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お246話・騎馬戦フォーメーション上の優越感と下の屈辱感〜女の子におんぶしてもらいたい男子

 女の子たち同士で「男の人ってそんなに重いの?」「 すごく重いのよー、あんたもやってみてよー」「アヤが弱いだけじゃないのー?」「そうじゃないって」などとワイワイキャッキャッで盛り上がっていた。そんな中、リーダー格のツキコが冷静に「雨が降ってくる前にもう帰るよ」と促す。

 ボクは「楽しかったよ、ありがとう」と言ったあとで、

「こっちの高校生ちゃんたちは、男が重いかどうか体験できてないんだよね。ボクも女子高生ちゃんたちのウマに乘ってみたいし、騎馬戦ウマ作って乗せてよ」

「そうだよそうだよ、やってみたらいいよ」と、はしゃぐのは2人の中学生。

「えーっ、誰がやる?」と女子高生たち。この感じで、8人の中からら3 人を選ぶのは、女の子たちに任していては、らちが明かなそう。なので、ボクが一方的に指名することにした。それぞれの女の子の個性とかわからないので、体格の小さ目の女の子を3人指名し、なかば強制的に、騎馬戦ウマを組ませ、ボクはさっさと彼女たちの上に跨って、女の子の2本の細腕の上にドッカリと座った。こういうときは、テキパキさっさとやってしまうのがいい。

「はい、乗ったので、立ち上がっていいよ」

 3人は、すーっと立ち上がってくれた、何度も繰り返しになるが、このときの浮遊感は何度味わっても最高の気持ち良さ。まわりにいた女の子に
「靴を脱がして」と頼んで脱がしてもらい、両足を女の子たちのかわいい手のひらの上に乗せる。

「じゃあ、行こうか」

「行こうかって、どこへ?」

「キミたちが帰るとこへでいいよ」

「学校よ」

「女子高だとボクは入れないか、それでもいいよ、校門の前までで」

 帰るモードになって、ボクの乗ったウマ娘ちゃんたちは、河川敷をあとに歩き始めると、まず最初に、堤防への上り坂だ。堤防への上り坂は斜めに切ってはあるものの、一般道よりはかなりキツいようで、ボクの下の3 人の女の子は、無口で黙々と歩くふうになり、右側の女の子は、ハーハーと息が荒くなってきてる。とはいえ、グランドで走らされた中学生に比べれば、まだまだ大丈夫だろう、と思えば、ボクも彼女の細腕の上に、ゆったりと座っていられるー罪悪感も無く。

 それにしても、この騎馬戦フォーメーションというのは、なんとも、上に乘った騎手のみが優越感と快楽などの全てを享受できる組み方なんだろう。歩かなくていい楽ちん楽ちん、高い位置からの上から目線、女の子のしなやかなで暖かい細腕の柔らかい乗り心地・・・。

 ウマ娘の女の子3人は両手の自由がきかないのに対して、上に乘ってるボクだけが両手自由に使える。そのため、先頭ウマの女の子の髪の毛を弄り回したりとかできる。それに対して、ウマ娘たちは、両手ふさがってるから抵抗できず、なされるがままで、屈辱に耐えるしかない。先頭ウマの女の子の髪がツインテールであれば、上に乘った者は、そのツインテールを両手で掴んで、右向けたり左向けたりして、進む方向を指示することなんかもでき、そんな屈辱的なことされても、下の女の子は抵抗できない。

 今回ボクのウマ娘の先頭をしてくれてる女の子はツインテールではなかったので、その髪いじりはできなかったが、ロングヘアーだったので、髪を両手で持ち上げたりしてちょっと遊んでみた。そんなことされても、黙々と3人が歩き続けてくれるのが、騎馬戦フォーメーションがチームプレイなところ、先頭の1人が止まろうとしても、後ろの2人が前進してきて押されちゃう。

 そんなこんなで、なんとか、ボクを乗せた女の子たちも、堤防の上のサイクリングロードまで上がった。堤防の上はなかなか風が強い。特に、上に乘ってるボクは風を強く感じるのが気持ちいい。向かい風にもめげず、ボクの身体が自動的に前進してゆくのは、女の子たちが頑張ってくれてるから・・なんて幸せなんだろう。

 5分ほど堤防上を進んでから今度は堤防から斜めの下り坂を下ることになる。すると騎馬戦フォーメーションでの下り坂って、けっこう難しいということが発覚。ボクの体重のほとんどが、先頭の女の子ひとりにかかってしまうのだ。そうなると、さすがに、女の子ひとりでボクの全体重を支えるのは、今この疲労困憊状態ではキツい、潰れてしまいそうだ。

 ボクは、後ろ左右の2人に「中腰にして姿勢を低くしてみて」と言ってみる。2人はその通りしてくれたが、中腰でボクを細腕に乗せて歩くのは、体力的に相当キツかったかもしれない。下り坂を半分ほど行ったところで、右側の女の子の手が離れてしまい、騎馬戦フォーメーションはバラバラになってしまった。

 落ちそうになったボクは、先頭の女の子に、おんぶしてもらう形で乗り移ったが、下り坂ということもあって、女の子は前のめりに転んでしまった。

「あーごめん、倒れるまで乗っちゃっててごめんね」

 ボクは、女の子が怪我しちゃったんじゃないかが、すごく心配になって、ヒザとか擦り剝いてないか細かく見た。まだ3月で長袖長ズボンだったこともあり怪我はなかったようだ。すると中学生のアヤが「クロさんのほうがヒザから血出てるじゃない。ズボンも破けちやってて」と。ボクも言われて初めて気づいた。

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