見出し画像

さつぽろのおもひでぽろぽろぽろ

北海道という土地は非常に魔性の女で、いや都道府県に性別があるのかという点に関してはジェンダー的に怒られそうですけど,でも私は札幌を女性っぽいと思うのです。波があって、弱そうだけど実は強くて、それでいて容赦ない。夏と冬の差が激しくて、自称田舎の全国五大都市で、やっぱり雪には勝てない。そんなところが女性っぽいと思います。

札幌にきて,人間って思ってるより優しかったんだなと思いました。中高時代ずっと、ネガティブをどぶで煮込んで蒸留したような疑心暗鬼に陥っていたのですが、大学時代ようやくその自意識過剰を捨てられたというか、緩和できたように思います。ほんとに人に恵まれました。さし呑み誘ってくれたり、映画誘ってくれたり「まだ仲良くなってない相手が自分に興味を持ってくれて、遊びに誘われる」というのが私には新鮮でした。高校時代も何度か声をかけてもらえる事があったのですが、それを素直に喜ぶには自分の方が病みすぎていたので、社交辞令かなんかだと思っていましたすみませんでした。
とにかく、大学時代、意外にも私に興味を持ってくれる人が少なからずいました。びっくりした。
優しい人たちが構ってくれて、なんとなく人間として扱ってもらえる機会が増えた気がして,有頂天大学生活でした。
もちろん、変な人もいました。失礼なこときいてくるおじさんとかなんもしてないのにブチギレお姉さんとか、顔見ただけで会話に応じないお兄様とかわかりやすい方もいらっしゃるけれど、なんかそういう人の方が珍しいというか、昔ならそんな人ばっかりだと思ってましたけど、今はそっちの方が余裕なくてそうなっちゃうんだもんね、辛いよねそうだよねえ~とか可哀そうに思えるくらいの余裕をもてました.
大学で仲良くなれた人たちのおかげでずいぶん自信がついたことは間違いないです。よかったなあ私、この大学にスライディング滑り込み合格してほんとによかったね。私,この一年生きてたし,生活したし,卒論も内容ヤバいけど出しました.生きててよかった.

一方で、人生でこんなに自信を無くしたのもこの札幌に来てからでした。失敗しまくるバイト、気づけば寝ている授業、分からないゼミと先生の話と頭良すぎる同期、うまくいかない就活、人生積んだなあって思いました。これ生きてる方が迷惑では…。という考えが頭をよぎる程度には追い詰められて,人生初の精神科レッツゴーしたら意外と楽になったりカウンセリングを経て自分のルーツを知ったり、また発見がありました。私の発達障害は遺伝的なものだともわかってスッキリでした.何か違和感を感じた人は,家族で発達障害がいたらそれを調べてから検査するといいですよ。あと騙されないで欲しいけど、ADHDの診断には脳波の測定はしないので…1万円くらいの知能検査受けて、漸く「そういう傾向が強い」って判定が出るだけなんですよ。ADHDですね、とは断定されないので、そこは変な医療機関に騙されないでくださいね。
人間、いつ心が折れるかなんてわかりませんから、困ったら精神科、カウンセリングに行ってくださいね。そして生き辛ADHDの仲間たちは、困ったときにはお薬に頼ろうね。私は飲むのやめましたけど、吐き気がひどかったアトモキセチンに比べればコンサータは副作用もあまりなくて、割と効きました。ただ、性格変わる感じ(感情の起伏が小さくなって落ち着いた人間にかわる感じ)して怖くなってやめたけど、ホントに忙しすぎるときにはミスが減るし少し短絡的な行動の前に立ち止まれる感じがします、合法なのかな…ていうか定型発達してる方ってこんな思考クリアに生活してるなら羨ましい限りだなとか思いました。私程度で発達障害とか甘えかもしれませんけど、でも薬やカウンセリングで解決する・和らぐ部分もあるので、人への相談は大事です。
あと発達障害に関してはね、今となっては私の長所でもあるしなんなら失いたくないとすら思っています。でもそう思えるまでが長かったので、知人に「発達障害なんだよね」と言われたら込み上げるイライラを押し込んでそうなんだね、と適当に相槌打ってくださいね。その人が本当に発達障害なら後にじわっとわかってきますし、その人がどう苦しいのかも時間をかけてようやくわかる事だと思います。つまり、すぐにはわからないし聞いた当初はできない理由を発達障害のせいにしてると感じるのも当然と思いますし、なんならADHDを盾にいろんなことをさぼろうとする私みたいな人もいるんですよね。なので、あまり深入りもしないけど否定もしないのが当事者には一番うれしいのかな~と思います。実際、私の暗いウジウジした話を聞いて支えてくれた友人と家族のおかげで今の状態になれたところは大きく、感謝してもしきれません。
そしてその点でも札幌はゆるっとしていて、息がしやすかったなあ。時間の感覚ゆるめな気がするんですよね、多分だけど雪という自然災害予備軍と共に暮らしてるからなんだろうな…雪による遅延、雪による体調不良、雪によるおひとり様迫害レベルのカップルイベント。雪には逆らえないんですわ。

大好きだったなあ札幌。あのマンション、あの自分の部屋がもう自分のものじゃないのが悲しくて、札幌に帰るって言えないのが寂しくって、なんとなく北海道神宮で買った梅酒を飲んでいます。梅酒を好きになったのも札幌でした。いつかまた札幌に住みたいです。また帰るね、いつかね。

そんな、札幌への別れの言葉でした、敬具。


この記事が参加している募集

私は私のここがすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?