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お130話・女の子におんぶしてもらいたい男子〜おんぶしてくれた女性への消せない罪悪感

 なんの目的も理由もなく、ただ単にボクをおんぶしてくれてた女の子のおんぶから降ろしてもらったボクは、彼女の淡々とした反応ゆえ、より大きく罪悪感を、前話お129話の最後で気づいてしまった罪悪感に襲われた。ボクは、そんな罪悪感のいきさつを説明し、女性に謝った。

「ふつうの女性におんぶしてもらいたくなって、貴女にお願いしました。でも、わかったんです。ふつうの女性なんていない。おんぶしてくれる女性はみんなボクにとっては特別な女性です。ふつうの女性だなんていう見方を貴女に対してしてしまったこと、失礼すぎることしてしまって。。ごめんなさい」

 ボクは、これまでの、おんぶフェチな生き方について、例えば、ナマ足の輝いてる女性におんぶお願いしたり、ロリータ衣装の女の子に乗ったり制服女子高生になど、おんぶをお願いする女性の選び方について話した。

 女性は「なるほど、で私は、ふつうの女として選ばれたってことね、まあいいわ、ちょっと微妙だけど、ふつうと見られてるのも心外ではないわけで・・」

 おんぶなんてことをしてくれた女性を「ふつうの・・」なんてカテゴリーで扱おうとしていた自分への罪悪感が、彼女への愛着心をさらに強くしてしまった。ボクが「ふつうの・・」という目で見ていた女の子にも、その子固有の身体はあり、その子固有の温もりがあり、その女の子が頑張ってボクのために力仕事をして汗かいてくれて、重いわ、という感情を抱いてくれて・・・。そんな立派な「固有の・・」をボクのために発揮してくれてる女性に対して「ふつうの・・」なんていう見方をしようとしていたボク。

「自分の心に反省して、こころを入れ替えたので、おねがいがあるんです」

「えっ、おねがいって?」

「もう一度ボクをおんぶしてください、心は入れ替えましたので」

と言うと同時に、ボクは、ふたたび、その女性のおんぶに飛び乗らしていただいた。

「ありがとうーー、やっぱりちゃんと心を入れ替えて、美しい心でおんぶしてもらうと、すごく乗り心地が気持ちいい。さっきは失礼な乗り方しちゃってて、ホントに申し訳ないです」

 乗られてる女性の側からすると、「ふつうの・・」という感覚で乗られるのと、感謝感謝大感謝の気持ちをもって乗られるのとでなにか差は感じるのだろうか。彼女のおんぶに乗りながら黒髪をいじりつつ、そんなことを訊いてみると

「2度目のおんぶ、さっきのよりも重く感じる。さっきのおんぶの疲れが残ってるのよ。特に手には力があまり入らない」

 たしかに、ボクの両足を支えている彼女の両手はかなりダラリとしてきてて、ボクのおんぶ態勢が、ズリオチしかけてきたので、ボクは彼女に「跳ね上げて」といい女性は軽くジャンプするようにボクのズリオチ身体を高い位置になんとかしてくれた、その高い位置で、ボクは自分の両足で、女性の腰クビレをガチッと挟む。クビレとボクの太もものフィット感はなかなかいい感じに落ち着いた。

 しかし、女性の腕がもうバテてたので、ボクの身体のズリオチは始まり、ボクの顎が、彼女の黒髪の頭の上に乗る形となり、彼女もそこからもしばらく頑張ってくれたのだがズリオチとなってしまう。

 この、ズリオチの最後まで頑張ってくれた女性の「個」に感謝と愛おしさを深く深く感じてしまったのは、「ふつうの・・」なる罪悪意識を、こんな献身的な女性に対して1度でも抱いてしまった罪。

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