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社会に貢献するために何ができるか。後継ぎの道を捨て、見つけた人生の目標と、組織づくりへの挑戦《はたらく幸せ》

はたらく―
みなさんは仕事を通して「自分という人間が生きた証」を残すとしたら、どんなことに挑戦したいですか?

鎌倉にあるウェディング会社Daiyuは、スタッフ一人一人、お金を稼ぐためだけでなく、自分の人生を懸けて成し遂げたいことを持っているのが特徴です。
Daiyuではそれを「ミッション‐使命‐」と呼び、「会社」はスタッフ自身がミッションを叶えるステージ、「仕事」はミッションを叶える手段だと考えています。

ミッションを持ってはたらくDaiyuスタッフ


noteでは、仕事を通し自分が人や社会にどんなことを与えられるのか?ミッションの実現に挑戦しているスタッフのインタビューを連載することにいたしました。
「はたらく」を通し、人生を輝かせているメンバー。
この記事が、就活生や、自分の将来・キャリアを考える方にとって、生き方のヒントになったら嬉しいです。

第一回は、取締役・事業責任者の鈴木樹陽太じゅひた
Daiyuでどんな道を歩んできたのか。組織のトップとなった今、どんな未来を創ろうとしているのか。胸のうちにある熱い想いを聞きました。

Daiyu 取締役 事業責任者 鈴木樹陽太

プロフィール
経営者向けの研修会社にてファシリテーションとコンサルティング技術を習得し、100社を超える中小企業の経営の支援を行う。2011年Daiyuに入社後、初の自社会場萬屋本店の立ち上げを成功させ、2016年取締役就任。現在は全社の事業責任者として、理念浸透した組織づくり、スタッフの強みを最大化させ目標達成をするチームづくり、緻密な分析による営業戦略立案を担っている。

父の会社を出て、Daiyuに入った理由。
人生が180度変化した、運命の出会い

Daiyuに入社する前は、大学を卒業してから5年間、父が経営する会社に在籍していました。父の会社は、70業種1000社を超える企業の経営者に対して、「自分が源泉」という人としての在り方を教える研修やセミナーを提供しています。僕の父は経営者でもあり、カリスマ講師でもある人でした。

父は僕を二代目経営者として継がせるつもりで、たくさんのこと教え、仕込んでくれましたが、入社してから数年経った頃、外へ出たいと思うようになっていました。
というのも、父の会社で学んできた理念経営や哲学・人財開発を今度は実際の「経営」で活かしていきたいと思ったんです。
そんな矢先に出会ったのが、Daiyu代表の宮腰さんでした。

顧客の経営者たちと企業視察の時の写真。
写真前右が宮腰。二列目の右から二番目が鈴木。

宮腰さんは父の会社の研修に来ていた経営者の一人で、とんでもなくポジティブな女性社長。また、当時からデザインやセンスの才能が突出していて、ブランディングについて彼女の右に出るものはいないと感じました。

宮腰さんのセンスやブランディングの力に、僕が培ってきた組織創りの力を合わせる…「この人と組んだら、これからの人生勝っていけるんじゃないか?」と思い、Daiyuへ転職することを決めました。僕が28歳の時でした。

大きな期待から一転。
苦しい葛藤と、限界の先にあった自己の成長

いざ入ってみると、正直ものすごく大変でした。
当初はウェディングについてほぼ無知で、現場の女性リーダー陣から相手にされず孤立してしまったり、代表からの強いフィードバックに打ちのめされたり…。
最初の一年間は毎日辞めたいと思っていたぐらいです。

でも、父を含め、前の会社で親しくしてもらった関係者ほぼ全員の反対を押し切って飛び出してきたので、辞められなかった。このまま続けるのか、辞めたとしても沖縄に逃げてアルバイトするか、そのどっちかしかないと本気で思ってました。

未経験からウェディングの世界へ飛び込む。当時は埼玉、東京、神奈川の会場を掛け持ちし、寝ずに仕事していたこともしばしば。
キッチンで修行したことも。料理開発のために様々なレストランに勉強にも行った。この時培った力を活かし、現在も店舗の料理開発を行い、クオリティを上げ続けている。

あと、器用貧乏で生きてきた自分に対する葛藤もありました。学生の頃から、勉強もスポーツもそれなりには出来る方だったので、気持ちが乗った時には高い結果を出せるのですが、総じてみると、いろんなことが平均を少し超えるくらいのラインで留まっている気がしてたんです。

