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人事担当のオススメ10選!企業の課題図書を大公開

こんにちは。
株式会社Daiyuの人事採用担当 山中です。
突然ですが、皆さんは日頃ビジネス書を読まれますか?
私はこれまで典型的な文系の感覚派人間だったこともあり、今まで小説は読んでも、ビジネス書を読むことはほとんどありませんでした。
(ちなみに小説は日本人作家だとよしもとばななさん、海外作家だとトルーマン・カポーティ―が大好きです。)

そんな私が中途採用で今の会社に入ったことを機に、年間30冊程のビジネス書を読むようになりました。
というのも、実は弊社では社内で「課題図書」という取り組みがあるのです。

この「課題図書」とはありがたいことに会社が本を貸し出してくれる制度。本のラインナップは、社長やトップが大事にしている考えの根底にある本や、社内メンバーが「この本をみんなにおすすめしたい」と推薦した本です。

この制度のおかげで、自分では手に取らなかっただろう本を読む機会を得られ考え方が広がりましたし、実際に仕事で行き詰ったときや悩んだ時にヒントになったことがたくさんありました。
また、ただ単に読んで終わりということでなく、社内で感想文をシェアする取り組みも行っており、そのことを通してより理解が深まったことと共に、人によって受け取り方が違うことにも面白さを感じました。

そこで、今回は「課題図書」をnoteで公開しようと思います。
たくさんの素敵なランナップがあるのですが、今回はまず私のチョイスでご紹介します。

《全ての社会人にオススメしたい本》

■船井幸雄の60の言葉
「仕事とはお客様に喜んでいただくこと、その一点にあります。実績が上がらない原因はただ一つ、お客様に喜ばれていない、それしかないんだ」
まさにシンプルで、本質的なことを教えてくれる本です。
また、手紙を書くこと。お見送りをすること。いい顔でいること。決められた約束を守ること。5分前の精神を持つこと。
これらのことは、弊社代表の宮腰もスタッフによく言う言葉です。
どれも、難しくて出来ないようなことではありませんが、そういった「当たり前」のようなことを継続し、いつでもやれる人こそが成功する人なのだと改めて思わされます。
人として、大切にしたいことを教えてくれる本です。

■自分が源泉
この本を書いた鈴木博さんは日本におけるヒューマングロウス(人間成長)トレーニングの指導者で、実践的人間探究の中から35年間で3万人を超える研修参加者、経営者の成長と突破に貢献された方。そして、実はDaiyu取締役であり、会社の組織創りを担う鈴木のお父様です。
「すべての結果は自分が創り出している」という物事の捉え方が「自分が源泉」という考え方です。一度で理解するには難しいところもありますが、この本に書かれている、「起きた出来事に対する自分の捉え方」を意識するトレーニングをするようになって3年が経ち、改めて、その大きな意味を感じています。
他人や誰かのせいで生きるのではなく、どんな時も「自分が源泉」での生き方は、Daiyuという組織の一人一人が目指す根本の考え方です。

■成熟社会のビジネスシフト10年後も会社が続くために
モノで繋がっていた「成長社会」から、感情で繋がる「成熟社会」へと進化している今。これからは「幸せ」の定義が、社会で統一されることなく個人的なものになり、ひとりひとりが価値観や信念などを持って生きる時代が到来するのだということを実感させられる内容です。
また、今まで求められたサービスも変化し、会社のマネジメントや教育方法もこれまで通りでは上手くいかないことがよく分かります。
時代に翻弄されるのではなく、時代の流れを読み、人・企業として変わらずに大切にしたいことや提供したい価値は何なのか?ということを問うていきたいと思わされました。
この本を読んだこともnoteをスタートしたきっかけの一つです。

■世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
「理屈じゃない」ことが好きな私にとって、とてもワクワクする本でした。
企業やトップが、数値の分析や評価、過去の経験や知識など地に足がついた事実から導き出した論理的証拠を求めると、どこも同じ戦略に辿り着き、正解のコモディティ化が起こるということ。
その中で、他と一線を画す部分が「アート・デザイン」であり、この分野に強い企業が伸びているということがよく分かる本です。
アートには正解がありませんが、日頃から「何を美しいと思うのか?」という自らの審美眼や感性を鍛えることの重要性を感じる本です。


《企画・マーケティングを行う方へ》

■「欲しい」の本質 人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方
ガラケーが一般的だった時、誰が今このようにiPhoneが普及する世の中を想像したでしょうか?サービスが溢れ、既に欲しい物を手にしている世の中で大切なのは「隠れた欲求」を見つけることだと気付かされます。
消費者自身も気付いていない「ほんとうに欲しいもの」を見つけるための考え方とは何なのか?心理学にも通ずる内容が面白く、何度も読みました。
常識や慣習に捉われず、目の前の「人」の心を追求した先にこそ、本当に求められるサービスが生み出すことができるのだと分かります。

