Webフリーマガジン インタビュー 『流しの仕事術』を読んで、本当に“流し”をはじめました! 1人目 宗玄カズヒロさん【前編】
※『流しの仕事術』とは?
恵比寿横丁を中心に活動する現役ギター流し・パリなかやまさんによる「流しのノウハウ」をまとめた初の書籍。2014年10月、代官山ブックス刊。このインタビューは『流しの仕事術』を読んで、実際に“流し”をはじめたという方に現場デビューまでの過程を聞き、まとめたものである。
宗玄カズヒロさん
石川県在住のシンガーソングライター
http://sougenkazuhiro.jimdo.com/
――宗玄さんの“流し”以外の普段の活動を教えてください。
現在は大きく分けて3つの活動をしています。
1つは、シンプルでポップな楽曲を歌う、石川県在住のシンガーソングライターです。
2つめは、生まれ育った加賀北陸の歌を次世代へ伝える活動です。日本三大民謡をダンスチューンで制作した「新山中節」は10数年に渡り歌い続けていて、石川県・山中温泉で行われている秋の大祭「こいこい祭り」ではこの曲に合わせて多くの人が毎年踊ります。
3つめは、ライブミュージシャンです。地元のイベントやライブハウス、旅館ホテルにて、邦楽洋楽のカバー曲をギター1本で、さまざまなアレンジで歌い演奏しています。
――“流し”をはじめようと思ったきっかけは?
子どもの頃から家にあるカセットレコーダーが遊び道具でしたし、近所に住む親戚のお姉さんのところへ行くと、いつもギターを弾いてくれるような環境で育ちました。その影響は大きく、学生時代からバンドやソロで音楽活動をはじめ、今に至っています。
現在はイベントやライブの出演、楽曲やCM等の音源制作などの仕事もやっていますが、「音楽を仕事にする」という気持ちで日々活動を続けているなかで、“流し”があるということは何となく頭の片隅にありました。
ただ、お手本も見本もなく、どうやったらはじめられるのかを模索している状態でしたね。
――“流し”の活動を模索する中で『流しの仕事術』を手にした経緯を教えてください。また、読んでみて、どんなことを感じましたか?
3年ほど前に飲食店の土地を所有する先輩から、「うちの店で流しをやらないか?」と誘われました。先輩は僕が弾き語りをしている現場によく足を運んでくれていたので、「お前ならできるだろう」と声をかけてくれたんです。
当時の僕にとって“流し”のイメージは昭和のアンダーグランドな世界でしたが、今の時代にやってみたらかえって面白いかもと思いました。さらに先輩はテレビのニュースで恵比寿横丁に現役のギター流し・パリなかやまさんという人がいると知り、僕に教えてくれました。
早速、僕もネットで調べてみたところ、そこには僕がイメージしていた昭和のアンダーグランドな“流し”ではなく、スマートで、凛とした姿勢で歌い、演奏するパリなかやまさんの姿がありました。
「東京の都会だからできるのかな?」「どうやって流しをやっているのかな?」「生計は立てられるのかな?」、いろいろな疑問をもちつつも、他の音楽活動が忙しくなってきたこともあって、気づけばあっという間に3年の月日が経っていました。
今年の春にようやく音楽活動が落ち着いたので、心に引っかかっていた“流し”の話を本格的に進めることにしました。「パリなかやまさんは今でも恵比寿で活動中なのか?」、気になってネットで検索してみたところ、今も活動を続け、さらには「流しのハウツー本」を出しているではありませんか!
すぐに『流しの仕事術』を購入し、一気に読破しました。
なるほど。僕の“流し”に対する疑問はほとんど消え去りました。
<前編 END>
※【後編】はいよいよ宗玄さんの“流し”デビューレポート!
“流し”をやると決めてから、宗玄さんは具体的に何からはじめたのか?
行動開始から流し実践に至るまでを詳しく教えてもらいました。また、本を読んで“流し”をはじめた宗玄さんが今感じていることとは?
取材・文:廣田喜昭
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