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三段リーグって昔はなかった

将棋のプロになるには奨励会に入って三段リーグを突破しなければなりません。
なんていうのは知っている人も多いのではないかと思います。
テレビでもよく説明されています。

藤井七段が最年少で、しかも三段リーグを一期で抜けたのも、当時話題になりました。

そこで、これは意外と知らない人が多いんじゃないかという情報をお伝えします。それは、

「羽生さんは三段リーグを突破していない」

です。


■三段リーグは1987年から

奨励会の三段になるまでは、ある規定の回数勝てば昇段、というルールです。
三段から四段に昇段する時のみ、三段リーグという半年に1回行われるリーグ戦で上位2位になる必要があります。

というのが今の制度ですが、以前は違いました。

1974年から1986年までは三段リーグがなかったのです。
四段に昇段するときも、規定の勝ち星を上げればよかったのです。
(それ以前は、三段リーグとほとんど似たような制度がありました)

羽生さんがプロになったのは1985年12月18日。
当時三段リーグはありませんでした。

ちなみに12月18日というこの日付は現在の制度ではあり得ません。

現在は三段リーグを突破してプロになる日にちは、4月1日と10月1日のどちらかだからです。

羽生世代のプロ入りはちょうど三段リーグができる時期とかぶっています。
しかし羽生世代三羽烏の羽生佐藤森内と故・村山九段は、三段リーグができるまえに昇段しています。


■1956年~1973年までは三段リーグっぽいのはあった

名前が違うだけで基本的には同じシステムです。
「予備クラス」とか、「奨励会A組」という名前でした。

将棋界で有名な人だと中原誠十六世名人がいますが、最近の藤井ブームで将棋を知った人はほとんど知らないでしょう。
以前記事で書いた、タイトル独占しそうだった人です。
(将棋界では中原時代と言われる時期があるぐらいです)

この当時のリーグを抜けた現役プロは、現在最年長棋士の桐山九段と、青野九段がいらっしゃいます。


■1955年以前はリーグ戦はなかった

ということで、みなさんご存じ加藤一二三さんは、1954年にプロになっていますので、当時リーグ戦はなく、規定の勝ち星を上げるとプロになる仕組みでした。

1955年以前にプロになった現役の棋士は、もういません。


■アマチュアからプロになった人もいる

プロ棋士になるには奨励会に入らなければならない、というわけではありません。
プロと同等以上の実力があり、人格に問題がなければプロになれます。

現役のプロ棋士では瀬川五段と今泉四段がいます。
(ちなみにこの瀬川五段については今度映画化されますね。『泣き虫しょったんの奇跡』、楽しみです)

「人格に問題がなければ」と書きましたが、過去に人格に問題ありでプロになれなかった人がいるのです。


■今からでもプロになれる!?

奨励会には年齢制限がありますが、アマチュアからプロになるのに年齢制限はありません。
酒癖や性生活があまりにもだらしなかったり、警察沙汰の事件を起こしてたりしていなければ、おそらく人格で引っかかることはありません。

あとは将棋が強ければいいのです。
夢は何歳からでも追っていいのです。

現実はそう簡単にはいきませんけどね(笑)

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