授業動画に使うスライドを作っていて気づいたこと

次の授業動画用のslideはとりあえず完成しました。動画収録までは今日は断念。

とにかく、スライドの構成、流れ、スピード感、完結性の4つを常に頭において、短い時間でドライブ感を持って視聴者が見れるようにするにはどうすればいいかの1点だけに意識を集中し、全神経をそこに注いで制作をやっています。

兎にも角にも、「見てもらわないといけない」「生徒との関係性マジックが一切使えない」「コンパクトに明解にわかりやすくしないといけない」という3点の制約があることを前提に動いているので、制作に膨大な時間が掛かります。こだわりだしたらキリがないし、どこかでケリをつけて、まあこの辺りで一つ、と落とし所を見極めないといけないのですが、瞬時の判断と、直感だけを頼りにそれを何十回、何百回と繰り返して作っていきます。

生徒たち、見てくれるかしら、と思いながら朝から晩までスライドの事ばかり考えて、ああでもない、こうでもない、を繰り返します。気が遠くなる作業です。でもやるしかない。締め切りが迫ってきてるから、まとめないといけないし。

制作時間は膨大に費やされるのに、動画撮影はたったの10分。割りに合わない仕事ですが、僕らがいつも楽しんでるエンタメなんて、ほんとにこんなことの連続なんだろうな、と思うと、自分がいかに授業でサボって楽して凌いでいたか、としみじみしてしまいます。

生徒が動画を見て、いつも通りの授業のドライブ感、ライブ感、即興性を楽しんでくれるように工夫をしていますが、生徒との掛け合いや場の空気の妙を捉えながら、その場で生徒と編んでいく空気というのは作れません。動画は記録媒体であり、空気は閉じ込められてしまうので、撮影してる現場の空気がつまんないと、動画に映るものはもっとつまんない物になります。記録って残酷です。

これはカラオケを録音してあとで聞き返した時に、あれ、俺ってこんなに下手なの、とガッカリする気持ちに近いと思います。

案外、やれてないものなんですよね、記録してみると。

去年までは案外いけてない授業をしていても、自分の立場や権威はある程度保証されていました。だって先生ですもんね。生徒は従わざるを得ない。日本はそういう空気で回っているから、自分がつまんないことやってても、とりあえず授業は聞いてもらえてたし、少なくとも聞いているフリはしてもらえてた。

動画授業はそうはいかない、と思っていて。子供たちと僕の関係はますますフラット化するし(先生だぞ!という威厳みたいな物は一切通用しない)、生徒を監視したり、お説教したりもできない。自分の身一つで勝負するしかない。

教育実習で指導教官の先生から教わったことが蘇ってくるわけです。

今自分が感じていることを一言で言えば、楽しいし、充実感がとてつもなく深い、ということです。考えてやらないといけないので、気が抜けないです。時間をかけられるところとかけられないところも、ずっとやってるとクリアになってくるので、どんどん頭が研ぎ澄まされてきます。

コピペみたいな感じで毎回同じようなroutine-wiseな授業を提供してもいいんですが、自分はそれはしたくない、と思っています。子供たちはハイパーなエンタメ産業と共に成長していってるし、そのコンテンツと同じ土俵に並べられているんだな、という意識を持ってコンテンツづくりをやり続けないと、オンラインの教育提供は失敗すると僕は思っていて、生徒を学びに誘うような仕掛けや仕組みが次から次へと提示されうるようなformulaをこの受難の時間の中で、自分の中に構築していきたいと思います。

「コロナが収束したら」という枕で将来の夢や希望が語られることは今現在生きる希望を持つ上で大事だと思いますが、僕は事はそう甘くないと考えていて、「コロナは収束しない。コロナと生きていくしかない」というパラダイムに舵を切っています。もうそれしかない。歴史的厄災というのは、かくも人智世故の枠組みを嘲笑うが如く、影を落とし続けるのか、と思うと気が滅入りますが、いいや、悪魔と一緒に生きていけばいいわけでしょ、と思えばね。気は楽です。誰にもどうしようもないんですから。去年までの世界はもう二度と戻ってこないし、無理だと思います。

毎日制作をやっていて気づいたことを備忘録的に箇条書きで書いてみます。
前提条件として、、、
・以前の対面式授業の時のように、生徒は画面の向こうで黙って座って聴いている、というparadigmは捨て去る。
・生徒が携帯や漫画を弄るのは避けられないことを勘定に入れて授業デザインする。
・教師が面白い、と思っていることに、生徒側のrelevanceがどれくらい絡んでいるかをきちんと設計の勘定に入れておかないと見てもらえないことを自覚しておく。
・普段の生活で、メディアコンテンツをボーッと見る癖を捨てる。なぜ面白かったのか、どうして飽きないのか、どのタイミングで切り替わっているか、などを逐一面倒くさがらずにメモを取るなりして微細にコレクトしていく。(これが意外ととても大事)良い機会なので、これを機に、お笑い、芸術、YouTubeコンテンツ、TikTokなどのSNSコンテンツを勉強する、というのも立派で素晴らしい研修の場になると思う。

1. スライドの中のテキストの文字は大きくする。50p~100pくらいの幅で置く。小さなフォントは使わない。

2. 1に関連するけど、1つのスライドに詰め込める情報は多くて3つまで。それ以上は見る側からしたら、見ないか、飛ばすか、入ってこない。

3. スライドの中にアニメーションを入れるときは、0.1~0.5秒までの刻みでin, out, actionのタイミングを見た方がいい。もたもた感が出るのはまずい。

4. スライドが全部できたら、リハを最低2回くらいはざっとやったほうがいい。ゲネプロ的なリハではなく、本読み(脚本読み)とも違い、全体を1つずつ確認していくアウトラインの作業は必ず入れた方がいい。

5. 英文を持っていくときのコンテクストはより重要。anecdotalであることが極力望ましい。というか、そうじゃないと構成がぶつ切りになる。

6. (これは自分も今、どうやればいいか悩んでいるところです)テロップを効果的に入れていく。

7. 制作するガジェットやPCへの投資を絶対にケチらない。
8. corna関連の時事問題は触れた方がいい。
9. 勢いと根性でコンテンツは作れない。

10. 自分が「最高!」と思ってるアイディアや作り込んだコンテンツは、差し引いてその2割使えればいいと思っておくこと。

11. NHKは参考になるが、NHKが有する専門性の高さに関しては、一流中の一流が出てあるので、そこは気にしない。むしろその一流の外部の発信やアウトプットされた物を漁ってネタを仕込む。

12. 動画収録の際、見た目は気にした方がいい。(釘付け、という言葉があるけれど、それはとても大事なことだから。)

明日撮影します。またいろいろ気付いたらここに備忘録で書きます。

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田中 十督 中高教師 英語科 大学院生