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第8回DCM分科会活動報告

こちらは DCMメンバーで奇数月に開催している分科会(勉強会)で発表されたライトニングトーク(以下LT)やTips、ワークショップの模様などについて 活動報告をするnoteです
第8回目は「ディレクター経験から学んだこと~SI営業に活かせる観点~」です

こんにちは!DCM運営の株式会社三恵クリエスの佐藤です

今回は年が改まり先月1月に開催されました、第8回分科会の活動内容についてお届けします

DCMとは

DCMは「Developers Cocreation Meet up」の略称で、IT業界の請負案件やLABO案件の受注活動に従事する営業があつまるコミュニティです

「営業力や開発力の向上をメンバー同士で助け合い、共創の場をつくりだす事こと」
をポリシーとした、一人一人の”繋がり”を大切にするコミュニティです

【リンク https://dcm-it.net/

活動報告

記念すべき2022年一発目の分科会ですが、一時期は落ち着いてきていたコロナの状況が再び感染拡大となってしまっため今回もオンラインでの開催です(桜の季節には状況が落ち着いてお会いできることを祈るばかりです)

今回もこれまで同様、前半は会員メンバーによるライトニングトークの発表、後半では交流会の2本立てです

前半のライトニングトークでは、運営メンバーだけでなく、参加者である会員の皆さんにも発表の機会をもってもらうことで、経験や知識の棚卸し、アウトプットを通したあらたな気づきをもってもらうことも目的としています

「分科会参加者へ特別なものを伝えられないといけないんじゃないか?」とプレッシャーを感じながらも前向きに発表を引き受けてくださっている会員の皆さまには感謝です

(なにも特別なことでなくても構いません。発表することだけでも発表者にとって貴重な経験になったとの感想をもらっていますので、迷っている会員のかたは、是非チャレンジしてみてください!)

それではさっそく第一部の内容から報告します!


第1部LT発表「ディレクター経験から学んだこと~SI営業に活かせる観点~」

今回のLT発表者はCloud9株式会社の営業担当Sさんに発表をしていただきました

Sさんは前職でWEB制作のディレクターをなさっており、今回はその時の経験からデザイン業界の登場人物の役割やSI営業にも通じるポイントを語っていただきました

SI営業をしていると、デザインを他社やデザイナーに依頼をするといった場面があるかと思います

分かっている様で実はよく理解できていないデザイン業界の登場人物や肩書が担っている役割について知るよい機会となりました

では、さっそくSさんがWEBディレクター経験を振り返ってみて、SI営業に活かせると感じた観点についてみていきましょう!


① そもそもWebディレクターとは?

まずはホームページデザインで耳にする役職についてのおさらいです
知っている様でじつはニュアンスでしか理解していない、という人も多いのではないでしょうか

ホームページ制作に関わる登場人物には大きくわけると4つの役割が存在します

・営業
・プロデューサー
・ディレクター
・デザイナー

なるほど( ^ω^)・・・
聞いたことはありますがプロデューサーとディレクターの違いはなにか?ときかれると筆者もよくわかりません(笑)

会社によってかなり役割は変わることもあるようですが、デザイナーを除いた3つの役割における理想はこういった分担のようです

・営業=アカウント(顧客)との関係を構築するひと
新規のアカウントをつくり関係を構築するなかで新しい仕事を作り出す

・プロデューサー=プロジェクトを作るひと
営業が作ったアカウントに対して、より深く入り込み顧客内部の課題を発見し課題解決のアプロ―チを実行する

・ディレクター=プロジェクトを回すひと
プロジェクト内のQCD管理や優先度を決めることで成果物の作成に責任をもつ

理想は役割ごとに責任範囲がきちんと区分けされて、それぞれが協力し合ってプロジェクトを進めていくことです
が、実際にはプロジェクト、企業ごとに対応範囲はまちまちで、別の役割の責任を担うこともままあるのが現実です

プロデューサーでいうと、営業からディレクター機能の一部まで担うことが多いようです

初動として概要をヒアリングのうえ要件定義までやり、ディレクターへ引き渡す、引き渡しながらも引き続きプロジェクトには関わり続け最後までプロジェクトの中心に居続ける、といったこともあるようです

いわゆるSI(提案)営業は、デザイン業界でいうところの営業とプロデューサーの役割を併せたものに近いと言えるかもしれません

役割の違いは、今後デザイン側の担当者との会話の機会があれば意識しておくと有意義だなと筆者は感じました

相手の肩書をチェックし、相手の役割の責任範囲に沿った意見交換をすることでより建設的な会話が出来るのではないでしょうか


② ディレクターを経験することで学んだこと

Sさんは3つの役割のなかのうちディレクターを経験されてきました

役割の説明につづき、経験をとおして学んだなかで特に重要と感じた3点を挙げてもらいました

1. ヒアリング

最初のヒアリングで「そのPJの行く末がきまる」といっても過言ではありません

クライアントの「課題」と「理想」のヒアリングをとおして「ビジネスにおいて何を達成したいのか?」「そのために何を提供したいのか?」「そのために何を作りたいのか?」をただしく聞き出して「理想の言語化」をしなければいけません

