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伝わる文章を書くために、たった1つの大切なこと

私は新聞記者として12年間記事を書いてきました。あわせて3000本ほどの記事を書いてきています。

文章を書くことに、苦手意識をもっていらっしゃる方は少なくないと思います。noteを書いていても、反響が少ないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。記者経験をもとに、自分の言葉で書けるようになるヒントをこれから少しずつ発信していこうと思います。記者時代に学んだことを社会にお返ししたいという思いです。

伝わる文章を書くため、第一に大事なひとつのことがあります。

それは「伝えたいことがあること」です。

「伝えたいこと」を考えるとき、例えば泣きわめく赤ちゃんをイメージしてみてください。赤ちゃんはまだ言葉が使えません。しかし、なんらかのことを強烈に伝えたいから泣いてそれを発信しているのです。伝えたいメッセージは「おむつを替えてほしい」や「お腹がすいた」や「痛い」かもしれません。そのメッセージを大人に聞いてほしいという願いが根底にあるからこそ、大人は放っておくことはできないのだと思います。

私たち大人は、赤ちゃんのように、泣きわめいてメッセージを伝えることはほとんどないでしょう。しかし、心の底で何か伝えたいことは、一人一人にあるのではないでしょうか。それはまだ言葉になりきっていない思いかもしれません。それに気づくことが、第一に伝わる言葉を書く何より大切なことだと思います。

コピーライターの梅田悟司さんの「『言葉にできる』は武器になる」は伝わる文章を書きたいと思われている人にとって良書だと思います。コピーライターというと、おしゃれな言葉を並べるカッコいい敏腕クリエイターのようなイメージがありますが、梅田さんはむしろ念仏を日々唱える僧侶のような印象を持ちました。自分の内面を掘り下げて出てくる「内なる言葉」を見つけることが大切だと繰り返し説いているからです。

大切なのは、自分の考えや思いを把握していることである。その内容を伝えるためには、難しい言葉も、耳ざわりのいい言葉も、美しい言葉もいらない。人の心を動かすのは、話している本人の本気度や使命感であり、生きる上で感じてきた気持ちが総動員された、体温のある言葉なのだ。
(「言葉にできる」は武器になる、梅田悟司)

「文章がすぐ上手くなるヒント!」といった本には、文章は何文字以内にせよ、とか改行は多めに入れろとか、テクニックのことばかりが連なっているものが多く見受けられます。そんなテクニックは枝葉末節に過ぎない、全く本質からずれた内容です。

本当に伝わる文章を書きたいのであれば、まずご自身が一体になにを本当は伝えたいのか、しっかりご自身の内側を見つめることが大切です。それがなければ、ネットから知識を断片的に持ってきてくっつけた文章しか書けないでしょう。

これはビジネスの文章でも同じだと思います。ご自身の考えがしっかりとある人のビジネス文は、伝わるものです。この人と仕事がしたいと思ってもらうためには、なぜその人がこの仕事をしているのかがにじみ出ることが、人の心を動かすものだと私は思います。

今回はやや抽象的な内容になりましたが、まずはご自身に「伝えたいことがあること」が伝わる文章を書く上で大切です。ご自身の内側を見つめる機会を一日一回は意識してつくっていきたいですね。

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