そんな自分のことを「これからの人生、ずっとこの程度だろうか?」と不安に思うこともあったのですが、Daiyuに入ったらそんなことを言ってられなくなったんですよね。自分の気持ちが乗っているかなんて考える前に、とにかくやらなきゃいけない。その頃のDaiyuは売上もまだまだ安定していなかったので、とにかく前に進むため、がむしゃらでした。

自分がどうかより、お客様のため、スタッフのために「100%貢献に生きよう」と決め、自分の限界値をどんどん更新していった結果、自然と高い結果を出せるようになったんです。

結果的に、Daiyuへ来たことで自分が想像した以上の世界を見ることができたと感じています。ここでなかったら平均ラインに留まっていただろうと思います。

かつては大反対していた父も、3,4年ほど前から「本当にたくましくなった。そういう関わりは俺には出来なかった」と、宮腰さんに感謝してくれるようになって、良かったなと思っています。

人生をかけてやりたいことと、
Daiyuの成し遂げたいことが重なった

今振り返ると、自分の人生で目指すものを見出すことができたというのが、Daiyuに入って一番大きく変わったことです。

小さい頃、祖母から「社会の役に立ちなさい」と、よく言われていました。なので、社会へ貢献することに関わりたいと思い続けていましたが、自分は何ができるのかというイメージが全くなかった。常に不安だったし、本当にできるのかと焦燥感に駆られていました。

でも、Daiyuで奔走してきたことで、ずっとくすぶっていた「せっかくのこの生命を、自分の楽しさや幸せだけで終わりたくない」という想いと、今の仕事を続けていくことが結びついて、人生で目指すものを明確に持つことができたんですよね。

そこに至るまでは、いくつかの転機がありました。

ひとつは、宮腰さんに樹陽太じゅひたはDaiyuをどうしたい?」って言われたこと。それまで「宮腰さんはどうしたいんですか」ってずっと聞いていたんですが、自分で考えてもいいんだ、と初めて気付きました。そこから、会社や業界に対し、本当の意味でちゃんと向き合うようになりました。

その後、宮腰さんと意見が大きく食い違ったり、経営の考え方にダメ出しをされたりと紆余曲折がありましたが、まずは業績の向上にフルコミットすることから始め、安定させた後はマーケティング、人事へと着手していきました。そうして経営に関わってから数年後、宮腰さんから「Daiyuの経営を任せるよ」と言われたことが最終的に大きかった転機です。

Daiyu10周年パーティー。この日の打ち上げで突然、宮腰から「経営を樹陽太に任せる」と伝えられた。

組織のNo.2として宮腰さんを支えることに尽力していたところから、トップとしてどういう会社を作っていきたいか、人生を何に懸けるのか、と問い続けるようになりました。

そうして自分の信じたこと、自分の信じた会社運営をすることに責任と覚悟をおくことを決め、結婚式事業の意義や、Daiyuの存在意義を考えていったときに、自分の軸=会社の軸になっていることに気が付いたんです。

社員全員に対し、会社の方針を伝えた「全員研修」の集合写真

人生を懸けてやりたいことがあるって、すごい幸せなことだと思っていて。Daiyuでやるべきことをやっていけば、自分の人生が自分だけで終わらない。社会の役に立てるという、喜びでもあり使命感が、今の僕の熱量になっています。

個々の力とエネルギーを、最大化できる組織に

僕個人としては、これから入ってくるメンバーも含めて、Daiyuの一人ひとりが活躍できる環境作りをしたいと考え、研修を月に1度行っています。

研修は新人、中堅、リーダー層というメンバー分けをしていて、部署や役割が違うスタッフ同士が集います。研修といっても業務スキルを伝えるものではなく、8割くらいはスタッフの話を聞いています。そうした会話の中から、その人が何を考え、何を原動力にし、何に力を発揮するのか考えたりしていますね。

スタッフ研修の様子。メンバーそれぞれの個性や能力を最大化させている。

組織を一つのチームスポーツに例えたとき、僕がチームの監督で、選手(スタッフ)一人一人と向き合って話を聞き、活躍できるよう支援するイメージです。話を聞いたあとは、その人に合わせた練習メニューを提案することもあれば、本人が前に進みやすくなるようチームメンバーとコミュニケーションをとるように促したり、自分のチーム以外の試合(他社会場)を見に行かせたり…など、その時に合わせて様々な提案をしています。

大切なのは、こちらが答えを指示するのではなく、本人が自分で気付いていくこと。そうすることでどんどん自走ができるし、その人の才能もより開花していくと思うからです。また、メンバー間での関わり合いも、お互いの目標に向けて良い影響を与えあえるチームになっていくと思っています。

