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蔵元日記

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旭酒造会長桜井博志の日記です。
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2020年10月の記事一覧

蔵元日記vol.497【酒飲みの達人】

蔵元日記vol.497【酒飲みの達人】

前々回の蔵元日記( https://www.asahishuzo.ne.jp/diary/004634.html )を読んだ方からこんなお便りをいただきました。

(以下から始まります)

蔵元日記を読んで、、、
 
「一日一合」で「一期一会」

私は獺祭の180m瓶を何本か、丁寧に洗いへ乾燥させています。

新しい獺祭を開けたら、3本の小瓶にすり切りまで酒を入れ冷蔵庫で保管します。風味の劣化を防

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蔵元日記vol.496【サザビーズ】

蔵元日記vol.496【サザビーズ】

世界最古のオークションハウスであるサザビーズ香港に獺祭を出品しています。以前から「ワインと比べて日本酒の弱みは高額な商品がないところ」「世界でワインに伍していくためにはそのマーケットに切り込んでいく商品をつくることが不可欠」とよく話してきました。その第一歩が「その先へ」だったわけですが、いろんな方から「その先へのその先はあるのか?」と聞かれていました。

私たちのその問いに対する答えが今回のサザビ

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蔵元日記vol.495【新生獺祭続き】

蔵元日記vol.495【新生獺祭続き】

前回の蔵元日記・新生獺祭編を読んだ方からメールをいただきました。「昔の滋味のある酒は、磨きが80とか70だったということでしょうか。その旨み?を取り入れた新生二割三分、どんなお味・香りか?気になりました!」というものです。ありがとうございます。ぜひ、試してみてやってください。

ところで、僕が思っている「太古の酒」というのはもう少し古いものなんですね。室町時代には今の酒造りの基本的技法を確立してい

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蔵元日記vol.494【新生獺祭】

蔵元日記vol.494【新生獺祭】

最近の新生獺祭シリーズの「磨き二割三分」と「45」、どちらも酒としての仕上がりに自信があります。まず、きれいな香りとともに入ってきますが、口の中での味わいは何層かの複雑性にあふれていて、皆様をきっと魅了すると思います。

このお酒は、最初は築地の国立がんセンターの研究部長として在籍しておられて現在は東京医科大学の教授として研究に携わっておられる落谷先生の示唆で始まりました。(最近コロナ重症化を判別

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