お172話・最後にお別れおんぶしてくれた女の子の優しさ〜女の子におんぶしてもらいたい男子
大人の男2人で、勝手に盛り上がって交代したりなしがら、かわいい女の子のおんぶに乗りっこしていた前話お171話の状況には、さすがのワガママなボクでも、申し訳ないことをしてしまった、と。
「クミさん、ごめんなさい。あんなに何度も何度も男2人で乗りっこすることにしてしまって。。許してなんて甘いことはいいません。ちょっとでも、まあいいっかぁ、と思ってもらえるためには、ボクはなにをしたらいいですか?」
「ひどいですよ。クロさんよりも、上司の立場で、あれは・・パワハラですよ」
ボク、いろんなシチュエーションで、いろんな女の子のおんぶに乗ってきてるけど、今回みたいに、1人の女の子に男2人で交代で乗りっこなんて、小学生のとき以来で、ほとんど初めてで・・。おんぶしてくれてる女の子のがわの感情も意向も無視して、まるで自転車とか乗り物に乗るみたいに、女の子にひどいことしてるな、っていう自覚はあったのに、喜んで乗りっこして自分たちだけ気持ちよくなってて、罪の意識でいっぱいなんです。
でもね、キミみたいにキュートで従順な女の子に、そういうイジメみたいなことしちゃってるそれって、ボク、性的な快感になってしまう悪い男なんです。上司がクミの上に乗って楽しそう、満足そうなニンマリ笑顔で、それを下で支えてるかわいい女の子が苦痛に耐えてる顔、この天国と地獄の対比を見て、ボク感じちゃってて、こういうことに感じてる自分、犯罪的性癖だよな、女の子に恨み殺されても仕方ないよな、っていつも思うんです。
「やっぱり、男をおんぶするって、女の子にとっては苦痛ですか?」
「そりゃそうですよ。思ってたよりも重いです」
「でも、何度もおんぶしてくれて、ボクすごく嬉しかったです」
「そんなに嬉しいもんですか」
「女の子がボクのために尽くしてくれてる。女性の柔らかい身体に自分の全体重を乗せさせてもらえてるのが、幸せっていうか、気持ちよくて暖かくて・・」
「こっちは大変なのに、気持ちいいだなんて・・」
「上に乗ってる男が、気持ちいいとか楽ちんとかっていうと、下で重労働させられてる女の子としては、ムカつく?」
「うん、ムカつきます。なんで、男を気持ちよくされるために、私こんな労働してんのよ、って思うと、そんなことしてる自分にもムカつくというか、情けない」
「そんな思いさせちゃって、ホントにごめんなさい」
「クロさんはこうして謝ってくれるけど、上司がもうイヤ。あの人、女の子が大人の男をおんぶして歩くことが、どれほど大変かわかってないのよ」
「そういうのって、乗られ方で感じとれるもんなんだ」
「うん、冷たい感じなの」
「女の子の大変さをわかってて、その大変さに感じちゃってるボクの乗り方の方が気持ち悪いとかってあるのかなぁ」
「気持ち悪いはないけど、乗られてるっていうジトッとした存在感はある。背中から抱き着かれてる感じというか。上司のほうのは、人間味がなくて荷物なの」
「ジトッとしてるかぁ。たしかにジトッとしてるよなぁ。正直なこというと、ボクは、今後可能なら、クミに仲良くしてもらいたいと思ってる。あんなにいいおんぶしてくれた女の子、縁切れたくない。こういうのって、ジトッとしてるよね。気持ち悪い男で申し訳ないんだけど、今後も、たまに仲良くしてくれるかなぁ」
「ハイ、クロさんはこうして、打ち明けてくれたし・・」
「ありがとう、クミさん。でね、最後にお願いがひとつあるんだけど、5秒だけでもいいので、今日のお別れのおんぶしてほしい、仲直りの思い出に・・」
「うん、すぐに下りてくれるなら・・」
「わーい、やったー、うれしいぃぃ」
ボクは大喜びして、クミのおんぶに飛び乗り
「1,2,3,4,5」と5秒を数えて、今回は、追加の要求をせず、キッチリと降りた。
「ありがとね。この最後の5秒おんぶしてくれたおかげで、ボクとクミの仲は今後もあるかな、と思えてすごく幸せ」
大の男2人に何度も何度も乗られて、疲れ果ててるうえに、嫌気がさしている女の子が、最後に「お別れのおんぶ」をしてくれたこの5秒のおんぶには「あっ、受け入れてもらえた」という幸せ。女の子って、嫌気の刺している男に対してなのに、こんな優しいから大好きっ。
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