偽・新聞社サイト問題から何を学ぶか?
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偽・新聞社サイト問題から何を学ぶか?

hara

5/14に47ニュースに加盟している各新聞社の偽サイトが発見されるという大きな事件が発生しました。下記の通り各社が報じています。紙面には「情報漏洩」に注意!とあるのですが、そこがポイントなのでしょうか?ということを見て行きたいと思います。

何が起こっているのか?

偽サイトはアドレス末尾が「.tk」「.ga」「.gq」「.ml」「.cf」などとなっている。フィッシングやウイルス感染の危険もあるため、アクセス、個人情報入力などは絶対にしないよう注意喚起している。

記事の中でも説明されていますが、アドレスの末尾が「jp」ではく、「.tk」「.ga」「.gq」「.ml」「.cf」などであることが味噌です。

私がアドマネタイズを中心に事業を行っているから、特になのかもしれませんが、この問題は「個人情報」を取るということだけでなく、「広告費に対する詐欺」なのではないか?と考えています。

問題点は?

正式なアドレスとの違いは「トップレベルドメイン」が違うというのみで読者だけでなく、GoogleDisplayNetwork(GDN)などのアドプラットフォームで買付けを行う広告運用者も見落としがちな点と思われます。

GDNなどで広告配信を行う際に、ブロード配信して配信を望まないサイトを、後からブラックリストで設定して絞り込みを行っている運用者の方も多いのではないでしょうか?このような場合には、ドメイン(例えば京都新聞ですと、kyoto-npの部分)は見ているが、トップレベルドメインまでを見ずに運用するケースが想定されます。このため、広告枠さえあれば(当該枠にアドプラットフォーマ―のサービスが入っていれば)、予期せぬ買い付けを行っているケースもあると思われます。

出稿側が「京都新聞」「沖縄タイムス」「西日本新聞」に出しているつもりだった広告が、「.ga」「.gq」「.ml」「.cf」などを使った偽サイトを作った輩に搾取されると言う問題が起こります。

プレミアムメディアが本来受け取れるはず(可能性があった)広告費を、詐欺メディアに搾取されるという由々しき事態です。(出向側もマーケティング投資の適切な広告を享受できないという点で被害を受けています。)

このような問題が発生するのは、新聞社などのプレミアムメディアはブランドセーフも担保できるので、幾ばくかのプレミアムプライスが付いて出稿されるということを、詐欺をする輩は把握しているのではないか?と想定されます。

もっと巧妙な手口も

今回はトップレベルドメインが異なるということで、注意深く観察・確認をすれば気づける事案ではありましたが、もっと巧妙なドメイン偽装(スプーフィング)の手口もあるようです。(下記のDIGIDAY記事/IAS Insider記事にて詳細はご覧くださいませ。)

プレミアムメディアは静観するしかないのか?

偽サイトを作られるということや、今後起こるかも知れないドメイン偽装で事業を毀損されないためには、何をするべきなのでしょうか?静観をするしかないのでしょうか?

1.広告枠取引の透明性を高める
あ)純広のみを販売する
人が相対で取引をすることにより、取引する広告枠を出稿側も集稿側も適切に認識をすることができ、詐欺をする人間が介在する余地を残しません。

但し、1媒体ずつに入稿するという取引形態を出稿側が好まない(手間などを掛けれないという事情もあるようです。)というところで、メガメディア以外は、あまり現実的ではないと考えた方が良いと思います。

い)ads.txtなどを活用する
上記のような詐欺行為の中でも、ドメイン偽装に対してしか有効には働かない(偽サイトの場合には、そもそも偽サイトにads.txtが設定されて、真性証明をされてしまうと、意味をなさないケースありますが。)、アドネットワークやSSPを活用して、収益化をしておられるメディアの場合には、収益機会の逸失を防ぐべきかと思われます。

う)プログラマティック/PMPを活用する
あ)にて、相対の取引を推奨しましたが、メディアに対して直接入稿することは手間であり、現実的ではないという話をしました。手間なのであれば、(出稿側の)手間を引き減らす取り組みを用意するのが良いのではないかと思われます。巷でもよく耳にする言葉かも知れませんが、プログラマティック広告を活用して、メディアとしても出稿側の手間を減らすことが良いのではないか?と思われます。

メディア側としても、出稿側がプログラマティックで買付けをしやすいように、枠のための仕組み(SSPの用意をする、Dealを発行できるようにする)を準備するということや、プランニングに則するようにメディアの価値(コンテンツ価値/枠価値など)を伝えられるようにすることが必要です。
※このような施策を行える人材を社内(ないし協力人材)として整えるべきと考えます。

こうした中、純広告をプログラマティック広告に移行したいという先進的な広告主もいます。というのもプログラマティック広告であれば、PMP(プライベートマーケットプレース)で純広告と同じ品質を担保しながら、かつデータを活用してアドトラッキングもできるようになるからです。これまでバラバラのフォーマットで上がってきていたレポートを、原稿も含めて一元管理できるようになるというメリットもあります。広告主にとって効果と効率が両立するこのような状況は、理想の形といえるのではないでしょうか。

2.メディアブランド活かしての拡大
1.としては、広告枠取引の透明性を高めるという話をしましたが、詐欺をする人間がいるということは、そもそも新聞社などのプレミアムメディアに価値があることの証明とも言えます。ということは、このメディア価値をどう活かして行くのか?(攻め筋)を考えることが重要と思われます。

老舗でもある読売新聞の大手小町をはじめとして、朝日新聞や産経新聞(サンスポ)などが、サブドメインの形式で別メディアを立ち上げるなどで、プレミアムメディアの持つ、「ドメイン」の価値も横展開するなどしておられます。通信社では、時事通信も時事メディカルを用意しておられますし、TV局各社も番組(放送)コンテンツの記事化なども行っておられて、札幌テレビやテレビ東京などの番組コンテンツの切り出しは注目すべきものと思われます。

本取り組みには、各社広告(枠)以外の狙いも多分にお持ちのことかと思います。が、本稿では広告(枠)にフォーカスしているので、この視点で見ていくと、「サブドメイン」であるが故に、出稿側も「買い付けの際に、分かり易い」というポイントと考えます。

各メディアともに、「自分たちの取材の隣の領域」にあるものを、新たなメディアとして用意しているように思います。(勝手な想像なのであまり本記事では文字は割きません。ご興味おありの方は、お申し付け頂けましたら、一度妄想の放談をさせて頂きたく思いますので、ご連絡下さいませ。)


なお、新聞社の話から少しズレますが、TV局では別ドメインにして立ち上げるメディアも増えて来ておられます。既存の取引と関連させるなどで、新ドメインのメディア価値も訴求していくという狙いの場合には、新ドメインで新たな土地を広げるという戦い方もあると思います。(既存事業の価値の横展開という戦い方と考えます。)


広告枠取引の透明性やメディアブランドの活かし方に関しては、これからも事例を踏まえて、継続的に記事としてまとめて行きたいと思います。

なお、最後に宣伝ですが、私が所属するDataTailorのグループ会社であるINCLUSIVEで上記のようなことも生業としております。ご興味をお持ち頂けましたら、いつでもお気軽にお申し付け下さいませ。

また、メディアのブランド価値に関しては、下記でもお話をさせて頂きましたので、この点についても改めてお話出来ればと思います。


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おおきに!!頑張ります!!
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