失業手当をハックする無職

 今日、相談員から衝撃の一言を告げられた。
「〇〇さん(私)失業手当、残ってるんじゃないですかね?」
 みなさんご存じ(?)の通り、ハローワークでは障害者は特権として「特定求職困難者」として扱われる。一度失業手当を受給すれば、何十年のベテランと同程度かそれ以上の日数でそれが支給されるのだ。
 実際私は前の前の職場を辞めた時、300日という異様に長い期間の受給資格を与えられた。少しの受給期間を経て就職し、残りは再就職手当で精算されたものとばかり思っていたが、なんとそれでもまだあるというのだ。
 「もしかして一部返さないといけないのかな……」とおそるおそるハローワークの門戸を叩くと、意外や意外まだ60日以上、つまり2カ月分の失業手当が残っていることが判明した。しかも前の職場がまだ離職票を出していないのに、手書きで対応してくれるという。
 なんだこれは、意味が分からない。ただ日々エンタメを消費し排泄物を垂れ流しているだけの私に、それこそ「ただ」でお金をくれるというのか……。
 ここも運命的な啓示を感じるのだが、ピッタリあと2カ月間受給資格があるとのことだった。つまり次の職場を見学に行くまでの間、私には延命処置が与えられたことになるのだ。
 前の職場から理不尽にも研修にかかった費用を請求されている私にとって、これは天の滋養としか言いようがない(まあ法的義務が皆無なので払う気ないのだが)。
 私が障害者になったことで被った屈辱、怨嗟、不当な扱い。そんなものたちが復讐に湧く歓喜の声を上げている気がした。


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