実際に、僕には勝てないものを持っているメンバーが増えてきたことがすごく嬉しいです。
例えば、新卒4年目のウェディングプランナー伊藤は、お客様に対して「結婚式を諦めないでほしい」「結婚式をする人は祝福されるべきだ」といつも熱くお伝えしているんですよ。この状況下で、彼女が担当したお客様は、日程変更をされた方が一組もいなかったと聞いて、すごいなと思いました。
僕はそんな情熱的に言えないなって(笑)

また、Daiyuに新卒で入社する人の中には「もともとウェディング業界を考えていなかった」という人がいます。
たとえば、大阪大学で法律を勉強していた子、サッカーのプロを目指して大学まで続けてきた子など。
学業を終え、これまで以上に何か夢中になれる仕事をしたいと考えたとき、Daiyuと出会い、ここしかないと思ったと聞きました。

彼らは、「何をするか」以上に「仕事をどういった想いで、どういった姿勢でやるのか」を重視し、Daiyuの理念、お客様への向き合い方、結婚式の考え方、仕事に取り組む姿勢に深く共感したからこそ、ここで自分の力を役立てたいと思っています。

自分が生きてるうちにやりたいことがあるって、すごく強いと思うんですよ。その接点をDaiyuに見つけてくれたことが嬉しいし、彼、彼女たちが会社を進化させてくれるとも思っています。
僕は、メンバーたちの力が発揮される環境づくりや、本人が想像する以上の可能性を拓けるよう支援したいですね。

新卒スタッフを含め、メンバー全員の熱量や想いが広がった先のDaiyuの未来が大きな楽しみであり、やりがいにもなっています。

そして、未来へ。
どんな状況でも結婚式事業を続ける覚悟。

コロナで結婚式が出来ないという事態になったとき、正直これまでの2年間は、他の事業をやったほうがいいのではないかという考えが頭をよぎりました。
実際、この業界では他事業へ力を入れ始めた企業さんのニュースも多く見受けました。

しかし、だからこそ自分たちが大切にしたいことって何なんだろうか?何のために結婚式をやっているのだろうか?と考えるきっかけになったんです。結果的に、これからどんなことがあっても「結婚式の事業を続けていく」ということに対して、強い意志と覚悟を持つ機会になりました。

それは、本質を見失わないこと、自分たちの勇気と武器を光り輝かせれば、どんな状況でも必ず突破口を見つけられる!と思えたからです。
それには、コロナ禍でも「何かできないだろうか?」と、商品開発や接客技術向上に励み、前を向いているスタッフの存在がありました。

結婚式を挙げられることにご不安もあるだろうお客様のことを考え、接客でのご案内も見直す。(写真はその時自発的にプランナーが行った朝練の様子)
少人数のご結婚式に合わせた料理コースの新開発と技術向上に向けて練習するキッチンチーム

これから先は、新たな店舗展開も見据えています。
今は「萬屋本店」の一店舗でやっていますが、スタッフも育ってきたので、次の店舗をつくることで、自分たちの手で良い結婚式をお手伝いする機会や、お客様と出会える機会を増やせると思っています。

また、現在Daiyuではオンラインイベントの取り組みもスタートしており、自分たちがコロナ禍になって考えたように、「人生における結婚式の意味とは?」を発信していく予定です。Daiyuが大切にしている核の考え方を伝えることで、「結婚式」のイメージが変わったら嬉しいですね。
結婚式の本質を届けることで、世の中に与える影響力をより強く、濃くしていきたいです。

あなたにとって「はたらく」とは?

人に語れるようなかっこいい経験ばかりではなく、泥臭いこともたくさんありました。
でも今、あなたに会社を任せてよかったと言ってくれる代表。
同じ気持ちで会社を創ってくれているメンバー。
自分以上に熱い熱量でお客様を幸せにしているスタッフ。
Daiyuと取引してよかったといってくれるパートナー企業。
ここで結婚式を挙げ、幸せな人生を歩まれているお客様。
40歳を前に今、自分がやってきたことが道になり、信頼する人が側にいる人生を幸せに思っています。

はたらく―
それは僕にとって、人や社会に貢献し、やりがいや生きがいを持てること
自分が生きていることの証明、生きる喜びそのものです。

若手スタッフが増えたDaiyu。宮腰や鈴木が大切にしてきた考え方は、これまで育ててきたメンバーから新たなスタッフへと伝えていく組織に。鈴木の大切にしている考えが継承されている。


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