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リトルプレスと電子書籍〜無理ない範囲の勉強会2〜(ブースはF-01)

2月23日(日)広島県立産業会館で開催される「第二回 文学フリマ広島」にて、島島 presents「リトルプレスと電子書籍〜無理ない範囲の勉強会2〜 」を開催します。1回目はFANBOXを活用しているご縁でpixiv社の打ち合わせスペースをお借りて開催した流浪の勉強会、2回目の会場は「ご当地文学フリマ」になりました。

「マンガ家なのに文学フリマ?」という疑問もあるでしょう。しかしこれは広く「出版」「小規模出版(リトルプレス)」「電子出版」を考える企画です。トークのお相手は広島では珍しいリトルプレスを中心にした本と器を扱う店「READAN DEAT」店主の清政光博さん。

まずは清政さんの問いかけをご参照ください。

厳しく、しかし冷静な現状認識です。特に最後の一行「もう一度本屋であり続ける道を模索して欲しいと願うのは、自分も憤るうちの一人だからだ」は強い印象を残します。

清政さんは日頃から仲が良く、僕は日常の中で息子の塾の送り迎えの合間などにREADAN DEATを訪れます。素敵なお店ですし、ラインナップが特殊なので、定期的に情報や刺激を得ています。リトルプレス版の『アオザイ通信完全版』(双子のライオン堂)をリリースした時には写真展も開催させてもらいました。

僕は2020年の現在、個人電子出版レーベル」を設立し自作マンガをせっせと電子化(既に12冊3冊=15冊を配信中)しているわけですが、その前段階として数年間「リトルプレスの可能性」について思考した時期が長くあります。

出版社が重版してくれないのなら自分で刷ってみようかな? 初速やバズを求めるより、部数を絞って大手取次とは異なる違うルートで配本できたら? 個展開催と本がセットになっているのはどう? リトルプレスって、要は書籍とアートの中間? リトルプレスの流通で本と一緒に「絵画」「立体」を流せば利益率高いし運送量安いし、みんな喜ぶのでは? テナント料を払うのでREADAN DEATの本棚僕に貸してくれません? そしてゴミとか売っちゃおう!(ヤケクソ) などなど...

READAN DEATでお薦めされたリトルプレスに関する本も読みました。いずれも示唆に富んでおり、と同時に既存の出版や流通への「憤り」も感じられます。結果的に僕は「リトルプレス」をスキップして「個人電子出版レーベル」になったわけですが、それを決定する上で多くの重要なヒントを多く得たなと感じています。本って良いものです。

(ちなみに『アオザイ通信完全版』はHABさんの流通)

思い返せば2002年にスタートした「文学フリマ」こそ、「文学」への「憤り」からスタートしたイベントです。「不良債権化する文学」という問いかけに返答する形でそれは始まったからです。ちなみに僕は公式キャラクター「文フリパンダ」をデザインしていますが、これは僕にとって初めてのキャラクター仕事。長く使っていただきデザイナーとしてとても嬉しいですが、と同時に、このように「文学フリマ」が拡散・継続しているということは、清政さんが感じた問題が文学のみならずマンガを含む「出版全体」に広がっているからかもしれません。

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個人的には「憤り」を禁じ得ぬほどの状況を超越するのは「思考」「実践」だと思います。それは「ひらめき☆」と言い換えてもいいかもしれません。僕個人としては「島島」がそれです。自分が「出版社」「発行元」になり、IP(知的財産)をデジタルメディアに特化して管理&運用すること。『世界の終わりの魔法使い5』の制作もその一環です。

「まほうつかい」繋がりということで、ここでBGMをどうぞ。

これもまた「文学フリマ」の活用の一例です。憤り超えて楽しんでますね。ややこしいのでスルーでいいです。ここら辺の話は、ばるぼら&野中モモによる大著『日本のZINEについて知ってることすべて 同人誌、ミニコミ、リトルプレス 自主制作出版史1960~2010年代』に掲載されている文学フリマ代表の望月倫彦さんへのインタビューがとても詳しいです。参照ください。

以上の事柄を前提としつつも、古い話はすっ飛ばして、トークイベントはもう少し「未来」を向いて進むでしょう。「F-01」で出店もしています。『せかまほ5』私家版が3巻まで、『ディエンビエンフーTRUE END』着せ替えカバーも頒布したします。楽しんでいただければ幸いです。

最期に上記の本、望月代表発言の誤植を指摘して、このエントリを終わります。憤ってないよ〜〜〜〜!(誤:きらめき/正:ひらめき)

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【おまけ】

島島所属Vtuberヒカル・ミナミくんによるイベント告知動画。


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