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夏本番!あらためて解説! 遮熱と断熱、窓ガラスの性能とは?【断熱先生のダンネツノートvol.6】

みなさん、こんにちは。一年でもっとも暑い季節になりましたね。ダンネツノート、たくさんの方に読んでいただけているようで、とてもうれしいです。

第6回は引き続き、この暑さ対策として、住まいの遮熱と断熱について解説していきます。シャネチュー、パンダン、ワンとともに解説するので、楽しくゆる〜く読んでいただけたら幸いです!

もう一度おさらい! 遮熱と断熱のちがいとは? 

みなさん、noteの3回目から登場している「シャネチュー」「パンダン」「ワン」の3人、もう覚えていただけたでしょうか。サラリとご紹介してしまいましたが、名前の由来・・・、皆さまお気づきでしょうか?

シャネチューは「遮熱」、パンダンは「断熱」、ワンは「1DAYリフォーム」、それぞれ得意分野が異なるんです。

登場したときに、ちらっと遮熱と断熱についてご紹介しましたが、そもそも、この違いを日常的に意識する人ってあまりいないのではないでしょうか?なのでもう一回、遮熱と断熱の違いについて解説させてください。


「眩しいを防ぐ」だけじゃない! 直射日光を「遮る」ことで熱の侵入も抑える

まず、遮熱からお話しましょう。シャネチューよろしくね!

遮熱という言葉、あんまり耳馴染みはなくても、私たちの身の回りでは、知らず知らずのうちにたくさんの遮熱をしているんですよ。たとえば日傘。「持ち歩ける影」として、老若男女問わず、持ち歩いている人が増えました。

直射日光があたらないだけでも、体感温度、暑さはずいぶんと変わってきますよね。反対に、直射日光はそれだけ強烈ということです。日光にふれるのが皮膚なら日焼けしてしまいますし、家具やカーテン、ポスターなどなら色あせてしまったりします。

また、日光が部屋に入ってくることはお部屋も明るくなるのでよいことですが、熱もあわせて入ってきてしまい、室内が暑くなってしまうという面もあるんです。エアコンをかけてもなかなか室内が冷えないのも無理はありません。

なので、昔ながら遮熱対策として窓に「よしず」を立て掛けたり、ゴーヤやあさがおなどを育てて、グリーンカーテンを作ったりなどの方法がとられてきました。グリーンカーテンは、葉から蒸散する水分で、まわりの温度を下げる役割も果たすんですよ。

ただ、いくら昔ながらの知恵がよいといっても、風鈴の音で少し涼しく感じる、坪庭に水を撒いて風を感じるといった「風情ある方法」だけでは、乗り切れないほどの猛暑の日が増えてきていますよね……。 

ですから、今のインテリアにあった、「スタイルシェード」をおすすめしているんです。

2021年、静岡県富士市岩松中学校とLIXILで行った検証実験についてご紹介します!

その結果ですが、教室に外付日よけ「スタイルシェード」を設置したところ、教室内の温度環境は大幅に改善し、エアコン電力使用量も大きな変化があったんですよ! なんと電力使用量は63%も差がついたというのだから、驚きですよね。

岩松中学校で行った検証実験の様子。
スタイルシェードで日差しを遮るので、教室内の温度ムラがないのがわかります

スタイルシェードは、1窓約30分で設置(※)できます。また、新しく「カラビナ固定タイプ」が登場したり、ベーシックなベージュやブラウンに加えて、さらに3色が加わったりとデザイン性も向上しています。ぜひ、今のお住まいにアクセントカラーをプラスする気持ちでご検討ください。
※現場の状況により施工に必要な時間は異なりますので目安とお考えください。


断熱は熱の移動を「断」つこと! 窓ガラスにも種類がある

では続いて、繰り返しお伝えしている断熱についても解説していきましょう。今度はパンダンです!

