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お206話・山ガールの全力疾走おんぶの振動に悦〜女の子におんぶしてもらいたい男子

「休んじゃダメですか?」

「うん、このまま休まず、追いついていこう」

「ええぇぇ? 休みたい」

「じゃあまず、彼女たちに追いついて。それで休みたいと伝えよう」

「追いつけないですぅぅぅ」

「走ればすぐに追いつくよ」

「おんぶで走るのキツいです」

「とりあえず走ってみて。そしたらボクから叫んで彼女たちを呼び止めるから」

「ハイ」

 キヨカはボクをおんぶしたまま全力で走り始めたが、やはり速度はたいして上がらない。でも、上に乗ってるボクからすると、女の子が必死に走ってくれてるその躍動が、おんぶ密着を通してボクの全身につたわってくるのが、たまらなく気持ちいい。

「もっと速く」

「はい」

「走れるじゃないか、キヨカ」

「ハイ、でももう限界」

「頑張れキヨカ。ボクのほうはすごく気持ちよくなってきたよ。あっあっ感じるぅ」

「感じるぅぅってなんなんですか?」

「全身の力が、気持ちよすぎて、力が抜けちゃってるの・・。こんな気持ちいいおんぶに乗ったの初めてだよー。キヨカ、この振動を止めないで。つまり、走りを止めないで。お願いーキヨカ、このまま走り続けてーー」

「そんなあー。それよりも、彼女たちに呼びかけて、先へ行くのを止めてください」

「それが、叫ぶ力が出ないんだよ、ゴメン。感じちゃってて、力抜けてて。だから、キヨカの走りでなんとか追いついて。ボクは落ちないようになんとかしがみついてるから、思いっきり走っていいよ」

「走っていいよ、じゃないですよ、もう大変なんですからー」

 そうは言いながらも、キヨカはできるかぎりの頑張りで、ボクの全身を振動で揺らしてくれている。心地よい振動で揺さぶってはくれているものの、速度は上がってないのでなかなか追いつかず、ボクがキヨカの背中の上で気持ち良くしてもらえてる時間は長くなる、なんと極楽のシチュエーションなんだろう。

 半日ハイキングで歩いてきて、それなりに疲れも出ているところ、バス停までの最後の30分を、女の子のおんぶで、楽ちんさせてもらえてる上に、この性感マッサージのような悦楽感。山ガールといくハイキングって最高ぅ。

 キヨカは社会人登山サークルでおんぶしてもらえるほどチヤホヤされている女子というだけあって、なかなかかわいいし、スタイルもスレンダー。おんぶガールとしてはなかなかの贅沢品だ。ややグレーに染めたショートの髪を振り乱して、ボクの悦楽のために、おんぶ走りという重労働に汗してることが、これまたボクのおんぶふぇちとしての優越感をみたしてくれてて。

 そんなこんなで夢心地のキヨカおんぶに揺られていると、前を行っていた女の子3人が、我々の追いつきに気づき、立ち止まって待ってくれた。キヨカはふらふらになりながらも、息がハーハーゼーゼー上がりながらも、なんとか男ひとりをおんぶして彼女たちに追いついた。

「ちょっと休憩させて。おんぶ・めっちゃキツい」

「キヨカ頑張ってくれたおかげで、ボクは楽ちんさせてもらってしかも、すごく気持ちよくなっちゃって・・・」

「気持ちよくって、なになに?」と他の女の子たちは興味深々。

「じゃあ休憩にして、そんな話でも聞かせてもらおっか」

 ボクはキヨカの長いおんぶからついに降りることになってしまった。

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