2021トップリーグ初戦コロナで延期?!最悪のスタート・・・
こんにちは!!ダイスです。
昨日はパナソニックワイルドナイツさん優勝おめでとうございます!!
皆さん!!2021年の日本ラグビーを楽しんで頂けましたでしょうか?
皆様のサポート、応援、コロナ下の努力のおかげで無事トップリーグを開催、そして終了することができました。
本当にありがとうございます。
難しい時期ではありますが、皆様と皆様の家族、周りの方々の健康と幸せを心より祈っております。
そして、これからもラグビーの応援よろしくお願いいたします。
前振りはさておき・・・
前回の記事に引き続き2021年トップリーグを振り返りたいと思います。
この記事を読む前に、必ず下の記事をお読みください。下の記事を読むことで、今回の記事の臨場感を高めることができ、より面白く読むことができると思います。
それでは、
『2021年トップリーグ初戦コロナで延期?!最悪のスタート・・・』を始めていきたいと思います。
今年からトップリーグのチームに所属する僕にとって、トップリーグは最初で最後となります。本当に力が入っていました。
年末あたりから、PCRの陽性者数が増え、政府が緊急事態宣言を・・・
もしかしたら・・・大会が延期、最悪中止になるかもしれない。そんな思いも抱えながら、日本一を目指し、チームとしても、個人としても成長要素を探っているところでした。
①トップリーグに向けたKPIを仕上げる
コロナの影響により、メディカルチームから、トレーニング、ミーティングの全体の映像が欲しいと指示がありました。そして、僕たちは、倉庫から一台のカメラ"通称Covid Camera"を用意し、普段の練習用の映像とは別に練習の撮影をすることになりました。
僕たちは、コーチの指示に関わらず、全ての練習の映像を撮影します。
各ドリルのゴールやキーワードを考慮し、選手やコーチが練習を見返した時にレビューをしやすい映像を撮るために、微妙なアングル調整、カメラを使い分けます。
練習後には、全てに映像を集め、ドリルの部分だけを切り抜き1つのパッケージを作成します。
年末になると、10月頃と比べ仕事の効率も格段と早まっていました。
そして、余った時間を利用し、公式戦用のKPIを仕上げていきます。
KPIとは・・・Key Performance Indicatorの略で、ビジネスの世界だと【重要業績評価指標】と訳されます。スポーツ界だと、【重要パフォーマンス評価指標】と呼ぶべきでしょうか?ゴールを達成する上で、その達成度合いを計測・監視するための定量的な指標が示されたレポートのことです。
ゲームモデルに沿って、計測する項目を選んでいきます。
項目が決まると、KPIをデザインしていきます。
ボスと僕は、Ipadや紙に構成案をたくさん書きました。そして、数日後、僕たちは構成案を共有することしました。僕は作成した構成案をボスに見せ、自慢げにどう思うと尋ねました。
ボスは、良い感じだと褒めてはくれましたが、ボスの頭の中に1つの疑問が浮かんだそうです。
コーチにとって見やすいのかな?
僕は、構成案を書くことに夢中になり、気づけば【かっこいい】とか、【見栄えが良い】という視点でKPIを作成していました。
そう、僕の構成案はKPIの本来の意図から少しズレていたのです。
ここからもう一度KPIについて、Youtubeやウェブサイトを見て、調べなおしました。そこで、学んだことがあります。
【Less is More】という考え方です。
Less is moreとは、本当に必要な必要最低限のモノで、最大の効果を得るということ。つまり、KPIで言うならば、無駄な情報や線、色をできる限り省くことにより、本当に重要な情報に一眼でアクセスできるようにするということです。
無駄な情報が多すぎると、目映りしてしまうのが人間です。
無駄を省くことで、コーチは僕たちアナリストが作成した情報としっかり向き合ってくれるようになり、それら情報がチーム強化の糧となるのです。
②準備が整ったと思いきや・・・
そして、一回戦の相手であるキャノンの分析を始めます。僕とボスは、分析する項目を分け分析を始めました。
分析後、分析データをレポートにまとめます。ここでもKPIで学んだことがいきました。シンプルかつ重要な情報を・・・です。
そして、コーチたちにプレゼンテーションを行いました。以前とは違って少しピリッとした雰囲気が漂っています。プレゼンテーション中は、質問がいつもよりも飛び飛び交っていました。
そして、プレゼンテーション終了後、僕たちは、すぐに2回戦NEC戦に向けた分析を始めます。この時点では、選手やコーチは、キャノン戦に向けたミーティングや練習を行っています。
そして、ここで大きな仕事が僕に舞い降りてきます。
モチベーションビデオの作成・・・
僕たちアナリストは、エディターやクリエイターのような仕事も少しします。
