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本当の天使 part1

1歳、伊藤レディースクリニックで産まれる。
天使を産んでしまった、親は焦ったと聞く。

2歳、ご近所のアイドルになる。
天使からアイドルへと格下げ。

3歳、髪が伸び天使の輪っかができるようになる。
再び天使へと昇格する。よく見る女の子がいた。

4歳、親離れできずよく泣く迷惑な子どもに変貌。
園でも泣き、その女の子が気にかけてくれていた。

5歳、クラスが一緒になり女の子と仲良くなった。
とっても優しくて可愛い子だった。

6歳、小1でも同じクラスになり、好きになった。
みんなの人気者だった彼女への憧れもあった。

7歳、2年でクラスが離れ絶望、失望、落胆。
まじで一年早よ経てやとしか考えてなかった。

8歳、3年もクラスが離れ絶望し泣き崩れる。
神は居ないと知る。この世の全てを恨んでいた。

9歳、同じクラスになり歓喜のあまり泣き崩れる。
可愛い、優しい、運動神経抜群、ニコニコ笑顔、誰しもが一度は好きになるようなそんな子だった。メダカの餌やりを放課後残って一緒にしていた。前よりもっと好きになった。

10歳、5年生でも同じクラスになる。
嬉しくてたまらなかった。毎日学校に行くのが楽しくてしかたなかった。隣の席に3連続なったこともあった。神は居た。

11歳、6年生も同じクラスになる。
モテるから他の男達にちょっかいをかけられていた。そいつらを横目に見ながら彼女と話していた。タイムカプセル用の紙が配られ、好きな子の名前を書く欄があった。迷わず彼女の名前を書いた。

12、13、14歳、一度も同じクラスになれなかった。もはや中学生活は記憶がない。彼女を見かけると目立ちたくて踊ったりしていた。アフリカの野鳥のクセ強い求愛みたいになってしまうほど、当時は焦っていた。クソチキン野郎で高校どこ行くかも聞けずに時が過ぎ卒業した。中学時代、もはや鳥だった。惨め過ぎる自分が本当に嫌いだった。

15歳、地元の公立高校へ進学。
入学者説明会で体育館に集められた。クラスが張り出されていたがギリギリに行ったため見れなかった。自分が何組かは友達に聞き、席に座っていた。同じ高校に入学するという微かな可能性を信じて彼女を探し回ったが見つからなかった。高校生活への期待が一気になくなり絶望していた。進学先を聞かなかった自分に嫌気がさし何も考えられないまま、校長の話を聞いていた。
その時奇跡は起きた。
後ろの玄関のドアが開き足音が聞こえた。先生だろうと思い下を向いていたが横を通り過ぎた瞬間衝撃が走った。恥ずかしそうに小走りで前の席に向かう彼女の姿を見て思わず涙が溢れた。隣に座る親に心配されるほど泣いていた。嬉しいなんてもんじゃなかった。本当に奇跡だと思った。運命だと確信した。じゃなきゃありえないと思った。
俺の人生に再び天使が舞い降りた。

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