旅するくまさん episode0 ~クリスマスの奇跡?が、3体のくまさんを出合わせ、そして旅を始めた~

画像1 いつも「旅するくまさん」シリーズをご覧いただきありがとうございます。シリーズも始まって間もなく400となり、途中から枝分かれした海外編も 150近くになろうとしています。ここでエピソード0(くまさん一行が旅を始めたきっかけ)を絵本風の物語に描いてみました。ちょうど「noteアド ベントカレンダー2017」に参加することになりましたので、本来のキリスト教としてのアドベントの日である本日3日にお届けします。クリスマスが 絡んで起きた奇跡?によって3体の熊さんが出会い、旅を始めたいきさつをご覧ください。
画像2 とある街の中に家族で経営している小さなお店がありました。窓ごしにピンクのくまさんが座っていました。実は人間からはわからないけれど、くまさんにはいつの間にか意識が芽生えていました。そのため「かわいい」とお店に来るお客さんからの人気の声もくまさんに聞こえていていつも喜んでしました。でも、いろんなところから来るお客さんの話を聞いていつか外に出たいと思っていました。しかし体が動きません。自分で自由に動くことができないピンクのくまさんはただ、座っていることしかできず。いつも寂しい想いをしていました。
画像3 この年のクリスマスイブの夜、店の経営者家族の会話が聞こえます「今晩の営業はこれで終わりよ」「よし母さん今から教会で夜の礼拝だ」「そうね 。あっクリスマスのプレゼントさっき買ったわよ。新しい熊のぬいぐるみ」「ママ!新しいくまちゃん、楽しみ」「新しい熊はこの棚に置こう。確かこの熊もクリスマスプレゼントだったけどもう古くて汚いからな」「パパ、プレゼントと言っても店の置物なの」「もちろんお前のは別にあるから安心しなさい。でもこの熊を置いてもう何年だっけ、今までよく頑張った。でも、もう引退だ!明日の朝入れ替えよう」
画像4 電気が消え真っ暗な中、店の家族の話を聞いていたくまさんは一人辛く悲しい気持ちになります。「朝になればこの店からついに外されるのか・・・遊びに来てくれたお客さんとももう会えない。でもその後はやっぱり捨てられるのかな」今にも泣きだしそうな気持になりながら、いつもなら早く終わってほしいと思う夜が、この日ばかりは出来るだけ長く続いてほしいと熊さんは願います。ところが、夜中ちょうどクリスマスイブから日付が変わるクリスマスに変わるその時、小さな地震が発生し、くまさんは窓の棚から下に落ちてしまいました。
画像5 くまさんが落ちた横で、鏡も上から落ちてきました。鏡はくまさんのピンクの体を映しています。すると、突然鏡に映し出されているピンクの体が動きだし鏡から出てきました。あたかもぬいぐるみからくまさんの意識だけが魂のように抜けてしまったようです。目の前に自分自身のぬいぐるみが見えて一瞬あわてたくまさんですが、今までと違い自由に動けるようになり、嬉しさがこみ上げます。
画像6 くまさんは、「自由に動き回れる。そうか!これが、お店の家族が言っていた、神様からのクリスマスプレゼントに違いない」と喜びながらそのまま歩きます。先ほどの地震が影響したのか、入口ドアの隙間が少し開いています。そこでくまさんは恐る恐る店の外に出てきました。外は真っ暗でいろんな物音がして、真っ白で冷たい雪が積もっていました。でもくまさんは始めてみる外の世界を怖がることなくどんどん歩いていきます。
画像7 気が付けば、空が明るくなり、いろんな人が街を歩いています。でもだれもくまさんの存在に気づきません。「これは、幽霊になってるのかな?」とくまさんは考えました。でも壁とかをすり抜けたりしません。そのうち、外の景色も飽きてきました。でも何も考えず適当に歩いていたので、店に戻ろうとしても戻れません。「こまった。これからどうしよう」ちょっと途方に暮れてしまったくまさんに、声をかけるものがいます。振り向くと青いくまさんがいました。
画像8 青いくまさんは、「いっしょに遊ぼう」と言ってきます。でもピンクの熊さんは、自由に動けるようになってから初めて話しかけられたのでちょっと恐がります。すると青いくまさんは、着ている白いTシャツを見せて文字を浮かびあげさせる事ができると言います。「気になっていることをここで文字に出すことができるんだ」と自慢げな青いくまさん。すると「友達」とTシャツに書いてあります。
画像9 それを見て安心したピンクのくまさんは、青いくまさんと一緒に遊び始めました。それまで、ずっと店の棚に座っていて動くことができなかったくまさん。この時自由に動き回り友達もできたので、いろんなことをして遊びました。だから一体どのくらい遊んだかわからないくらい。
画像10 でも、さすがに遊び過ぎたのか2人のくまさんは、ついに飽きてしまいました。ふと耳を傾けるとこの日はクリスマスイブ。1年間も無心に遊んでいたのでしょうか?「もう帰ろうか」と言う青いくまさん。「え?君は帰るところあるの?」青いくまさんは首を横に振ったのですが、それに気づかずに、思わず「もう自分は帰るところがない」事を思い出したピンクのくまさんは途端に寂しい気持ちになります。すると遠くから黄色いくまさんが近づいてきました。
