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映画「ダイ・ハード」(1988年)にまつわるあれこれ

ひっさしぶりに映画「ダイ・ハード」の1作目を観た。

有名な映画なのでストーリーはみなさんご存知のところかと思う。

「クリスマス映画」として毎年紹介されているが、舞台はクリスマス・イブのロサンゼルスである。テロ集団が日系企業のビル(当時の日本はバブル真っ只中)を占拠して、たまたまニューヨークから別居中の妻に会いに来ていたニューヨーク市警の刑事(主人公であるブルース・ウィリス)が、テロ集団と戦わざるをえなくなった、というお話。

改めてこの映画を観ると、何気ない動作が伏線になっていて、映画の終盤で伏線が回収されていくのは、脚本が見事だなあと感心した。

当時のハリウッドアクション映画は、スタローンやシュワルツェネッガーなどの筋肉モリモリの正義感溢れる主人公が多かったが、ダイ・ハードはたまたま事件に巻き込まれた中年刑事が軍人上がり並みのアクションをする、というのが当時としては画期的だった。そこにあるもの(PCやらガムテープやらホースなど)を使ったアクションも、ジャッキー・チェンのようで興奮したものだった。

テロ集団のボスのハンス・グルーバー役は、アラン・リックマンで、元々はシェイクスピア劇などの舞台俳優である。この映画がスクリーンデビューとなるが、インテリな雰囲気の悪役であった。最後のビルから落ちるシーンでのあの表情は有名だろう。実は撮影時に、スタントなしで、グリーンバックだが、本当に数メートル落とされたらしく、しかも落とされるタイミングが早かったため、あの恐怖に駆られた表情は、素の表情だということだ。制作側も鬼だね(笑)

アラン・リックマンというと、このあとに出演した映画「ギャラクシー・クエスト」でのコミカルな演技が印象深くて、いまこの映画を観ると悪役という感じがしなかった。

若い映画ファンには「ハリー・ポッター」のスネイプ先生の人、というほうが話が通りやすいかもしれない。

映画では、スタッフロールを見るのも楽しみなのだが、撮影がヤン・デ・ボンで驚いた。ヤン・デ・ボンというと、映画「スピード」(1994年)である。ダイ・ハードにも関わっていたとは、今日初めて知った。

映画の舞台となったナカトミビルは、実在していて、実は配給元の20世紀フォックス社の本社ビルである(今は違う会社がリース元)。仕事でロスに行ったときに近くを通って「うわっ、ナカトミビルやん!」と興奮を抑えきれなかった。

この映画はシチュエーションも人物造形も非常に魅力的で、何度観ても楽しい。(あのテレビのリポーターも憎たらしく描かれていて、ダイ・ハード2でもボコられてたのが面白い。)

主演のブルース・ウィリスは失語症のため、2022年に役者を引退してしまったが、彼の映画はずっと残るだろう。

そういえば、1作目は雪が降ってなかったんだな。映画のエンドロールでの "Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!" も素敵なエンディングであった。

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オノダダンゴ
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