大事なのは、理想に加えて「課題点・問題点」も言語化して明確に整理することです

理想と課題を明確にして提案に盛り込むことで初期提案が整います

SI営業でいうところの「As Is」「To Be」と共通する点ですね

ここを曖昧にしてしまうと、「作ること」が目的となってしまい、クライアントにとって望む結果につながらずトラブルに発展するケースもよく見られますので大事ですね

2. コンセプト

「本来やりたいこと」・「課題項目」・「理想」からデザインの「コンセプトワード」までを制作側で落とし込み、作成のうえクライアントとの打ち合わせで合意をとっていくことが大事です

デザインではコンセプトレベルでの認識齟齬があると「思っていたのと違う」と、のちのちの炎上原因となるのでクライアントときっちりと認識合意をとっておくことが必須です

SI営業でいうところの「機能要件・非機能要件」の合意に近いのかもしれません

とくに非機能要件は「普通に」など主観によって左右されるワードでのちのち問題となって顕在化することが「あるある」ですので、数字で合意を取ることは重要と思います

3. ヒアリングシートの準備

打合せには関係者全員が参加できるとは限りません

クライアントからの希望を社内に持ち帰ってスムーズに検討が進むように、事前に社内の関係者には何を聞いておいて欲しいかをヒアリングしておきましょう

クライアントへのヒアリングシートに社内関係者の聞きたい内容を盛り込んで打ち合わせに臨むことで二度手間三度手間を防ぐことができ、クライアントへの提案も進捗よく進めることが可能になります

社内にヒアリングをかける際には、間違いを恐れずに自分の意見も出すことも重要です(ここで何も意見をださないと、のちのちの社内における発言権に関わってきます)

ここはSI営業でいうと、技術部門との関係性に通じるのかな、と感じました

営業のヒアリングでいうと顧客の実現したいことはなにか?、自社で請けられるのか?受注確度は?といった視点でのヒアリング項目が多くなると思います

受注した際に実際に対応する技術側が知りたいこと技術側の現状も意識したヒアリングをすることは重要ですね

話が進んだタイミングで技術側に初めて連携をして、「また営業が勝手にとってきた」とか、「この内容は請けたくない」といった反応になることを防ぐことにつながりそうです


③ ヒアリングシートの内容

Sさんがヒアリングにあたって必ず聞く項目として以下4つの項目があります

1目的や背景
2期待する効果
3デザインのイメージ
4予算と制作スケジュール

この4項目を必須として、社内関係者(デザイナーやエンジニア)から確認して欲しい内容を吸い上げヒアリングシートを作成していきます

ヒアリングシートはクライアントの要望を細分化し、具体化するためのツールです

はじめのヒアリングでコケると失注の確立、トラブルの確立が上がるので充分に準備して臨むことが重要です

ヒアリングにあたっては出来るだけ「はい・いいえ」でこたえられないオープンクエスチョンを投げかけることを意識するとよいでしょう

SI営業でもそのまま通じる内容ですね

「BANT」と「AS is」、「To Be」観点でのオープンクエスチョンを投げかけてできるだけ顧客が話す時間を多くなるようにしていくことが大事だと筆者も思います

加えて言うと、顧客が好きに「おしゃべり」するのに任せるのではなく、案件化や受注確度を高められる「ヒアリング」になるように設問や会話のリードを心がけることも営業の役割と言えるでしょう


④ 結論

これまで見てきたとおり、SI営業とWEBディレクターは制作(開発)とクライアントとの間をつなぐコミュニケーターという役割において共通点が多いといえます

ただの伝書鳩にならず自分の考えをもち、双方向の情報を引き出し、アウトプットに落とし込むことでコミュニケーションを整理することができれば、円滑なPJ進行を実現することができます

SI営業もWEBディレクターも専門知識や、売上という結果は後からついてきます

大事なのは関係者への姿勢

クライアントに対しては「期待に応えられる良いものをつくりたい!」という姿勢、デザイナー・エンジニアに対しては「それぞれが得意分野に集中できるようにするために提案活動へ協力して欲しい」という姿勢

それぞれに対して真摯に接していくことこそが、SI営業、WEBディレクター両方の経験からSさんが学んだコミュニケーターとしての秘訣です

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以上、第1部のLT内容の紹介でした

筆者も提案を進める中でデザインを社外の方に依頼をする機会がありましたが、何をデザイン側に伝えれば業務が円滑に進むのかよくわからず、ぎこちない依頼の仕方になってモヤモヤしたことが何度かありました

今回のLTを通して、デザインに携わる人の肩書によって役割がわかれていること、どういったポイントを大事にしているのか?という点が理解でき、大変勉強になりました

また、SI営業にも通じる関係者への姿勢など、改めて自身の営業活動を振り返ることのできる良い機会となりました!

Sさん、お忙しい中発表ありがとうございました!!


第2部交流会

第2部では前回に引き続きZoomのブレイクアウトルームでの少人数での交流会です

・自己紹介
・自社紹介
・現在取り組んでいる案件について
・展示会のお知らせ
etc…

今回もそれぞれのグループで情報交換が行われたようです
今後も運営ではDCMの企業同士の協業につながるように、各社の関係を深められる取り組みを考えていきます!

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以上、第8回分科会の模様をおとどけしました

いかがでしたでしょうか?

2022年も引き続きDCMは提案営業の学びの場や協業の場となれるように活動を進めていきます

少しでも参加にご興味をひかれましたら、いちどDCMのホームページよりお問合せください

それでは、また次回お会いしましょう!

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