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アレッサンドロ・スカルラッティ(1660/5/2日 - 1725/10/24)のオラトリオ「最初の殺人 またはカイン」(1707) その1

 旧約聖書創世記のカインとアベルの物語によるアレッサンドロ・スカルラッティのオラトリオ、上記は出版の年で実際は1879年、19歳で作曲したと伝えられています。六声のソロ歌い手、弦楽合奏と通奏低音の編成です。
 三章からなるシンフォニアで幕開け、
第一部 まずアダモ(テノール)のレシタティーヴォ(息子らよ、不幸なわが息子らよ)とアリア(いまもなおぎらぎらとわたしの目を灼くのは)。悲嘆に沈む運命に忍従する男。
 エヴァ(ソプラノ)のレシタティーヴォ(あの邪な蛇の詐術によって)とアリア(いとしい夫よ、愛する子らよ)。どこまでも優しい。
 アベル(ソプラノ)のレシタティーヴォ(愛する父母よ)とアリア(私は群れの中から最も白く最も美しい子羊を)。常に牧歌的な調べで心情を吐露。
 カイノ(アルト)のレシタティーヴォ(父上、そのようなアベルの言葉など)、アリア(大地の最初の収穫を)。攻撃的で苦悩を背負っている。
 アダモ(息子らよ争いは止めよ)(捧げ物よりも)
 エヴァ(捧げ物の用意が出来ました息子たち)(天なる神よわが息子らの中にある私の罪を)
 アベル、カイノ二人のレシタティーヴォとデュオ、穏やかに祈るアベルと怒り、復讐のカイノの並行線。
 アダモとエヴァのレシタティーヴォ(ひれ伏して聖なる光を)、シンフォニア。
 威厳に満ちた神の声(アルト)のレシタティーヴォで挟まれたアリア(お前の子アベルの供した生贄は、天に届き星を超え、そして私の心に)。
 エヴァとアダモのレシタティーヴォ(聞きましたか息子たちよ)とデュオ(身をかがめなさい)。
 荘重で切迫したリズムのシンフォニア。
 邪悪なルシフェロの声(バス)のレシタティーヴォ(カイノよお前は何をしているのだ)とアリア(お前の父母は)。
 カイノのレシタティーヴォ(決めたぞ弟を殺すのだ)とアリア(この怒りは押し隠そう)。
 カイノ(そら弟がやってくる。いや敵がと言おう)、アベル(行きましょう愛する兄さん)、デュオ(兄弟が心安らかに)。
 アベル(兄弟愛は常に真心の愛)カイン(誰もがそう口にするがそれは偽りなのだ) 第一部の終わり ...続く

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