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消滅可能性都市が日経新聞で逆転劇の狼煙をぶち上げたというはなし

2023年3月24日、石川県加賀市は日経新聞に大々的な広告を打った。自治体が日経新聞に公告を出すのは異例の事。
しかも、そのタイトルは挑戦的だ。

消滅可能性取の、逆転的。
起こしたくないか。

日経新聞の加賀市広告より
加賀市が日経新聞に打った広告

消滅可能性都市とは

「消滅可能性都市」とは、人口流出や少子化が進み、自治体として存続できなくなるおそれがある地域のことを指す言葉だ。

経済団体が母体となり、東日本大震災の復興を日本創生の契機とするべく立ち上げられた民間の「日本創生会議」が、自然と消滅に向かうであろう896の自治体を消滅可能性都市として2014年に公表した。

実に、全国の自治体の半数近くが「消滅する」と宣言されたのだ。加賀市もその一つ。なんとなくは分かっていたものの、改めて突き付けられた「消滅する」という事実は当事者たちには非常に厳しいものだったのだ。

それから8年が経つ。

「消滅可能性都市」を突き付けられた各自治体は様々な施策を行った。しかし、明確な効果を得ているとは言い難い。残念ながら、日本全体で少子高齢化は加速度を増している。

その影響のほとんどは、末端である地方にしわ寄せの形で噴出している。

新型コロナは何をもたらしたか

ここ数年、自治体は新型コロナでそれどころではなかった。

しかし、言い訳ばかりしているわけにもいかない。新型コロナから明けてみれば、わが国の合計特殊出生率は想定の最低レベルを更新した

もはや待ったなしの土俵際だ。

この広告は、消滅可能性都市として認定された加賀市が、自らの取り組みをアピールするためのものだ。加賀市は、認定を受けた自治体の中でも、率先して課題に立ち向かい、逆境を乗り越える姿勢を見せてきた。

その取り組みの一つが、2022年に準スーパーシティとしての国家戦略特区「デジタル田園健康特区」に指定されたこと。これは、加賀市の積極的な施策の数々が、内閣府をはじめとした中央官庁に認められた結果だ。

国家戦略特区になった一方で

加賀市の姿勢は、消滅可能性都市の中でも先頭に立つものであり、加賀市は常に全国に先駆けた施策を矢継ぎ早に打ち出すことで、全国でも注目を浴びる存在となっている。

しかし、その加賀市においても人口減少に伴う課題は深刻さを増すばかりである。

加賀市は、歴史のある温泉街に加え、自然や文化、歴史的な背景が豊かで、観光地としても非常に魅力的であるのだが、自治体の未来を考えると観光を呼び込むだけでは立ち行かなくなるのは明白だ。

仮にもう一度感染症が流行れば、新型コロナで傷んだ観光業はもはや回復不能になる。その前に、何とか人と産業を定着させる施策が必要。民間企業や人材を呼び込みたい。

この記事は単なる広告ではない。どちらかというと、加賀市の決意表明だ

加賀市内と全国に向けて、加賀市では人と産業が定着する施策を加速させるぞという決意表明。

加賀市HPより

加賀市の取り組み纏め

加賀市には、先進的な技術を導入に関して非常に興味深い施策が数多くある。

NFTを活用したe-加賀市民、エア・モビリティ産業集積の宣言、市内の人財全体に係るリスキリング宣言などだ。さらに、加賀市は、自然エネルギーの活用にも積極的であり、環境保護にも貢献している。

これらの取り組みはまだ道半ばである。どれもこれも数年で結果が出るものではない。しかし、全国に先駆けた施策の数々とそこから生まれる結果は、消滅可能性を突き付けられた他の自治体の試金石となろう。

加賀市は、これからも、先進的な施策を展開し、より魅力的な街になることを目指している。この広告のQRコードは、加賀市の施策をまとめたこちら(↓)のサイトにリンクしている。

今後、このnoteでも施策を一つ一つ紹介していくこととしたい。

ということで、加賀市の取り組み、今後も楽しみだ。

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