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感謝を込めて。

生きていれば、出会いと別れはいつも身近にある

春になると新しい生活と新たな出会いが生まれ、卒業シーズンになるとこれまでとは違う環境へと変わらざる得ない状況のなかでときには別れがあったりして、また新しい出会いへと繋がっていく。

若かりし頃にこの出会いと別れを何度か繰り返しいつのまにか大人になった。


僕は社会人を十数年、経験した後に訪問理美容サービスという仕事で独立する。

仕事内容は

高齢や病気、ケガなどが理由で外出が出来ない方のお宅、病院、介護施設などへ訪問して理美容サービスを提供する。

客層はご年配の方が大半を占めていて、中には寝たきりの方や呼吸器が付いている方なども担当させていただいている。

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サロンワークとは異なる環境に初めはとても戸惑った。

限られた施術スペースや慣れない体勢など自分の技術が発揮出来ない。

そもそも技術を提供出来るレベルなのだろうか?

なんて悩んだりしたこともあるけれど。

目の前のお客様が喜んでくれたことが救いだった。

「髪を切りに行きたくても切りに行けなくて」

「髪を切りに連れて行って欲しいと家族にも言いにくくて」

など、僕が訪問理美容サービスという仕事をすることでお客さまから頂いた言葉はサロン勤務の時には経験したことがないものだった。

また訪問理美容を提供したご本人以外にも

そのご家族や関係者の方からも喜びの声が届き、僕はこの方達がいるから生かされているのだと思った。

だから髪を切ることだけを仕事にすることはやめて、共有出来る時間のなかでお客さまに喜んでもらえることを自分なりに考えた。

髪を切る以外にサブメニューをセットにしたカットコース。

訪問カットを誰かにプレゼント出来るギフトコース。

訪問理美容と出張撮影を組み合わせた独自のサービス。

など、偶然にも僕が担当させていただくことになったお客さまに対して技術意外にも付加価値をつけて喜んでもらいたい一心でなんでもやろうと心に決めた。

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小さな手伝いなら電球を替えたり、外れた引き戸を直してみたり、必要な買い出しなどもする。

仕事以外の時でも入院中のお客さまから肉屋のコロッケが食べたいと言われたら病棟まで届けに行ったりした(食事制限されていない方)

人から頼りにされるのは素直に嬉しい。

訪問カットを初めて利用された方から

「一生お願いしますね」

と言われたとき、この仕事を頑張らないとう選択肢はないと思った。

技術だけを売りにするのではなく、僕(ディライト団野)という存在に興味を持ってもらい、今後もたくさんの人とお付き合いが出来れば

[あたなと喜びを分かち合う]という経営理念ともリンクするはずだ。

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仕事柄、これまで何度もお客さまとお別れを経験してきましたが。

特別な感情を持てるのは仕事以外にも亡くなってしまったその方と関われた時間が特別なモノだったからなんだと勝手に思っています。

出会いは仕事からだけど、亡くなった後でも何かしらのカタチで関わりを持てることは幸せです。

たった数年だけですが、毎回髪を切らせてくださりありがとうございました。

カットの後に一緒にお茶をしたり色々な話を聞かせてくださりありがとうございました。

最期に写真を撮ったのが僕でしたが、遺影写真に使ってくれてありがとうございました。

感謝の気持ちを持って日々を生きていきます。

ディライト 団野 圭輔













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