断熱とは、室内と室外の熱移動を断ち、外からの影響を受けにくくすることです。 

私はよく、断熱を魔法瓶に例えてご紹介しています。保温・保冷機能の高い水筒は、厚みがあり、さらに水筒カバーをすることで、時間がたっても冷めにくく、一定の温度を維持してくれれますよね。これは、住まいも同じです。床、壁、天井と断熱材ですっぽりくるんでしまえば、長時間、一定の温度を保ちやすくなるという仕組みなんです!

そのため、熱伝導率の低い断熱素材を隙間なく施工すること、熱橋(※ねっきょう ヒートブリッジともいう。建物の中でも熱を伝えやすい部分で、熱を橋渡ししてしまう存在)になってしまう開口部の断熱性を高めることで、「夏涼しく、冬暖かい」住宅が実現できるんです。

ただ、今の日本で、熱橋となってしまっているのが窓です。昔から使われてきた単板ガラスは断熱性が低く、外部の熱が入りやすくなってしまっています。ですから、この連載でも繰り返し「まず、窓の断熱対策を」とおすすめしているんですね。

でも、一口に窓といっても、窓ガラス部分とフレーム部分にわけられますし、さらに窓ガラスにも種類があるんです。

もっとも一般的なのが、単板ガラスです。文字通り「1枚ガラス」で、断熱効果には乏しいのですが、経済性にすぐれるため、日本では広くこの1枚ガラスが使われてきました。

ガラスを2枚使い、断熱性を高めたのが「複層ガラス」です。また、ガラスを3枚使った「トリプルガラス」もあります。
さらに、「複層ガラス」と「トリプルガラス」には、遮熱性能を高めるためにガラスの一面に特殊金属膜(Low-Eといいます)をコーティングしているものもあるんです。

おっと、慣れない言葉が並んでちょっと混乱してきましたよね。いったん整理しましょう。


設置する地域・場所にあわせて、窓の性能を選ぼう

ここまで「遮熱」と「断熱」、「窓ガラス」の種類について一気に説明してきましたが、「結局、どの窓ガラスを選べばいいの?」と疑問を抱く人もいることでしょう。

まず遮熱性能を選ぶ際のポイントは、日射熱の取得と抑制にあります。例えば「Low-Eガラスクリア」を使った窓は、冬の暖かい日ざしをたっぷりと取り込むことが出来ます。反対に屋外側に遮熱性能を加えた「Low-Eガラスグリーン(高遮熱仕様)」は、夏の強烈な日ざしをしっかりとカットしてくれます。LIXILでは、これらを複層ガラス、トリプルガラスともにラインナップしています。
断熱性能については、窓ガラスは1枚より複層ガラス、その上にLow-E複層ガラス、トリプルガラスの順番で性能がよくなります。

窓ガラスを「遮熱を優先するのか」、「断熱を優先するのか」は、お住いの地域、窓の場所や特性にあわせて異なります。窓があまり日差しの入らない北側や、冬に多くの暖かい日差しを取り入れたい南側は「断熱を優先」をし「Low-Eガラスクリア」がおすすめです。また、朝日や西日の入る東・西側であれば「遮熱を優先」し「Low-Eガラスグリーン」がよいと思われます。ご家族で話し合ったり、リフォームを担当する工務店と相談するのがよいでしょう。

ちなみに、LIXILの内窓「インプラス」は、窓ガラスを選ぶことができます。もちろん、デザインや目隠し効果など、他の目的からも選んでいただけます。また、1窓あたりの設置時間はわずか60分で完了します。


このように身近な窓や窓ガラスですが、「知らなかった…!」という人も多いことでしょう。親子で窓や住まいの温熱環境に興味を持ったという方がいたらぜひ、LIXILの住まいStudioへ遊びに来てください[土日祝のみ、完全予約制]。夏休みの宿題、環境学習にもなるはずです。ぜひご活用ください。(ちゃっかり宣伝してしまいました笑)

次回は「夏本番!自宅の「熱中症」対策知っていますか?~夜中編~」についてお届けする予定です。更新は8月19日(金)16時を予定しています。もし良かったらフォローしてお待ちいただけたら嬉しいです!

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