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自分の取り扱い説明書の作り方

自分を知るのはなぜ難しいのでしょうか。それは実は「自分を知る」には二つあるからだと思います。

自分が何をしたいかを知る(興味、ビジョン)、自分がどう見えているかを知る(客観視、他者から見えた自分)です。面白いことにこの二つは相関するどころか時々逆相関します。

「何をしたいか」を考えている人が、自分の見え方についての認識がずれていたりします。また、自分がどう見えているのかに敏感な人が、自分が何がしたいかわからないということもあります。何がしたいかとどう見えるかは、それぞれ別のものです。

この両方を混ぜていなければ「自分の取説い説明書※以降自分取説」になりません。よくあるのは自分の快不快だけをまとめた「自分取説」で、これは自分の不快を取り除くように周囲に要求しているにすぎません。「自分取説」は相手や周囲にとっても有益なものでなければなりません。

さて「自分取説」の作り方です。自分に質問をしてそれに回答することで、自分の感じていることや反応が言葉になります。これを他人に開示することで相手はあなたの扱い方を知ります。例えば、良かれと思って選択肢を残して相手に選んでもらっていたのに、本当は決めて欲しいと思っていたなど、ミスコミュニケーションが減ります。

「強みと弱み」
①息を吸うように「つい」やってしまうことは何か
②かけた労力に対して「意外に」他者から感謝されることは何か
③自己評価と他者評価で一番ずれているものは何か
④どうしても克服できないことはなにか
⑤苦手なこと三つの共通点は何か

「集団」
①大きな空間でどの位置に座りたがるか
②心地よい会食の人数は何人か
③楽しくなさそうにしている人が気になるか、ならないか
④誰かと話をしている時、後ろや横の話は聞こえているか
⑤自分のボスの癖を三つ説明できるか
⑥カウンターに座るのと対面どちらが心地よいか

「コミュニケーション」
①自分の話の途中に割り込まれることは気になるか
②何かに没頭している時に話しかけられるとどの程度嫌か
③権力が上の人間と、下の人間と話をしている時自分の態度はどの程度変わるか
④子供と話すのは好きか、声や話し方は変わるか、変わらないか
⑤相手に対し通じる単語に置き換えることは頻繁にやるか

「欲」
①誰にも言えない欲しくてしょうがないものは何か
②権力と影響力のどちらが欲しいか
③羨ましいと思う相手が持っているものは何か
④欲しいと思った時素直に言えるか
⑤何かをあげてお礼を言われなかった時どの程度いらいらするか

「テリトリー」
①自分のものが勝手に使われた時に気になるかならないか
②浮気されたとき、恋人と浮気相手のどちらにより怒りを覚えるか
③たまにちゃんと生活できているか心配をする相手は何人ぐらいいるか
④家に友人を招いたとき、友人が勝手に別の友人を連れてくることは許容できるかできないか

という感じで質問し回答しパターンを作っていきます。案外自分に質問することが少ないのは「欲」です。影響力が欲しい人と権力が欲しい人では、インセンティブになるものが違います。これを相手に察してもらうのはコストが高いので、自ら開示してしまった方が良いです。

その人が開示している取説と普段の行動が一致していればしているほど、信頼度は高まります。一致していない人は何かを隠しているか、または客観的に自分を見る能力がないと受け取られます。

取説を追求すると、結局どう生きていきたいのかという人生観に行きつきます。取説は自分を楽にし、周囲の余計なストレスも減らします。取説は確定するものではなく変わり続けます。日々気づいた事を反映させ常に最新版でいることが重要だと思います。

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