僕自身コーチから依頼されたモチベーションビデオを作成していましたが、選手からの依頼もやってきます・・・
チームのリーダーズグループから、
「選手やコーチのサポーターたちからのサプライズ映像を作りたい」
と話がありました。リーダーたちが、映像を集め、僕が映像の編集を行うことになりました。
そして、選手からの要望で、他の選手やコーチには内緒に欲しいとのこと・・・スタッフルームでは分析を行い、家に帰るとすぐに2つの映像作りをはじめました。
NEC戦に向けた分析に加えて、2つのシークレットサプライズビデオ作成と、充実した時間を過ごしているところでした。
そこに突然の通達がきます・・・
コロナの影響で大会が延期する・・・・
突然過ぎて、すぐに気持ちを切り替えることができませんでした。
通達後、約1週間のオフとなりました。このオフの間、気持ちが切り替わるまで数日かかり、少しの間、何をすれば良いのかと路頭に迷ったような気持ちでした・・・
③良い準備ができていることを確信する
1週間のオフが明け、シーズンが2月から始まるかもしれないと噂がまわってきました。それに合わせて、サントリーさんをリコーのグラウンドに招き、練習試合をすることに・・・
これのおかげで、再び自分の中の消えかかっていた小さな炎が燃え盛り始めました。
・・・試合当日・・・
この日もこれまでの練習試合と同じように、試合前の時間に対戦相手チームのアナリストと映像の交換についての話や、分析方法などの情報を共有しました。
そして、この試合をドローンを使って撮影することに・・・・
練習の時に、映像をパソコンにうまく取り入れることができなかったこともあり試合ではやったことがありませんでした。
不安を抱えながら、パソコンやデスク、延長コード、ドローン用のバッテリーなどをグラウンドに用意します。そして、試合の数時間前にテストを行いました。テストでは、特に何も問題はなく、少しホッとしていました。
試合30分前には、ドローンも大丈夫そうだと言うことをボスやサントリーのアナリストの方に伝えることができました。
そして、試合が始まる5分前にドローンを打ち上げました!!
ドローンは、いつになく元気に舞い上がっていき、グラウンドの上空から撮影を開始します。
ドローンのバッテリーは約20分ほどで切れてしまいます。また、バッテリー交換後、コントローラーとの接続やGPS信号を取得するのにも数分かかります。なので、バッテリーを変えるタイミングはドローンで試合を撮影する時の鍵となるのです。
前半は、特に何も問題はなく終わりました。あと、もう少し低めに飛ばすことで、デッドスペース(ラグビー以外のスペース)を取り除けてもっと良くなったのかなと少し学びもありました。
後半はこの前半での経験をいかそうと、前半よりも熱が入りました。
後半20分頃、ドローンのバッテリーがどんどんなくなっていき、とうとう替え時だなと感じはじめていました。しかし、プレーがなかなか切れません。コントローラーからは、アラートがなり始めドローンを下すように僕を促します。
この試合は、リコーとしても、サントリーさんからしても、トップリーグに向けた最後の調整だったこともあり、試合はかなり拮抗していました。お互い良い準備ができてきているなと感じさせるような展開です。
もちろん、プレーが続くことは、とても良いことですが、僕にとっての非常事態です。ドローンのコントローラーがピー・ピー・ピーと泣き叫んでいます。
プレーの映像を失いたくないと思いながら、早くプレーが切れてくれー!と心の中で叫んでいました。そして、バッテリーが残り10%になった時でした。
ようやく、その時がやってきたのです。
プレーが反則できれた、その瞬間でした。
今だ!!と思い。数十メーター上空にあるドローンを急降下させ、着陸させました。いつになく手際が良く、バッテリーをすぐ替えることができ、プレー映像をほとんど失うことなく撮影を再開することができました。
もう少し早いタイミングで替えるべきだったなと反省をしながら、残りの試合の撮影を無事終えることができました。
試合後すぐに分析を始めました。
分析を終え、新しく作成したKPIにデータが入りました。
以前のKPIよりも見やすく、シンプルなデザインに!
また、分析結果としても、チーム、選手のパフォーマンスが良くなっていることを確認することができました。
そして、いよいよ最後のトップリーグ戦が始まります。
今回は以上で終わりたいと思います。
次週は今2021年トップリーグを制したパナソニックと戦います。
いかがでしたでしょうか?
本日もお読み頂きありがとうございました。
次回も楽しみにしていてください!!
世界中のアナリストがどのように働いているのか興味がある方は以下より
全て僕が翻訳した記事となっております。
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