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【提案】TCH的まくら選び3(じっせん編)

前回、ちょうど良い頭の角度:パターンC(頭が前屈・後屈どちらでもない状態)と設定し、この時のあご周りの適度な緊張が心地よい睡眠を作るのだろうと書いた。

問題は、このちょうど良い角度をどう見つけるのか?

⒈「あごに力が入ることを体感しましょう」

〜バンザイで見つける方法〜
そのヒントになるのがリラックスして眠る赤ちゃんの姿勢である

イラストの赤ちゃんのようにバンザイの姿勢で仰向けになった時のあごの脱力度を感じていただきたい。この状態は理想的な緊張になりやすい。
その状態から手をそっと降ろすとその感覚を残したまま寝姿勢が取れる。

(しかし…ベッドでやってみるとそれができないことに気づくはず。
バンザイすると腕がはみ出してぶつかってしまうのだ。感覚を掴むためには畳などの少し柔らかい場所で行ってみよう。)

この状態がニュートラルである。
そして、その頭の角度とあごの脱力感を頭の中に残して次のまくら選びへと進むこととする。


⒉「まくらの高さを変えて、あご筋張の変化を感じよう。」

〜バスタオルを使って〜
恩師はまくらについて聞かれると山田朱織著「枕革命」という本をベースに自分で作るまくらを説明していた。
その中でバスタオルなどを重ねて、理想的な高さを見つける方法があり、ここでも活用可能である。

⑴肩幅以上の幅があるタオルを数枚用意する。
⑵あごリセット後、まくら無しでバンザイ〜手を下ろし、あごの感覚を感じる=低い感じのはず。(この時、手のひらが自然に上を向く)
⑶タオルでかなり高いまくら→まくら無しを繰り返し、寝るのにはやや不快なあご感覚を大げさに感じる。
⑷かなり高いまくらから少しずつタオルを外し、減ると徐々に楽になり、あるところから低く感じるのを繰り返す。

ここで一番良いと思った高さを見つけたら、そのままカバーを巻いてまくらにしてしまう。(オススメ)

既製品のまくらが良ければ、硬さ、大きさ、高さ、あご感覚を記録または記憶し、まくらを探しに行く。

⒊「最もあごにゆとりを感じるまくらを探してみよう。」

〜実際に買いに行く〜
とは言え、お店でまくらを買うにあたって自分のベッドに近い状態で試さなければならない。が、それはかなり難しい。

睡眠においてまくらの役割が重要視されるが、ベッドやマットレスなどの重要性はかなり高い(筆者経験による)

なるべく自宅に近い環境で試せること。頭の角度とあご感覚がタオルの時と同じになるようにまくらを選びましょう。
次章で触れる、そのまくらへの乗せ方を想定すると、やや幅があるものが良いと思う。

⒋「そのまくらであごを楽に保つ姿勢を確認してみよう。」

〜乗せ方に慣れる〜
寝具は新調すれば即座に慣れるわけではない。
最初のうちは乗せ方、特に肩がまくらに対してどの位置に来るかを感じて最初の就寝姿勢を取るべきだ。
それは頭の角度を決めるのが肩の位置だからである。

頭の角度に影響する因子としては後頭部の形状なども関係するけれど、図で考えると比ではないことがわかるはずである。

あとは、自然に同じ感じで乗せれるようになればあとは慣れるだけ。

終わりに〜まくら選びについて〜

よく眠れない、起きた時に疲れているなどの睡眠の悩み。そこでまくらが担うのは1要素に過ぎない。

日中の運動不足、交感神経の過亢進、逆流性食道炎などの内臓的理由、ベッドの硬さ、昼夜の逆転…

その要素はあまりにも多い。しかし、旅行などでアクティブに活動した夜などだと自然に眠くなることもあり、そこに解決策が隠されていることもあるだろう。
このまくら選びの3シリーズでは、起床時↔︎睡眠時という概念は無視して、TCHコントロールで使われる姿勢の理論を用いた。

まずは騙されたと思ってやってほしい。


「【提案】TCH的まくら選び3(じっせん編)」
初校 2019.Feb.13
text by 斉藤ヒロユキ(dentist)
illustration by  Moe Itoh (小児科専門医)

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