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【北のハッカーと共謀して韓国農協ハッキングを試みた5人に無罪、検察は即控訴】サイバー脅威と政策に関する重要ニュース

こんにちは。S2W NOTE編集です。
今回の記事では、グローバルニュースを元にサイバー脅威や関連政策に関して重要なニュースを抜粋してお届けします。

以下、2024年9月13日付の韓国メディアの『京郷新聞』の記事を翻訳・編集した内容になります。

北のハッカーと共謀して韓国農協ハッキングを試みた5人に無罪、検察は即控訴

北朝鮮の工作員たちと連携して韓国農協の内部ネットワークにハッキングしようとしてスパイの容疑を掛けられていた一味に、裁判所が無罪を宣告し、検察が控訴しました。

ソウル中央地検公共捜査第1部(イ・チャンギュ検事部長)は13日、国家保安法上の特殊潜入・脱出及びスパイなどの疑いを受けているA氏ら5人に対する1審の判決を不服として控訴したことを明らかにしました。

A氏ら5人は2011年6月ごろ、中国の丹東市で北の工作員たちと共謀して農協の内部ネットワークへのハッキングを試みた疑いを受けています。
5人は北の工作員から指令を受け、韓国に潜入し農協のIPなどの機密情報を把握し、北のハッカーらに伝えた疑いもあります。

ソウル中央地裁刑事合議27部(ウ・インソン裁判長)は10日、これらに対する1審で特殊潜入容疑に対してのみ有罪と認め、最大で懲役3年6か月から2年6月の刑を宣告しました。

1人は懲役2年6月に執行猶予4年を宣告されましたが、裁判部はスパイ容疑に対しては無罪を宣告しました。
裁判部は、5人が北の工作員の指令を受けて韓国に潜入し情報を収集した後、再び中国に脱出し、農協に対するハッキングを試みた公訴事実を有罪と認めました。
スパイ容疑については、該当の情報が5人ら自身が収集したものではないということや、機密情報としての価値がないという理由などで無罪を宣告しました。

検察は「このような宣告結果は事実関係を誤認し、機密性に対する法理を誤解したことによるもので、控訴審でこれを正す必要がある」と説明しました。また、「彼らが北の工作員らと連携して韓国の主要金融機関に侵入するなど国家の経済・金融システムを破壊しようとし、全国的混乱を招く危険が高い積極的な犯行を行った点を考慮すれば、1審刑より重い刑が宣告される必要もある」としました。

検察は「韓国の安全保障と憲法秩序を守るため、被告人の罪に対する(適切な)刑が宣告されるように控訴審の公訴の維持に最善を尽くす」としました。今回の事件の捜査は2018年、北の工作員の本国への報告の内容で明らかになったことにより、警察が着手したものです。
警察庁国家捜査本部安保捜査課とソウル中央地検は4年以上捜査を進め、ハッキングを直接試みた韓国のハッカー1人を時効2日を残して起訴し、その後ハッキングの管理監督者、工作員との連絡係らを順に検挙しました。

彼らの黒幕には中国を拠点として活動し、「黒金星事件」で知られる工作員リ・ホナムがいると伝えられました。
起訴された5人はすべて韓国人で、それぞれハッカーと管理係、連絡係として犯行に加担した疑いを受けています。
調べによると、A氏らは2011年6月、丹東のホテル内でリ・ホナムに会い、金日成総合大学の数学科卒のハッカーを紹介されたことが分かりました。
5人はリ・ホナムの監視の下、丹東、北京などで農協の内部ネットワークへのハッキングを試みましたが、農協のファイアウォールにブロックされ失敗したとのことです。