お135話・女の子におんぶしてもらいたい男子〜ゆっくり歩きの女性に乗っておんぶデート
166センチ超えの長身女性におんぶして歩いてもらう気分は、高いところから眺めるその目線も快適なのだが、スマホで会話しながらの歩きなので、そのゆっくり歩きの心地よさも新たに発見した。
この小説では、今までに、おんぶで女の子に走ってもらったり、大股でカツカツって速く歩いてもらったりでの、乗り心地やシアワセ感を記してきたが、ゆっくり歩きの良さっていうのは、女の子と手をつないで、ただぶらぶら繁華街を歩いてるようなデート感覚。
おもい返せば、走ってくれたりの女の子たちのおんぶは、デートというより作業とか運動ってなイメージかもしれない。いまのこのスマホ歩きでは、お互いに、どこまでおんぶで行くのか、などの目的地のような意識はなく、ただぷらぷらと、そのへんを歩いてるって感じで、考えようによってはエンドレスだ。
そんなふうに感じなから乗っていると、おんぶしてくれてる女性は、それほど大変ではなく、ホントに片手間でボクをおんぶしてくれてるのかな、と。女性のほうも、なぜいま自分は見知らぬ男をおんぶして歩いているのかってな疑問もどうでもよくなってしまってて、男をおんぶして歩いてることが自然体ってな。
おんぶデートって感じでの、このゆっくりおんぶ歩きもいいなぁ、という幸せ感。このままあっちこっち散歩して、女の子のおんぶ上で、ソフトクリームでも食べたいなあ。ボクがソフトクリーム食べ終わらないうちには、おんぶから降ろさないでね、降りるときに、女の子の髪にソフトクリームがベチョッってついちゃうかもしれないから。
「ってな夢を実現したいから、どこかソフトクリーム屋までおんぶして」
「ソフトクリーム屋なんかどこにあるのか、わからないよー」
「繁華街なんだから、てきとーに歩きまわってればあるよ」
「てきとーに歩けって、おんぶ重いから、もう降りてよ」
「ヤダ、降りたくないよー、気持ちいいし、おんぶ楽ちんなんだもん、ソフトクリームも食べたいし」
「なんで、そんなワガママいわれなきゃなんないのよ」
「仲良しバカップルっぽくて楽しいじゃん」
「上に乗ってるあなたは楽しいでしょうけど、私はなんで、こんな・・くたくたになる疲れることさせられて、わたしなにしてんだろ」
このように街中で出会って、おんぶしてくれる女性の多くが「私なんで、おんぶなんかしてんだろ?」と自分のしてることに、自分でわかんなくなっちゃってることが多く、この感じが、女の子っぽくて、かわいい。
とはいえ、そろそろ降りてあげないと、せっかく仲良しになれた大切な女性と険悪になってしまいそうな気もしたので、降りることにした。166センチの女の子のおんぶから降りると、いきなり目線が人混みの中なので、ボクはやっぱり、おんぶ上の高い目線のほうがいいなぁ、と感じた。
「高いとこからの眺めのほうが気持ちいいんで、やっぱり、もう一回おんぶして」
「なによ、もうおんぶはしたくないてす。大変なんですよ、女性にとっては、男の人をおんぶして歩くなんて」
「わかりました、ここまで、おんぶ、ありがとう。では、おんぶじゃないお願いがあるんですけど」
「なんで、あなたにお願い事なんかされなきゃなんないのよ」
「だってボクたち、バカップルじゃないですか」
「えっ、そんなつもりじゃないのに・・」
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