや景色を音にしたい。

原田 蒼

僕は…この演奏会が終わったら「聴く側」になるんですよね。
…悔しいなあ…!これからの海幕オケ部にもう部員として加われないのか…!

原田 蒼

あのたくさんのトロフィー。…コンマスになったばかりの頃…、あれを見るといつもドキドキしてた…。
コンクールでの最優秀賞を…、「自分が途切れさせてしまったらどうしよう」とか…、…押しつぶされそうだった。

原田 蒼

1人でコンクールに出るわけじゃないし…、「自分が〜」っていうとおこがましいけど…、そのときの僕はそんな思いでびっくりだった。…必ずしも「好きだから楽しい」には直結しないよね。

原田 蒼

僕はきっと素直じゃない。
心で思ったことを一度でも頭で考えて…、整理して…、選んでから口に出す。
相手のことを気遣うつもりでそうしていたけど…、でもそれは…、「本音」じゃないって気付いた。

原田 蒼

…音楽は、聴く人がいないと成り立たない。
人が声を発してコミュニケーションを取るように…、音楽も、想いを誰かに伝えるためのものだと思うんだ。

原田 蒼

僕達3年生の演奏を…、君達がどう受け取ってくれているかはわからないけど…、その受け取ったものを…、また…、別の誰かに渡したいと、そう思ってくれたら嬉しいです。

原田 蒼

嫌がる人がいるの知ってるなら変われよ。
…気付いてるだろ? お前の中途半端な姿勢はみんなの努力の邪魔をする。

原田 蒼

…いつまで甘えてんの?もう2年でしょ?
次期コンマスになるんだろ?…もう自分だけのことを考えてるようじゃダメだ。ここは「部活」だ。

原田 蒼

…僕は心配性で、考えすぎな部分もあるって自分でもわかってはいるんだけど…、やっぱりオケ部は僕にとって大切な場所だから。…壊れてほしくないなって。

原田 蒼

まあそう急ぎなさんな。
…とりあえず…、悩んでるなら尚更だ、まずは腹を満たそうじゃないか!

町井 美月

ほら…小説ってさ、普段の自分とは全くの別の人の気持ちになれるじゃない? それがすごく好きなんだよねー、私。

町井 美月

気持ちはわかるよ。
私は後ろの席の君達1年に焦るからね。

町井 美月

…じゃあ私からも質問。
君はヴァイオリン以外で好きな音って何?

町井 美月

あのとき別の楽器をやって良かったなーって心底思ってる。
自分の視野の狭さをヴィオラが気づかせてくれたの。
「オーケストラはヴァイオリンだけじゃない…」「もっといろんな音があるんだよ」って。

町井 美月

難しくて当たり前だよ。オーケストラはたくさんの人がいて…、たくさんの楽器があって…、それぞれみんな性格や音が違うんだもん。
でも…、そのバラバラが一つになる瞬間が…、たまらなく気持ちいいんだけどね。

町井 美月

君もコンマスを目指すんでしょう?
もっと他の楽器の音にも耳を傾けてみたらどうかな?

町井 美月

「そんなこともあったなあ」って、今は過去の失敗で笑えてる。変わらない人なんていないよ。

町井 美月

このくらいの演奏が出来なきゃ…、オーディションは2年がいただきだな!

羽鳥 葉

まあすげー1年が入ってきたっていうし!
それに、原田さんも引退しちまうしな…。

羽鳥 葉

まあ見ててくださいよ、今回もかましてやりますから。

羽鳥 葉

…俺、原田さんの背中しか見てないんですよね。演奏のとき…、俺はあんたの後ろにしか座ったことがないってことです。これが最後のチャンスなんで…、食わせて頂きます!

羽鳥 葉

俺…、ダンス部と兼部してるのも、自分がやりたいからやってるし…、オーディションも今の自分を出し切る演奏ができた。後悔はしてない。…でも、次期コンマスがこんなんじゃかっこ悪いよなあ…。

羽鳥 葉

…今回のオーディションは情けない結果になっちまったからな。
ちょっとでも取り返さねーと。

羽鳥 葉

つまんなくはねーだろ?
ただーー…、もっと曲のイメージを伝える努力をすればいいのになーとは思う。

羽鳥 葉

あんまり言葉ばかりに捕われすぎんなよ?
答えは演奏の中で探せばいいんだし。

羽鳥 葉

まああの人は顔は怖いし言葉もきついけど…、悪意のある言葉は絶対に言わねえ。…全部俺達のことを想って言ってることだからさ。そこだけは誤解しないようにしねーとな。

羽鳥 葉

こらあ!
喧嘩するなら私の目が届くところでやって!

米沢 千佳

立花さんみたいに厳しくできたり…、周りのことよく見てくれる人がいると心強いっていうか…。あなたが2ndヴァイオリンに来てくれて良かったなーって。

米沢 千佳

自慢じゃないけど私と自分に甘いところ、いっぱいあるぞ〜?

