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お137話・女の子におんぶしてもらいたい男子〜おんぶも抱っこもしてくれた女性の責任感

夢心地の眠りから目覚めると、女性は、ボクの上体が崩れ落ちないように、ボクの背中がわへ腕を回して支えていてくれてる。女の子って、なんで、こんなに優しいんだろ、ボクのようなワガママに要求ばかりしてくる見知らぬ男に対しても、愛で包んでくれる。母性本能だろうか、自分にすがりついてくるワガママ男を見捨てられないという、イイ女としての責任感だろうか。

 女性は、ボクのことを好きだからなわけではないところが、ボクの「女性に甘えたい」フェチ心に燈火。春めいてきたとはいえ、まだ寒さを感じる3月この季節の屋外ベンチ上ゆえ、女性の暖かみが身に染みる。考えようによっては、ボクのことを好きな女の子がボクに尽くしてくれるのは自然なことで、好きでもない女性にしてもらえることの方が、ワクワクドキドキ度は上かと。

 ご機嫌で目覚めたボクは、抱っこされたまま、女性のスラーッとした薄い一直線のクチビルにキスすると、女性は、ちょっと不満気な表情でボクの目を見つめてきたが、怒りや拒絶はなさそうだ。

「この上品な唇でボクの欲望を受け入れて飲み込んでくれたんだよね。アレやってくれた女性の唇には、とくべつな愛おしさを感じちゃうの。。ありがとう、、そして、ごめんなさい。好きでもない男のために・・」

「男の人って、自分の精液を入れた女のクチを汚らわしいモノのように避けるのかと思ってたら、あなたはキスしてきた」

 そういうふうに避ける男の方が多いのかも。射精しちゃったら性欲も愛着も終了、っていう男、ボクの友達にも多いよ。でもボクは逆で、発射した直後に、感じ方が絶頂になって、やってくれてる女の子への感謝と愛着もジワジワと高まって、とろけて脱力しちゃって抱き着いててゴメン、重いよね、もうしばらく許して・・。クチでやってくれた女の子には一体感を感じて、特に、クチビルには、「このかわいい唇はボクのアレを」と、ものすごくいろいろな感情移入を・・大好きになっちゃう。

「そろそろ私の上からどいてくれないかしら」

「ここにずーっと座っていたいけど、ちゃんとどくよ。でも名残り惜しいなぁ。けっこう長い時間抱っこしてもらってるから、我が家のように落ち着いちゃって・・・。おクチでやってもらったおかげで、最高すぎて、足腰へろへろで立てないかも」

「もう30分くらい、私の上に乗ってるのよ。足がしびれてきたわ」

「足しびれちゃった、それは申し訳ない」とボクは素直にどいた。おんぶや抱っこをしてくれる女性の足は大切にしなきゃ。

 女性は立ち上がると、ちょっと足踏みをしてから歩きはじめた。

「足しびれてるの大丈夫?」

「うん、歩き始めたら大丈夫になってきた」

「よかったぁ、じゃあ乗るよ」と言うと同時に、ボクはちょっと高めにジャンプして、高身長の彼女のおんぶに飛び乗った。

「じゃあ乗るよ、って‥。乗るのが当然ってごとく乗ってこないでよ」と言いながらも、女性は、両腕でボクの両足をホールドしてくれる正しいおんぶ姿勢を取ってくれていることに、うっとりな気持ちと「しめしめ」感。しめしめ=乗ってしまえば自動的に歩きだしてしまうのが女というもの。

「おクチでやってもらったんで、男は足腰へろへろ。自力で歩くのツラいんで、おんぶしてもらわないと・・」

「私だって体力もう限界よ」と言いながらも数歩ほど足を進めたものの

「あっ、これ以上したら腰痛くなりそう」との声とともに降ろされてしまった。

ありがとう、こんな限界になるまで、ボクを気持ちよくするために尽くしてくれて。女性が、ここまで献身的になってくれるのは、やはり、イイ女としての責任感だろうか。彼女の立ち振る舞いと言動からは、それを感じた。私が、イイ女だから、男をこんなヘロヘロにしちゃったんだわ。

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