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<副業・起業3>小さい世界で一番になる/本文公開

 『働きながらリスクゼロで小さく稼ぐ 朝晩30分好きなことで起業する』の文庫化を記念したゴールデンウイーク期間特別企画の本文公開第5弾。
 <好きな事で起業する>って、今やトレンドとなりましたが、ほんとうに好きなことを見つけることを見落としたまま、起業を始めたり、複業を始めるひとは多いのです。
 やり始めて心から好きになることももちろんありますが、その多くは挫折の道をたどることになるといいます。
 そこで今回は<ビジネスゾーン>にフォーカスして本文を大公開します!

ビジネスゾーンに一点集中する

 起業のアイデアが見つかって、自分が何を商品にして売っていくのかを決定し たら、今度はそれを「参入障壁」ができるくらいまでに高めます。

  他の人が新規参入してこないようなポジションを自らが作ってしまうということです。 私の場合は、会社員のまま起業して 年を過ごした実体験が、他の起業コンサ ルタントとの大きな違いとなっています。ライバルとなるような同じ経験を持つ人が他にいないので、追いつかれて追い抜かれる心配はありません。 

 このような参入障壁を、自分で定義してしまいましょう。 

 他者の評価による「一番」ではなくて、自分の定義で「○○においては私が一番」というポジションを作ります。 どこで一番になりたいのかを考えることがそのヒントとなります。 

 顧客数ナンバーワンなのか、取扱商品の数を誇りたいのか、あるいは売上高で業界トップを狙うのか。 あるいは他には無いオンリーワンのサービスなのか。自分が一番をとれるような形に条件を絞り込んでいきます。 

 この時に大切なのは、その商品やポジションがお客さまに求められているものかどうかということです。自分が好き、自分が楽しいというだけではビジネスとしては成立しません。


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 3つの輪が重なったところが理想的な商品ですが、これはめったに見つかりません。ここを目指す必要はありません。100点満点はいらない。 確実に点が取れるところ、「好きなこと」と「求められていること」が重なった「起業可能ゾーン」に注目してください。


お金にならない自己満足ゾーン

「好きなこと」と「強み」だけが重なって、「求められていること」がないのは「自己満足」ゾーンです。 自分が楽しい・嬉しいだけではビジネスにはなりません。
このゾーンの人は、自分の好きをお金に変えるという意識が嫌い(苦手)なので、原価よりも安く売ってしまったりサービスばかりしてあげたりで全く儲かりません。 「楽しかったから、ま、いいや」が口癖のような人たちです。これはビジネスではありません。


 会社員時代とかわらない生き地獄ゾーン

 また、「求められていること」と「強み」だけが重なって、「好きなこと」がないのを私は「生き地獄」ゾーンと呼んでいます。
経理が嫌いで会社を辞めたのに、経理スキルを売り物にして起業してしまうというパターン。ここで商品を見つけるなら、起業する意味はありません。


 好き×求められていることが起業可能なゾーン

 幸せな起業を目指すなら、「好きなこと」は常に必要な、最も大切な要素です。 つまり、必要なのは「好きなこと」と「求められていること」が重なること。 そこに「強み」が重なったらそれはラッキー! ということです。
「好きなこと」と「求められていること」の重なりというのは、単純な例で言えば、こういうことです。


求められていることって、意外と簡単!

 お酒を飲むのが大好きで、毎日のように飲んでいて知識もかなり持っているAさんとBさんがいたとします。


◆Aさんのツイート◆

今週も毎晩お酒を飲んだ。日本酒もワインも美味しかったなぁ。お酒に財産を注ぐほど飲んでるんだから、お酒には詳しいよ。○○は美味しいね。△△はいまいちかなぁ。何でも聞いてよ!

  Aさんがどんなにお酒への思いを語っても、評価を話してくれても、これは商品にはなりません。

 というのは、人がどんな情報を求めているのかという「需要」に対する配慮が全く感じられないからです。自分がどれくらい飲んだ、どれが美味しいと思う、というのは、親しい人との間でならともかくお客様にとっては全く不要な情報です。

 一方Bさんは、同じようにお酒好きなのですが「需要」への配慮があります。

◆Bさんのツイート◆

 ○○というお酒は、非常にスッキリしているのでお刺身などと合わせるのがオススメです。△△は、はなやかな香りで味もしっかりしているので繊細な味付けの料理よりは、しっかり味のついた煮物などに合わせるといいでしょう。 

 このようにある特定の人が求めている情報が発信できて初めて、その情報は商品となります。また、この目線で切り取っていけば、自分が一番になれる領域を見つけ出すこともできます。 たとえば「コンビニのお惣菜とマッチするお酒」「スナック菓子と合わせるワイン」といった切り口なら、利き酒師やソムリエの資格を持っていなくても十分にその小さな世界で一番をとることができるはずです。 

 どの領域で一番になるかを決めたら、達成までの期間も明確にしておきましょう。ビジネスには区切りが必要です。といってもあせる必要はありません。私はこの段階では6カ月くらいかけることをオススメしています。

 それくらいの時間をかけてじっくり勉強や研究をしていきましょう。


 ☆彡何で一番になるか決めるには、起業ゾーンを見極める☆彡


 前回の記事はコチラ

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【著者プロフィール】

新井一(あらい はじめ)
1973年生まれ。1万人の起業をプロデュースした「起業のプロ」。

会社員のまま始める起業準備塾「起業18フォーラム」主宰のほか、インターネットからの集客術に特化した起業家向けマーケティング支援などを行う。

社会とのかかわり方に問題を抱え、高校・大学と海外のスクールに単身就学。帰国後、日本の企業に就職するも、人嫌いを克服できず、さまざまな失敗を繰り返す。社会になじめず、会社になじめず、自分の居場所を探して15年間会社員をしながら事業を続け、独立後は「起業のプロ」として起業家を育てる。

特徴は「人生を変えたい」と願う会社員はもちろん、自立を目指す主婦からニート、フリーター、落ちこぼれまで、起業とは程遠いと思われがちな人材を一発逆転させてきたこと。

主な著書に『リスクゼロで小さく起業 会社を辞めずに「あと5万円!」稼ぐ』(大和書房)、『会社で働きながら6カ月で起業する 1万人を教えてわかった成功の黄金ルール』(ダイヤモンド社)などがある。








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