米沢 千佳

…誘惑に負けちゃうことも多いんだ。でも…、そんな私にも厳しくしてくれる人がいたから、成長できたのかなって。

米沢 千佳

ほら、マラソンとかってさ、みんな目指すゴールは同じだけど…。
みんながみんな、同じスピードで走れないよね。

米沢 千佳

努力の仕方や成長のスピードって人それぞれだし…、足の速い子もいれば遅い子だっている。大事なのはゴール目指して走り続けることだと思うよ。

米沢 千佳

きっと立花さんは足が速い子だから…、みんなに走り方を教えることもできると思うんだ!だから…、息切れしてる子がいたら、助けてあげてね。

米沢 千佳

ああ、9年連続〜ってやつね。あんなのただの数字だよ。
「数字なんかに捕われる必要ない」って意味!

滝本 かよ

…私ね、「所詮部活」って思ってるの。「どうせ高校の3年間だけ」「人生ってのうちのほんの一瞬」「だから頑張りすぎても意味なくない?」って。…何やっても冷めちゃうんだよね。

滝本 かよ

あの子の頑張りが…、全部無かったことにされた気がしてムカついたんだよね。それと同時に…、そんな結果になるなら…、「一生懸命やる意味あるのかな?」って冷めちゃって…。

滝本 かよ

…なんなんだろう私。頑張れない理由を探してるのかなー。…昔っからホントそう。「自分の意思」が無いから、どうしていいかわからなくなる…。

滝本 かよ

中途半端で後悔するより…、自分で決めなきゃダメだよね。

滝本 かよ

忙しいのは皆同じでしょ。それに…私だけ特別扱いされるとなんか他人行儀っていうか…。逆にそっちの方が傷つくし、…なんか寂しい。

滝本 かよ

…誰に何を言われたからとか、そんなんじゃない。私自身が決めたの。

滝本 かよ

…コンクールまであとちょっとだけど…。それまで私、全力で頑張るから。

滝本 かよ

言われたことしかできないなら、そんな奴ら辞めればいい。…中途半端に口出さないでくれる?

佐久間 優介

僕はコンクールを連覇したいだけ。
僕達の代だけ落とすなんてことは絶対にしたくないからね。

佐久間 優介

……じゃあ青野くんは、自分が一番「怒り」を感じる相手に、ずっと黙ってるんだ?

佐久間 優介

何も言わないで…、他人の意見に乗っかるだけの残念な人達がいるじゃん。そういう人達を見てるとイライラするんだ。我慢にも限界があるからね。

佐久間 優介

もっと自分の怒りに寄り添うんだ。理解して…、咀嚼して…、もっと怒りと向き合いなよ。君は表現者だろ?

佐久間 優介

…「遠慮」という言葉が嫌いだ。「おせっかいをしないように」なんて…、結局はただ、自分が楽をしたい怠惰を都合よく言い換えた言葉だと気づいたから。

佐久間 優介

気にすることないよ。君が抜けたところでこっちは何も困らないから。ただし…、行くからには盗めるものを盗んできてね。

佐久間 優介

…あなたは初心者だよね。いつ辞めるの?
さっきも1人、部活辞めていったよ。私、ただ部活を楽しみたいだけの人って嫌いなの。

立花 静

そんなつもり無くても…、みんなの足引っ張ってるのがわかんないの?

立花 静

……、今は練習の時間でしょ?
くだらないこと喋ってる暇あったら練習したら?

立花 静

…優しい?  何それ、そんなもの誰のためにもならないし。

立花 静

オーディション曲練習する前に、もっと他のこと練習しなさいよ!
一つ一つ完璧にしてから進むべきじゃないの!?

立花 静

どんなに練習して…、自分1人上手くなっても、みんなの音を聴いてなければ、それは無駄な頑張りだと思うんです。オケはみんなの音で成り立つから。

立花 静

周りの音をよく聴けば、もっと弾けるはずなんです。

立花 静

あなた、合奏のとき猫背になってるわよ。
きっと譜面を追うのに必死で気づいてないんだと思う。
姿勢崩れると音も悪くなるから気をつけて。

立花 静

あんた、人が嫌がってる部分に踏み込んでくるの本当やめたら?そういうの本気で不愉快。

立花 静

…あの頃の私は…、頑張ってるつもりの…、ただの独りよがりだった。

立花 静

自分のことを人に話すのってすげー勇気いることだから…、そうやって青野が頑張って話してくれたら…、みんな真剣に聞くに決まってんだろ!

