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電車の中で話しかけてきたおじさんの愛が❤️


2029.9
ブルーラインのセンター北から乗ったのは初めてのことです。
私の席は隣が空いていました。そこへちょこっと座った、同じ年くらいの男性。私に向かって、「新聞、読んでますか?」
「あ、はい」
「どんなことお感じになります?」
あまりの唐突かつ気軽に聞かれましたので、驚きながらも同じ年くらいなので心を許そうと受け答えしました。こういう人と話すのも面白いな…です。覚悟決めました。お相手しようと。
「私、高校の教師をしてまして、教科は国語だったんでなんです。今、物書いてます。あっちこっちに投稿したり、してます。」
思わず、私も教師で中学校なんですよ…言いそうになってしまいました。そこはぐっとこらえて、相手の話にのめり込んで、
「最近、私、感じるんですよ。新聞の内容から<愛>っていう文字がとても減ったとおもぅんですよ。」 面白いこと言う人だなあ。興味津々。
「それと合わせて、日本人が薄情になったというか、薄情を前面に出してきているというか。」私も共感します。
「もっと前は、みんな何かしらおせっかいでしたよ。こうなんて言うか、どうしました、なんて気軽に声かけたり、掛け合ったりしてたような気がするんですよ。それがしなくなって、愛が薄くなってきているって思うんですよ。」そう言えばそうだなあ、って。おせっかいがなくなった。その最たるものが婚活アプリだろうな、なんて勝手に思う。昔はご近所におせっかいやきおばさんがいて写真持っていかがって言ってくれて。空が結構功を奏していて。今は、アプリで出会って、そこそこうまく暮らす夫婦も出てきている。あるアプリでは、最高年齢が88歳。しわしわなんですが、寂しいので、いいお友達がいらっしゃったらとアッピールしています。年齢ではないです、寂しさは。
そういう私も妻が亡くなって6年、おひとり様で来ています。寂しいですよ。「行ってきます。」「行ってらっしゃい」「ただいま」「お帰りなさい」
そのやり取りがありません。
おせっかい、大事な暮らしの文化のように思います。

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