■インサイト実践トレーニング
「頭では理解できたけど、実際にどうしたらいいのだろうか?」…を解決してくれる実践的な本です。
弊社では、この本を全員購入し、これをもとにワークショップの時間をとりました。真剣に取り組むにはかなり時間もかかりますが、やってみると、大事にしたいお客様の心理が見えて来るはずです。 
かなり、おすすめです。


《リーダー・マネジメントを行う方へ》

■ビジョナリー・カンパニー2「飛躍の法則」
「時代を超え、際立った存在であり続ける企業(ビジョナリー・カンパニー)」の源泉を解き明かした米国のロングセラー。
2の「飛躍の法則」は、過去の株式運用成績など複数の厳しい基準から、市場や競合企業と比較してパフォーマンスが大きく上回った企業トップ11社を選び、どうしてそれらの会社が優れた業績を残すことが出来たのか、その要因や条件について分析をし、再現性のためのポイントをまとめた内容です。
「普通に良い企業」と「頭一つ抜きんでた企業」との差は何なのか?…には目から鱗でした。
目先の成功ではなく、企業の長期的な成長を考えていくために、この本から学び、取り入れようとしている部分も多くあります。


■サンリオピューロランドの人づくり
低迷状態だったサンリオピューロランドをV字回復へと導いたのが初の女性館長のマネジメント術が書かれています。
仕事とは、まずは自分が頑張るという若手時代を経て、年齢を重ねると後輩や年下の子への教育・マネジメントにシフトしていくと思います。
私は30代になって人事採用をやるようになり、そのなんと難しいことか!に直面しました。(今でも日々悩みます)
そんな時にちょうど、この本に書いてあった「みんな大丈夫、絶対に大丈夫。自分で乗り越える力がある。人が成長する機会を、他人が奪ってはいけないのだ。」という言葉を読み、涙が出てきました。
人の可能性を信じようと思える本です。

■子育てハッピーアドバイス
イラスト付きの優しい育児本かと思いきや、侮ることなかれ。読み進めていくうちに、子育てとマネジメントは同じなのだと気付かされます。
頑張れより頑張っているねの言葉の大切さ。
失敗してもいいのだという安心感を与えること。
その子を叱るのではなく、やった行動に対してフィードバックすること。
どんな人にも素晴らしい力と可能性があり、その人らしく輝くことで、人の力が発揮されていくのだと思える本です。

■マネジメントへの挑戦
赤字会社の指導を引き受けることに生涯をかけた伝説のコンサルタント、「日本のドラッカー」と呼ばれた一倉定先生の本で、初版はなんと1965年です。以下の文章にハッとさせられました。

会社の基本は「目標を達成しようとする執念」で統制される。高い水準の計画をたてて、その通り実現させることこそ、真の誇りなのである。死にものぐるいの努力をしなければ「そのとおりやる」ことができないような計画こそ、本当の計画である。

普通じゃだめ。理想を高く掲げ、なんとしてもそれをやり遂げるという意志こそが会社を存続させるのだと、身が引き締まる一冊です。

課題図書のおすすめを書いてみて

こうして振り返ってみると、改めて、素晴らしい本を読む機会をいただけることをありがたいなと思いました。
でも、ここまで書いてみて、一番大切なのは「自分がその本からどう学び、どう活かしたか」ということだなと思ったのが正直なところです。
つまり、実践が全て。なのだと思います。

私の場合、転職してすぐの頃から、チーム創り、経営者向けの本や、会社創りの本など、背伸びをした本のチョイスをして読んだりしていたのですが、実際はその1年後や2年後に「このことを言っていたのか!!!」と本当の意味を理解することもありました。
仕事に夢中になっているうちに「あれ、これどっかの本にも書いてあったな」とか「あの本に書いてあったことと同じことが起きてる!」ということに出くわすことはとても面白いです。

ベンチャー企業で働くということは、組織の変化や発展を肌で感じることも多いので、本から学んだ知識✖実際の実践を繰り返していく日々にやりがいがあります。
そして結局のところ、自分の頭で考え経験の中で感じた「自分なりの真理」が真実なのです。
それを、本に書いてあったことと同じか?そうではなかったのか?と答え合わせしていく感覚が、私にとって一番面白いことかもしれません。

Daiyuの課題図書制度は貸出し制です。
そのため、自分より先にその本を読んだ先輩がマーカーを引いているページに出会うことがあります。
私はいつも「なんでこの文章が大事だと思ったのだろうか?」と考えます。
そして、理解できない時には、きっとまだまだ自分の知らない仕事の奥深さ、挑戦、知らない景色が待っているのかもしれないと思うのです。

今の自分より、少し未来の扉を開くこと。
それがビジネス書を読む面白さだと感じています。

皆さんもぜひ、興味を持った本があれば、お手に取ってみてください。