謙虚なリーダーシップ~心理的安全性のある関係
謙虚なリーダーシップの第二章です。これは完全に、心理的安全性のつくり方と同じ内容ですね。
個人的な関係
一般的な仕事上の関係は、そこまで良い関係には至っておらず、とりあえずお互いの期待役割どおりの、型通りの受け答えで終わってしまいます。本書ではこれを「トランザクショナルな関係、レベル1の関係」と呼んでいます。
そこから一歩先に進んで、相手の反応が想像できるからこそ、こちらからも一歩進んだ提案ができる、より互恵的で発展的で積極的な関係に進展するのが本書の目指す謙虚なリーダーシップのゴールです。本書ではこれを「個人的な関係、レベル2の関係」と呼んでいます。
レベル2の関係のつくり方
結局、どんなシステムよりも人間関係が大事なんだと。人と人とが、単なる役割ではなく、一個人として目の前にいることこそ、もっとも力を発揮するために必要なことなんです。だから、いかにそうした関係性を築くかということに本書は全力を注いでいるのです。
会社でのレベル1の関係
これが、よくある会社での、単なる業務上のトランザクショナルなレベル1の関係です。とても馴染み深いものだと思います。なるべく空気を読んで、「常識」に沿って動くことが正しい世界。それこそ、多様性はなるべく低い方がいい、同質的で、予定調和な環境。
もし、上司が急に私的な会話をしてきても、自分も素直にプライベートを打ち明けたりはしないでしょう。まずは距離を取って、様子を見るはずです。上司はどういう風の吹き回しでこんな話を始めたんだろう、とか、常識の範囲内で答えがあるのか、それとも上司がおかしくなったのか、見極めようとすることでしょう。もしかしたらセクハラの予兆かもしれない、と身構えたりもするでしょう。まさかレベル2の関係を目指した謙虚なリーダーシップだとは思わないでしょう。
そう、だからレベル2に発展しようとすることは、そういう危険を冒すことなんですね。失敗の危険性もはらんでいる。難しいですね。
レベル3の関係
レベル2よりもさらに進んで親密な関係になると、レベル3になります。
レベル3になると、もっとすごい状態です。阿吽の呼吸とでもいうのでしょうか。でも、ビジネスでは、ちょっとそこまで仲良くなりすぎるのもよくないだろう、と筆者は言います。ある人とそんなに仲良くなりすぎると、えこひいきが発生したり、全員の話を平等に聞けなくなったり、いろいろと不都合があるようです。まあ、社内恋愛とか微妙な空気が流れたりしますからね。
だから、謙虚なリーダーシップはれべる2の関係を目指すのがちょうどいいんだそうです。
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