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ソース原理読書会②~毒親は子供の人生のソース

ソース原理の読書会第2回です。でももう終わりそう。

ソースは原理ではなく指南書

本書の概要については既にまとめてありますが、本書の掲げるソースという考え方は、「原理」というほどしっかりしたものではなく、筆者が考えるオススメの働き方、程度の内容です。どちらかというとビジネス指南書みたいな位置づけです。

ソースというのは物語。自分が主人公だという物語を信じた方が、責任感が生まれて決断力が増すし、結果的にうまくいくよね、というだけの話です。

よくよく原題を確認したら「Work with Source」と書かれており、どこにも「原理」なんて謳ってないんですね。これは日本語訳した人がキャッチーな名前をつけただけなんだな、と思いました。

読書会の中でも「研究者が書いた本だと、巻末の参考文献を見るだけで話しの広がりが見えてきて面白い。でもビジネス指南書みたいなのは参考文献が浅くてつまらない」という意見がありました。そういう着眼点もあるんですね。

指南書だと、だいたい序盤で筆者の主張が分かってしまえば、あとは同じ内容の繰り返しだからあんまり読む気が起こらなくなりがちです。確かに本書も後半は消化試合というか、全然ソース関係ない話題になってましたね。

就活ではソースになれない

当然のことですが、就職活動は会社という大きなコミュニティの中に入っていくことなので、自分がその会社のソースになることはありません。どんなに夢を語っても、自分がソースとして活動した大学時代のエピソードを語っても、そのような役割を会社では担えないのです。

本当に自分のやりたいことがあるなら、自分が提案して自らがソースとなって活動したいことがあるなら、それは自分のコミュニティで始めなければいけないのです。つまり、起業するしかないのです。

もしかしたら、自分のやりたいことと完全にビジョンが重なる会社があるかもしれません。そうしたら、そこに就職することで、自分がサブソースとして活躍できるかもしれません。本書では、自分の人生を見つめなおして、自分のパーパスと重なる会社で働くことによってティール組織のような進化的組織が形成される、そういうWin-Winな就職活動を目指そう、みたいなことが書いてあります。まぁ、それが理想かもしれませんが、現実はほど遠いところにあるのが実態でしょう。

子供の人生のソースは親なのか

さらにさかのぼって考えていくと、子供の夢とか目標って、子供自身がきちんとソースになれているだろうか、という疑問にぶつかりました。

中学受験をしなさい、もっと勉強しなさい、いい大学に行って、いい会社に就職しなさい。そうやって敷かれたレールを走る子供の人生は、親がソースになっています。

ソースは自らがリスクを負って提案するからこそ強い力を発揮するわけですが、親が子供の人生のソースになるのって全然リスク背負ってないのに口出しばかりして、本当にずるいですよね。

全然リスク背負ってないわけじゃなくて、保護者責任とかあって子供が犯罪を犯せば親が裁かれたりするので、ある程度は口出しするのも分かりますが、それでもやっぱり子供の人生は子供自身がきちんとソースになって主体的に動いてもらった方がいいですよね。

じゃあ子供がスマホを使いたいというのでホイホイ渡していいのか? と言われると、いや待ちなさい、子供同士のスマホでのトラブルは増えているし我が家ではこういうルールが・・・みたいになるわけです。親の口出しは止まらない。

ソースと権限移譲

会社でも同じようなことが起こります。中間管理職、ミドルマネージャーみたいな人は、自分の監督するチームの中では一番偉いリーダーポジションですが、自分のチームの仕事に対してソースになっていない、ただ上から降ってきた仕事をこなすだけ、というケースも多いです。

子供と親の関係と一緒です。ソースではない人が権力を持っているケースが思いのほか多い。だから中間管理職はつらい、というのもその通りではあるのですが。経営陣の命令には従わないといけない、部下からの提案も聞き入れていきたい。中間管理職は上にも下にもソースがいる中で、自分はソースじゃないのに権限だけ与えられて判断を迫られる。そんな面倒くさい人生はないです。

中間管理職でも、いろいろと方針を示せる、リーダーシップのある人はすごくかっこよく見えます。ちゃんと、その人がソースになって活動できているパターンです。やはり、権力のある人がソースになるのが一番うまくいくんです。もしそうでないなら、どんどん権限移譲して、ソースが活動しやすいように支援していくしかありません。

だから、謙虚なリーダーシップの出番です。ソースでない人が権力を持ってしまったなら、とにかくソースのために支援する役に徹するしかないのです。

親は、いつだって子供に対して権力があるので、謙虚な親であるのが一番大事なんだ、という結論に達しました。

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