山田 一郎

理由は色々あるんだけど!…そうやって積み重ねてきた「色々」ってヤツはさ、多分…、ちょっとやそっとじゃ崩れないんだよ。

山田 一郎

勉強ってのはなぁ、ずーっとコツコツ積み重ねなきゃ成果は出ないんだぞ?お前だってヴァイオリンめちゃくちゃ練習したからそれだけ弾けるようになったんだろ?

武田

お前が思ってるほど周りの人間はお前の敵じゃあないと思うぞ。

武田

今、将来のことを決めろなんて言ってるんじゃない。ただ…、この学校ならお前のやりたいことが見つけられるんじゃないかって、先生思っただけだよ。

武田

まずは、自分の頑張りをお前が褒めてやらないでどうすんだよ?
お前は…、お前が思ってる以上に出来る奴なんだよ。

武田

なんだか妙に寂しくなった。
今でも俺の中に響き渡るあの「音」は…、もう二度と出せない「音」なのだと。

武田

大人になってようやくわかったよ、その瞬間にしか出せない「音」があるんだって。だから後悔しないよう…、自分の「音」に全力で向き合えよ!

武田

…父親の存在がでっけーあいつには…、音楽以外でも自分はやれるっていうことに気づいてほしくてさ。まあ本人にとってはいい迷惑だけど。

武田

前までのお前だったら、嫌なことあったらさぼるとかしないで即やめてただろうし。ちょっと時間置いて考えたっていいんだよ。

武田

…人間って、何か一つのことを極めようとすればするほど、視野が狭くなると思いません?当時の僕も…、自分の全てだった物が、その一瞬で根こそぎ奪われたような気がしちゃったんですよね。

武田

教師という立場上…、僕らができることはほんの一握りですから。でもだからこそ自分の経験から得たものは、惜しみなく差し出してやりたいと思うのが僕の思いですかねえ。

武田

…だってさ、時間って有限なんだよ。そんな限られた中で…、少しでも多く誰かに伝えられたらと思うから…。あのとき響いた大切な音は…、きっと…、遠くの誰かに届くはず。

武田

1年がめちゃくちゃだ。
お前しっかり指導してるのか?弾けるレベルまで練習させろ。

鮎川 広明

今年は3年生は審査する側と言ったが…、3年より良い演奏する奴は前に座らせるぞ。
俺にそうしたいと思わせる奴がいるからな、大したもんだ。

鮎川 広明

お前は口も演奏も軽い。正直俺は今回お前をオーディションには合格させたくなかった。
お前を座らせるくらいなら1年を多く入れた方がマシだと思ったからだ。
お前はもっと今後の自分の立場を考えて演奏しろ。

鮎川 広明

確かにお前の演奏はすごかった。
音程やリズム、音の強弱…、基礎的ことは望んでいる以上にできている。
しかし俺やオーケストラが求めている演奏ではない。

鮎川 広明

お前の演奏は「ソロ」なんだ。今のままだとお前の音は調和しづらく浮いてしまう。
それじゃあダメなんだ。何故ならここはオーケストラだからな。

鮎川 広明

3年生より良い演奏をする者は積極的に前の席に座らせた。…悔しい思いをする生徒も多いと思うが…、各々が生み出す「音」が納得させてくれるだろう。

鮎川 広明

………、音楽は意識一つでがらりと変わる。
…1人が変われば、オーケストラにも大きな変化をもたらすだろう。

鮎川 広明

お前達3年生は明日で最後だ。
今日は誰もそんな優等生な台詞は望んでいない。

鮎川 広明

…お前が伝えたいものはそんなものじゃないだろう?
…最後くらい良い人でいるのをやめろ。

鮎川 広明

…顧問として、部活に集中させてやりたい気持ちもあるが…、教師としてはそうもいかない。お前達の将来に関わるからな。

鮎川 広明

…お前達は本ッ当に仲がいいな。
お互いの足を引っ張り合って楽しいか?

鮎川 広明

上の先輩達と比べて…、人との繋がりが弱く、自分から動くことはしない。「誰かがやってくれるから」皆がそう思い、本来ならできることも成せずに終わる…。いつまでも他人任せなお前達に正直失望することもあった。

鮎川 広明

なぜ今、俺がこんなことを言うかわかるか?
…いまここで緊張しておけば…、これ以上緊張することはないだろ?

鮎川 広明

安心しろ。お前達が変わったのは知っている。
もう先輩達に負けてない。それを証明しに行こう。

鮎川 広明

彼は起爆剤みたいなものです。
一人が行動を起こし変化すると、それが連鎖しまた次へと繋がっていく。

鮎川 広明

褒められたら素直に喜べ!
「嬉しい!」と記憶に残った方が自信に繋がって歌や演奏がより良くなる!

