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コップのジュースをこぼしてみる。オーバーに打ってみる。

最近、絵本のフィードバックを受ける機会に恵まれています。ありがたい。。
今回は、その時の指摘の一つについて書きます。

「知識ありの前提で書いちゃっているよね。子どもには伝わらないよ」
これは節分をテーマにした作品の中の鬼が豆に圧倒的敗北をするシーンについてのものです。ワタクシの作品ではそのシーンを省略していました。(この記事後半にアップしますね。ラフなので「よければ」限定ですが・・・。タイトル画はその表紙ですw。主人公がおじさんなのでそこも「考えて」って言われちゃっています。)

本当に豆にやられるの?
こんなに大きな鬼が?金棒も持っているよ?
これは描かなきゃいけないシーンだよ。

つまり、きちんと説明すべきで、誤解が少ない方が良い。
特に子ども向けにはわかるように伝えなきゃならない。

ワタクシのスタンスとしては、含みをもたせたハイコンテクスト方式のほうがおしゃれで好きなのでそちらを志向していました。
でも、そうじゃない、と。

ちなみに・・・
※ハイコンテクスト↔ローコンテクストとは。
ハイコンテクスト:知識や風習文化を前提として行間を読むようなコミュニケーション方法
ローコンテクスト:前提がなくてもシンプルにはっきりわかるようなコミュニケーション方法
ハイ・ローは高級度合いを表すものではなく単なる特徴です。
ローコンテクスト言語の代表は英語で、ハイコンテクストの代表は日本語。

たとえばメイヤー・エリンさんの『異文化理解力』って本にもありました。
この本は、言語の習得も大事だけど前提として文化の違いも理解しないとね、という興味深いやつ。機会があればぜひ!

この指摘に対しては100%納得したわけではないですが、そこは実績のある先人のアドバイス。ちゃんと従います。

コップのジュースをこぼしてみる。
赤ちゃんから幼児になるくらいの子は、コップのジュースを飲むときに傾きが少ないとジュースを飲むことができないことを知ります。
すこしずつ傾きを大きくすると口元に届くようになります。
でも、それ以上に傾けたらどうなる?
口をつけずに傾けたら?
こうやって試してみて、こぼしてみて、ちょうどよいところを体得していきます。

オーバーに打ってみる。
中学校のテニスの先生のお話。
ネットにかかってばかりのプレイヤーに「大きく打つように」とアドバイスしたときに、徐々に大きくするより、ネジが外れたくらいに大きく打つやつが将来的にうまくなる。
"小さすぎる"と"大きすぎる"の両方を知っているやつが"ちょうどよい"をきちんと体得できるんだ。

これらは個人的に大事だなーと思っておりまして。
アドバイスを聞くと決めたら一旦オーバーに聞いてみる。
それで反応を見て「ちょうどよい」を体得していこうと思います。

まずは次回。ローコンテクストで説明しきった作品を持っていくぞ!

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