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【エッセイ245】山の天気は変わりやすい


「山登りをするなら朝は早くから」というのは初心者向けアドバイスで何度も聞いた覚えがある。

山は日の落ちるのが早い。早い時間に登り始めて下山しなければ行動不能になる可能性がある。他にも午後になると天気が急変する確率が上がるから、とか。

日暮れが早いのは体験したので良くわかる。冬に大山へ登った時は午後二時を過ぎたあたりから登山道に日が当たらなくなり、周囲が薄暗くなるのを感じた。

天気の急変は一度も経験したことがなかったけれど、6/10の塔ノ岳で初めて遭遇した。

その日の朝は快晴で、6月にしては珍しく雲ひとつない青空だった。登山口に朝の7:30には到着する頃に少し雲は出ていたものの、それでもまだまだ青空。登山道の途中ではまだ雪の残る富士山も見えた。

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これは山頂ではもっと大きくてキレイな富士山が見えるに違いないぞ! とますます調子を上げて登山道を進む。けれど山頂に着く頃には雲もかなり出て、すっかり富士山は隠れてしまった。

雲が出て来たとは言え、空はまだまだ晴れている。6月じゃ晴れ間の青空は貴重。富士山こそ雲に隠れたものの山頂から見渡せば三浦半島から江ノ島、真鶴半島まではっきり見える。登山道を3時間30分歩いた心地よい疲れに美しい景色。ああ、これが楽しくて登山にハマったんだな……なんて堪能するも束の間、5分か10分かでいきなり山頂が雲に閉ざされた。強風が吹き砂埃が舞い上がり地面に置いたザックがみるみる泥で汚れていく。

さっきまでの青空はどこへ行ったのか、頭上ではまだ日光が輝いているのに辺りは灰色のガスで視界が閉ざされる。見渡しても半島や海どころか登山道さえまともに見えない。

「山の天気が変わりやすい」とはなるほどこういうことか! と納得しつつ、慌てて荷物をまとめて下山を開始した。

天気はそれ以上、悪化しなかった。
むしろ下山する頃にはまた晴れ間が見えていた。

山の天気は本当に変わりやすい。あまりに一瞬で変わるものだから本当に驚いた。今日の写真は、晴れていた登山中に撮った一枚と曇っていた下山中に撮った一枚。ほんのわずかな時間で景色はすっかり変わっていた。

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ついでに山頂で撮った一枚も。食事を取ってからじっくりカメラを構えて写真を撮ろう、なんて考えていた私を嘲笑うかのように天気は一瞬で移り変わった。

そんなことがあるから、わずかな時に見えた景色を余計に美しく感じるのかも知れない。

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また新しい山に登ります。

ありがとうございます!うれしいです!
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すっかり山男見習い。山のことや旅のこと、自分で撮った1枚の写真を載せて、様々なエッセイを書いています。2019年4月21日から開始。
コメント (2)
写真で見てもぜんぜん違いますね。曇りは悲しい。
まあ、雰囲気はあるかもですが♥
>鳥裸族さん
山頂までは晴れだったのにあっという間に曇りで、景色の見え方がまったく変わったので驚きました。でもたしかに山らしい雰囲気はありました( ´ ▽ ` )
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