鮎川 広明

知らない内に自分の中で消えていった記憶も多いだろうなあと思うよ。
でも…、そういう忘れていったものこそ…、今の自分の血肉になっているんじゃないか?
そういう意味では、完全に「忘れる」ってことはないのかもしれないなあ。

鮎川 広明

お前はヴァイオリニストだ。
死ぬ気でヴァイオリンを弾き続けろ。

青野 龍仁

お前、今のつまんねえ演奏で上に行けると思ったか?
さあ…、ここからが始まりだ。

青野 龍仁

弦や弓、身体を使って起こした神童がヴァイオリンの中で共鳴し…、空気を震わせて俺たちの耳に届く。
心にも振れ幅があればあるほど、より一層表現する音は豊かになる。

青野 龍仁

あんたが思ってるほどヴァイオリンに嫌な思いしてないわよ?
そりゃあお父さんとはそう簡単に切り離せないものかもしれないけど…。

青野の母

あなたがやりたいことをやりなさい!!
…これ、簡単なことのようだけど…、すっごく難しいことよね。

青野の母

「楽しい」は基盤だよな。
「楽しい」って気持ちは当たり前だし、音楽をやる上で大前提であるべきだと俺も思う。

厳島 玄六

「もっと上手くなりたい」「良い音を出したい」「一番になりたい」このオケに参加している奴らは皆そういう「飢え」を持っている。
少なくとも俺は、オーディションの時点でそういう貪欲さを感じられる人間を選んだつもりだ。

厳島 玄六

生半可な気持ちじゃないからこそ、俺はその飢えに応えてやりてえ。
…俺は古い人間だからよ、「皆でワイワイ仲良く上を目指す」ってやり方は性に合わない。

厳島 玄六

指揮棒を握ってからは何人も俺の下から去って行ったのも事実だ。
ただ、これだけは言っておく。俺は、お前達にできない欲求はしない。

厳島 玄六

俺達は全員で曲を創り上げる…が、慣れあうための仲良し集団じゃねえんだ。この先、実力次第では曲に乗れない場合もある。
よそ見してるとお前が他の奴らに蹴落とされるぞ?
人のことより自分の心配しろ!

厳島 玄六

技術は申し分ない。だが、俺達は芸術家であって職人じゃねえ。
課題を挙げるとするなら、「自分の魅せ方を知れ」というべきか。

厳島 玄六

あれくらいの年頃は、ちょっとした刺激一つで大きく変わるしな。
些細な出来事や、何気ない一言が人を変えることもある。
まだまだ伸びるぞ。

厳島 玄六

いかがだったでしょうか?

お気に入りの名言は見つかりましたか?

僕自身、部活は違えど、中学から大学まで陸上競技に打ち込み、社会人となったときも、先輩たちに言われてきたことや救われてきたこと、自分がお手本にしたい部分を盗みながら、自分なりのロールモデルを作っていた経験があります。

この作品は、主人公のハジメが父親やヴァイオリンへの葛藤や圧倒的技術とメンタルの変化が1つの軸となっていますが、僕は2年生や3年生である、原田くんや町田さん、米沢さんのような接し方ができる先輩に強く憧れましたし、純粋にそんな人でありたい、もっと昔にこの作品と出会えていたらと思いました。

先輩たちにももちろん葛藤がある中で後輩たちには弱いところを見せず引っ張っていく姿もあれば、逆に弱みを見せることでお互いに助け合う関係になったりと、『自分のありたい姿』を魅せてくれる先輩としての姿が楽譜も読めない、記号の意味も分からない僕でもこの作品に出会って、音楽にふれてみようと思えましたし、全国大会金賞・最優秀賞9連覇を果たしているチームを1つにしていくプロセスから学べることが、社会人となって会社・組織でも多々、活かされました。

学校や会社、その他の組織に所属していて落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるときなどに、この『青のオーケストラ』の名言で元気づけられる方も多いのではないでしょうか?

僕は教員を目指していたこと、企業の中で研修・教育の担当になったことでより強く惹かれたことは、「音楽が好きなのに、その好きな気持ちを閉じ込めて一度音楽から離れてしまう」というのは、音楽をやっている人にはとてもよくある話でもありますし、重要なのはそこからどうやって音楽を「取り戻すか」という部分だと思います。

その「取り戻す」過程で「学校の先生」「先輩」が大きな役割を果たしているのがこの物語の特徴でもあり、高校生(学校)を舞台としているからこその素敵な設定だと思いますし、何気なくかけた言葉が、誰かの何かを取り戻すきっかけになったりするなら、この仕事も捨てたものじゃないかもな・・・と思わせてくれます。

バイオリニストである父のスキャンダルに悩み苦しみながら、部員数が100人を超える大所帯の全国強豪のオーケストラ部で、たくさんの仲間たちとオーケストラの仲間との巡り合わせを大切にして成長していく主人公のハジメやそれそ支える同級生、先輩、先生、ライバルたち「表現者」の強い芯を持った登場人物たちのもたらす言葉にふれあいながら、また明日からの原動力になると幸いです。

それでは今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?