画像11 「はじめまして」とお互いがあいさつ。黄色いくまさんは不思議な竹で編んだ笠をかぶり、日本の時代劇のような恰好をしています。「これは日本の江戸時代の旅人の格好なんだよ」という黄色いくまさんは、日本で一番高い富士山の山頂を目指す旅の最中だと言うのです。ところがトラックの荷台で眠っていたら知らぬ間に違う場所に来てしまったりとかで、途中で道がわからなくなってしまいます。そこからさらに手当たり次第歩いてしまい、もう一体ここはどこなのかわからない。だから道を教えてほしいと言います。
画像12 ちょうどこれからどうしようかと考えていた2体のくまさんは嬉しそうに「そしたら一緒に富士山に行きましょう」とほぼ同時に言います。しかし、ピンクのくまさんは長い間店の中にいたので富士山の位置はおろか、今ここがどこなのかもわかりません。ブルーのくまさんも特に意味もなくふらふらしていたので同じく場所はわかりません。でも「みんなで歩いていたらそのうち手がかりがつかめるだろう」と黄色いくまさんが2体の熊さんを誘いました。そこで取りあえずみんなで一緒に歩きはじめました。
画像13 しばらく歩いていると、ピンクのくまさんがバナナの皮が落ちているのを見つけます。「あ、バナナの皮だ。足を滑らないようにしよう」と言ったその時、横にいた黄色いくまさんがバナナの皮で足を滑らせてしまいます。そのため、あと2体のくまさんも一緒に巻き込まれてしまいました。
画像14 すると不思議なことに、黄色いくまさんが、かぶっていた竹で編んだ笠が、突然大きくなり、3体のくまさんがそこに入り込みます。 一体何が起こったのかわからないくまさん達。すると今度は大きな笠が風に吹かれて空を飛び始めます。
画像15 風に乗った笠はそのまま、雲の上の大空を飛び出します。「この傘スゴーい」と喜ぶピンクのくまさん。「これ乗り物だったの?」と質問するブルーのくまさん。しかし、黄色いくまさんは「いや知らないよ。こんなのは初めて」と一番驚いています。
画像16 笠は、雲の合間を駆け抜けるようにどこかに向かって飛んでいきます。ちょうど夜。雲の合間から宝石のような夜景が見え隠れします。「そうだ今日はクリスマスイブの夜だ」ブルーのくまさんが思い出します。「そうかこれじゃあまるでサンタクロースとトナカイみたいだね」と黄色いくまさん。その前でピンクのくまさんは、自由になった日の夜もクリスマスの夜だったことを思い出しながら「また、クリスマスプレゼントをもらった!」と喜びます。
画像17 しばらく楽しく大空の旅を楽しんでいたくまさん達。ここで突然の逆風が吹いたかと思ったら、笠が裏返ってしまいます。そのままくまさん達は落下。でも、それほど地上とは距離のないところだったので怪我もなく着地。でも、ここは町の中ではなく、どこかの山の上に来たみたいです。
画像18 「ここはどこだろう」と周りを見て驚くピンクのくまさん。すると「ああ!」と大声を出す黄色いくまさんが見つめる方向に先ほどの笠が風に乗って遠くに飛んで行ってしまいます。「ありゃりゃこれからどうしよう」ブルーのくまさんも困り果てます。
画像19 「ん?あの建物どこかで見たことがある」ブルーのくまさんが突然少し離れたところにある建物を見つけます。「あ!あれは、富士山の頂上にある建物だ」うれしそうに黄色いくまさんが叫びます。「よかった。無事に富士山についた」3体のくまさん達は嬉しそうです。「ちょっとまって」ピンクのくまさんが声を上げます。ほら、あそこ今から太陽が上がってくるよ「ああこれは御来光だ」とブルーのくまさん。ということで、しばらく御来光を眺めることにしました。
画像20 こうして、富士山の頂上に無事にたどり着いたくまさん一行。「無事に着いたけど笠がなくなってしまったなあ」と残念そうなブルーのくまさん。「仕方ないよ。そうだ今から3体でいろんなところに旅をしよう。富士山の上は日本で一番高いところだからそこからスタートだよ」というピンクのくまさんの提案に同時にうなづく2体のくまさん。こうして富士山の山頂からスタートして日本国中。いや世界中を旅することにしたくまさん達なのでした。
画像21 最後までご覧いただきありがとうございました。 くまさん達の旅はこれからも続きます。初めての方へ私のnoteでは主に3体のくまさんが、ほぼ毎日旅をしている企画をしております。もし興味ございましたらこちらのhttp://www.geocities.jp/kumasan_2015/travel/tabikuma_top.htm  外部リンクからくまさん一行の旅の様子のリンク集がございます。さてこのnoteアドベントカレンダーは2日の「ぶんちゃん」さんから引き継ぎ、次は4日の「あまがみこ」さんとなります。
アドベントカレンダー さて、今回私はnoteアドベントカレンダー2017初参加です。多分これでと思って投稿しましたが、もし主旨とずれてましたらご容赦ください。私は昨年の夏頃にnoteを始めまして、12月に昨年のこの企画を見る機会があって、「これは面白い」と思ってました。そしたら今年も募集していましたので思わず応募しました。最初はちょいと「場違い」かと緊張しましたが、結果的に非常に楽しかったので、今年これ見た人が来年私のようになどと思ってしまいました。最後に主催者のかーるさん。楽しい企画をどうもありがとうございました。

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