見出し画像

「お母さん」を国連に送り出さなきゃ行けなかった国、日本

森松明希子さんをご存知だろうか。

今年、2018年に国連でスピーチをした2人のお子さんを育てるお母さんだ。

国連で、原発避難者がスピーチする。

何かのニュースか、NGOのリリースか、スピーチに行くための署名かクラウドファンディングか、そのどれもかかもしれないけど、私はそれを知った時とってもがっかりした。

「国連に行かなきゃダメなのか」って。

「日本政府にいってもダメって、国民は知らんぷりしてるって、避難者の皆さんにそう思わせちゃったんだな」って。

確かに、日本は国連人権理事会からの勧告に誠実に対応していない。

(これは女性や子どもを巡る権利についてもそう)

12月8日に、森松さんの講演を聞ける機会があったので参加した。

森松さんは今は、関西に避難されていて、子どもたちのお父さん、森松さんの夫さんは福島で働いている「母子避難」だ。

私は、宇都宮時代に出会った母子避難のお母さんや、千葉の勝浦に保養にくるご家族の言葉や、それぞれの顔を思い浮かべながら聞いてしまって、公演中一人ぐずぐず泣きながら聞いていた。

森松さんの想いのエネルギーもすごかった。

森松さんの講演の中で、涙ポイントや、考えるポイントはたくさんあったけどそうすると時間がいくらあっても足りないので絞る

1「本気で今の憲法で自分の権利守ろうと思ったことありますか?」

原発事故が起きてから、生存権、居住権、子どもたちが安全に育つ権利など、憲法に書かれている権利が侵害され続けてきた。

7年9ヶ月も。

森松さんは関西訴訟の団長もされているけれど、賠償ではなく

「人権侵害」を軸に闘っていくとおっしゃっていた。

裁判と聞くと、私たちは賠償金とか、すぐ「数字」に気を取られるけれどなんでわざわざ時間もお金もかかる裁判という手法を選ぶのかはきっと注目した方がいい。

水俣の時も、賠償金ではなくて「海を返せ、いのちを返せ」と原告は繰り返し訴え、お金じゃなくて説明責任、責任の所在を明らかにすることを求めていた。それは、自分の権利を侵害された人のとる行為だ。

それに、私たちは日本国憲法で、裁判を起こす権利も保障されているけれど、遠い話すぎて知らないから、裁判を起こすとバッシングを浴びる。

本当は、裁判を起こしていい国民が、その仕組みや権利を知らないが故に国民からバッシングを受けるという、権力から見ると非常に都合のいい構図が生まれる。勝手に疲弊させることができるから。

そんな中でも権利を守り、保障するのは憲法だ。憲法はいつも国民の側にある。

森松さんの言葉「本気で今ある憲法で、自分の権利守ろうと思ったことありますか?」は正直ぐさっときた。

憲法って大事だけど、それは分かっているけどそれをいうと左翼とか言われそうでいやだなとか思っていたけれど、憲法は右も左も包む大きな傘だ。

その傘のしたで、みんなあーだこーだ言っている。

2 ブータンの言い伝え

私は憲法云々の前に、「人が帰る場所を荒らしちゃダメでしょ」っていう結構安直な理由からも、今の日本政府の原発事故後の対応に怒っている。再稼働も含めて。

ブータンの言い伝えにはこんなものがある。

「ブータンでは、精霊は目に見えなくて
目に見えるのは精霊の住処である、
例えば石や木や土など、と考えるそうです。
だから、石や、木や土にも命が宿っていて
傷つけてはいけないと。」

「土や木や、わたしたちに見えるものは
精霊たちの、神様の、「帰る場所」だから大切にする。」

私たちは、そこが「誰かの帰る場所」という想像力を持てているだろうか?

3 分断をどうやって乗り越えていくか

森松さんはもともと母子避難するかどうかを決めていなかったらしい。ゴールデンウィークに実家のある関西に親戚を頼って一時避難のつもりで出たら、ニュースがまるで違っていていかに子どもが放射性物質に脆弱かをしり、避難を決めたという。

それを福島のママ友に伝えた時「ありがとう」と言われたそうだ。

なぜなら「わたしは、福島以外に知り合いがいないけど、今度こそ避難しようと思った時は森松さんところをめがけて行けるから」。

保養にくるお母さんたちも同じ想いなのかなって思ったら本当にやりきれなくなって涙腺崩壊した。

「夜逃げするように保養にくるんです」

「学校も保養って分かってなくて、旅行記書いて来いって一つ宿題増やされたんです」

「保養行くくらないならやっぱり、福島から出た方がいいのかなって思うし」

いろんな話を聞いてきた。そんな中で話すのも疲れて

「福島は何も変わってないし、変わらない。東京や変わった地域の明るい話を聞かせてくれ」という言葉を聞いたこともある。

みんな疲弊している。疲弊すると分断が起こる。

避難した/できた人、しなかった/できない人。

保養に行く/行ける人、行かない/行けない人.

もう放射線は気にしていない人、まだ不安が拭えない人・・・。

それぞれの言い分もわかるからこそ聞いてみた

「どうやったら分断は乗り越えられますか」

森松さんは答えてくれた。

「人権を基本にした対話で乗り越えられる」

希望だった。

あと4ヶ月したら思い出したように、報道特集が組まれるだろう。

そんな時に、思い出してほしい、

国連に言ったお母さんのことを。

そして、ぜひ、否定せずに想いを伝えあってみてほしい。

それが、これからのエネルギーを含めた日本社会の未来を考える一歩になると願って。

#人権 #311 #東日本大震災 #原発事故 #自主避難 #国連 #エネルギー #持続可能な社会 #誰も取り残さない #SDGs #対話

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます!素敵な1日を!
7
自分の気持ちを素直に言える社会・コミュニティ作りを目指しています。noteでは、自分自身が自分を信じたり、好きになっていく揺らぎを残していきます。時々物語も書きます。🏳️‍🌈/🌎/🎵/📽/ネルソン・マンデルと誕生日が一緒/座右の銘「外見は大切、いつでも笑顔は忘れぬよう」
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。