見出し画像

お143話・肩車してくれた水泳女子が感じた違和感〜女の子におんぶしてもらいたい男子

 元水泳部のカヨは、身長165くらいだろうか、見た感じ細身スレンダーだが、女の子にしては肩幅があり、この女の子なら安定した肩車をしてくれそう、と感じさせるものがあった。水泳で鍛え上げられた肩なのだうか。

「肩車してよ」と、軽いノリの感じで頼むと、

「えっ、肩車って、どういうふうにすればいいの?」と、あまりわかってないようだったので、概要を説明して、ボクは洗面台の上に立ち、ボクの股の間に頭を突っ込むように指示。

 洗面台の正面には鏡があって、自分たちのやっていることを見れるので、カヨとしても、何をどうすればいいのかが見えてきたようで。たしかに、肩車の経験ない女の子にとっては、肩車のだいたいの形はわかっていても、担ぐがわの腕と、乗るがわの足の絡みはどうなってんだ? とかの不安点はあるのが自然かもしれない。

 そんなこんなな初トライだったので、カヨは、ボクの指示通りに体勢を作ってくれ、ボクは、カヨの首後ろに跨るように座り、徐々に全体重を移しつつ、最後に両足を浮かして、全体重をカヨに乗せた。この「初乗りの瞬間」はどんな女の子に対しても、緊張と感動の瞬間だ。そして、両足先を女の子の背中側へ回すことで、上に乗ってるボクはバランスを崩しにくくする。

 すると、両足で腕肩胸の部分を固定されている感じが、ギブスはめられて上体を固定されてる拘束感で、身体をどう動かしていいのか、って言いながら、横歩きで2~3歩踏み出したものの

「あっ、身体の向きを変えられない。ふつうに前にも歩けない、いったん降ろすよ」とのことで、倒れそうで危険を感じたので、元の洗面台のところに降りた。

 で、もう一度トライしてみることにした。

「あっ、やっぱり、この上半身を固定されてる感じがダメです。上体が固定されてることで、足の踏み出しもスムーズに動かなくなっちゃう。なんでなんだろ?

「おんぶなら、どうかな?」

 ということで、ボクは、カヨのおんぶに飛び乗ると

「おんぶなら大丈夫よ」と歩き回ってくれた。高い位置で安定した乗り心地快適なおんぶで、さすがスポーツ女子のおんぶは高級感だ。この足腰の強さなら、肩車もいい感じでできそうなのだが、ボクの乗り方が悪いのだうか。

「もう一度やってみようよ」ということになり、3回目の肩車トライ。

「やっぱダメだ。なんか背後霊に固定拘束されてる感じで、足がスムーズに前へ出ないのよ、肩車お化けに締め技かけられてるみたいで・・」

 カヨの身体の動き方が、歩く時の両腕を前後に振る動きと足を前後に出す動きが完全連動してるがゆえ、両腕を振る動きを固定されてしまうと、足の動きもぎこちなくなってしまうのか。いや、おんぶも、両腕は振れてないはずだが、おんぶならふつうに歩けてる。ってとは、肩車による胸部とかへの拘束感が、なにかの伝達神経を止めてしまってるのか。

 この手足の連動性は、水泳での身体の動かし方となにか関係あるのだとしたら、

いろんなスポーツ女子に乗ってみたくなってしまったよ。なんだかんだと、カヨの肩車には3回も乗ってしまった。

 カヨは「肩車できなくてゴメン、おんぶならしてあげるから」と、もう1回おんぶしてくれた。「できなくてごめん」だなんて、女の子ってなんでこんなに優しくしてくれるんだろ、こういうところがまた嬉しい・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?