家を買ったタイミングで、異動で単身赴任ってパワハラか?

半年前に新築戸建てを購入したら、単身赴任することになった。
住宅ローンを抱えて会社を簡単に辞められなくなったタイミングを見計らっての異動辞令。これをパワハラと言わずして何と言うのでしょうか?

このつぶやきを聞くと、気の毒だなと思う人が多いと思う。
しかし、パワハラではない。

そもそも会社は、新築戸建てを購入したという個人的事情など気にすらせず、異動辞令を出している。
なぜならば、会社では経営判断として人事計画が決まる。それに合わせて、年次や経験を考慮して、人事異動を決める。大企業であれば、なおさら全社員の個人的事情を考慮することは、物理的に不可能であるからだ。

逆に、「Aさんは家を買ったばかりだから、今異動にしたら可哀想。賃貸のBさんを異動にしよう」なんてしてたら、会社は回らなくなるし、それこそ大問題になる。

また、会社は辞めれなくなったタイミングを見計らって異動辞令を出していないし、もし仮に出したとしても、パワハラではない。
なせならば、会社は異動で転勤になる可能性がある職種として採用しているからだ。
会社は、入社時にその旨を社員に承諾させた上で採用しているし、異動で転勤の可能性がある分、高い給料を払っていたりする。
散々いい思いだけしておいて、いざ異動で転勤になったら、パワハラと言うのは虫が良すぎる。

とはいえ、家やマンションを買ったり、子供が生まれてすぐのタイミングで、異動辞令が出て単身赴任や転勤することになったという話は、大企業ではよくある話である。もしかしたら、会社が、会社を辞めれなくなったタイミングを見計らってるのではないかと思いたくなる気持ちはよく分かる。

ただ実際のところは、30歳前後で結婚したり、子供が生まれたり、それに合わせて家を買ったりする人が多い。ちょうどそのタイミングと、会社が人材育成の観点から、そろそろ異動させて経験を積ませようというタイミングがバッティングしているだけのことが多いと思う。

会社で長く働いていると、会社に愛着も湧いてくる。
自分は会社のためにこんなに働いているんだから、会社も自分の個人的な事情を考慮してくれるのではないかという甘い期待を持ってしまうのかもしれない。残念ながら、それは錯覚である。

私自身も、前に勤めていた会社に転勤のある総合職として入社した。
合計3回転勤を経験した。
20代の頃は、「住宅手当でほとんど家賃支払いなしでいいところに住める、その分お金も貯まる、地方も住めば都で意外と楽しい」とメリットを感じていたので不満もなかった。
ただ30歳すぎた頃から、異動で転勤があると、結婚・子供・少し先だが介護など自分の人生設計が立てづらい。単身赴任している先輩や上司を見て、このままで良いのかと会社に違和感を感じるようになった。

自分の人生の優先順位を見直した時、
昔は、お金>住む場所>家族   今は、家族>住む場所>お金 
変わりつつあることに気づいた。

もちろんお金は欲しいが、家族や友人がいる場所でこれからの人生を過ごしたい。お金も、別に会社で出世しなくても、会社以外の収入源を作れば解決する。そこから紆余曲折を経て、今は転勤のない会社で働いている。

会社は、社員の個人的事情など気にしない。
社員は、いつ異動で単身赴任しようが、家族で転勤しようがパワハラにはならない。                              会社とはそういう組織である。

もし会社に違和感を感じるのであれば、自分の人生の優先順位を見直して、行動を起こすしかない。

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