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前理事長 井出あゆみコラム(全10回)

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井出あゆみ前理事長のコラム。男女共同参画社会への思いや日々の活動についてつれづれにつづっています。(2021年3月末終了)
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記事一覧

第10回:次世代を担うみなさまへ向けて

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 理事長コラムもいよいよ最終回となりました。 2021年3月末の任期満了をもって浜松男女共同参画推進協会の理事長を退任します。最終回となると何を書こうかと迷ってしまうわけですけど、今まで推進事業に携わってきたなかで感じたことをざっくばらんに記し、若い世代に向けてエールを送って、締めくくりとしましょう。^o^ 40代の頃、推挙されて男女共同参画(ジェンダー平等)に関わる活動に携わりました。ジェンダーバイ

第9回:もっと政治分野の男女共同参画に期待?!

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 男女共同参画社会の形成は、社会のあらゆる分野で求められることですが、政治分野は、はなはだしく進みの遅い分野の1つです。 2019年現在、議会における女性議員の割合は、地方議会で平均14.3%、国会:衆議院では9.9%と1割にも至っていません。(地方議会では男性議員6人に対して女性議員1人、国会:衆議院では男性議員9人に対して女性議員1人、という比率) 社会が男女半々で構成されている以上、意思決定に

第8回:女性活躍推進法の効果はいかに?

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 2016年(平成28年)の4月より「女性活躍推進法」が施行されています。 正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」と言い、自らの意思で働くことを希望するすべての女性が、その個性と能力を十分に発揮できる、豊かで活力ある社会を実現することを目的として、2015年(平成27年)8月に制定された法律です。 基本原則として、次の3つを掲げています。 ① 女性に対する採用、昇進等の機会の積極的

第7回:社会における制度や慣行をジェンダーの視点で考える

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 社会には様々な制度や慣行が存在し、私たちは大なり小なりそれらに従って生活しています。 その中で、新しく作られる制度はまだ良いとして、古くからある制度や慣行には、ジェンダーバイアス(性的偏見)がかかったものがたくさんあります。 例えば、冠婚葬祭で主要な役目は男性、裏方は女性と決まっている、自治会長は代々男性が務めている、相撲で女性が土俵に上がれない、お茶くみは女性がするなどなど。 こうしたジェンダーバ

第6回:ことばとジェンダー(その2)

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 男女共同参画社会(ジェンダー平等社会)を目指すためには、日常生活における言葉の使い方にも配慮が必要です。 言葉の役割は、「伝達手段」というだけでなく、その表現を社会的・文化的に「一般的な見方」として固定化させる働きもあります。そのため、日常使われる言葉が、ジェンダーバイアス(偏ったジェンダー)を助長してしまうことがあるのです。 日本では、男性中心の社会構造が長く続いてきたため、社会や家庭で男性が主

第5回:ことばとジェンダー(その1)

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 「ジェンダー」という言葉は、1995年の「北京女性会議」以降よく聞くようになりました。そもそも、どういう意味なんでしょう? ジェンダーというのは、生物学的な性別を示すセックスに対して、社会的文化的に形成される性別のことです。簡単に言うと、作られた男らしさ女らしさ(など)のこと。「男(女)はこうあるべき」という社会が作り出す性別がジェンダーです。 要するに、ジェンダーというものは、絶対的固定的なもの

第4回:社会は前進あるのみ

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ ジェンダー平等の歴史を振り返ってみましょう。 「すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利とについて平等である。」 これは、1948年世界人権宣言の条文です。 今から72年前のこの年、世界(国連)で初めて人権保障がうたわれました。 今では当たり前の「基本的人権」もまだ72歳(!)なんですね。 72年はさかのぼり過ぎ?・・・だとしたら、今から45年前の1975年。 国連で、女性の地位

第3回:なぜ、男女共同参画社会なの?

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ なぜ、男女共同参画社会をめざすのか?  1999年に制定された男女共同参画社会基本法の前文には、男女平等という「人権の視点からの必要性」と、社会経済情勢の急速な変化への対応という「社会の側面からの必要性」がうたわれています。 人権の視点…は、わかります。知っての通り日本の憲法には男女平等ということがはっきりとうたわれていますから、それをめざすべきは当たり前って、理解できます。(当たり前でない時代も

第2回:202030に思うこと

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 政府は202030(にいまるにいまるさんまる:2020年までに指導的地位における女性の割合を30%にするとした、2003年から掲げてきた政策)を、このほど2020年7月21日に断念してしまいました。 目標年度を迎えたけれども女性の参画率は低いままで、達成には程遠いとみたのでしょう。はっきりした数値目標を外したうえ、目標の先送りをしました。残念ですね!男女共同参画社会には、意思決定の場(指導的地位)で

第1回:男女共同参画社会の実現をめざしています

【理事長コラム】NPO法人 浜松男女共同参画推進協会 理事長 井出あゆみ 「理事長、コラム書いてください」と言われまして、コラムとなると、結構責任も重いのかなと、なんとなく構えてしまいますけど、本音も書けたらいいな、とも思います。 気楽にいきましょう!・・・と自分に言い聞かせて、 「理事長コラム」を始めます。(^^)/ 「男女共同参画社会」の実現は難しい?  当たり前の社会をつくろうということなのだから、そんなに難しいことではないでしょ! ・・・そんな風に思いたいと