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膝栗毛(ひざくりげ) : 妄想ショートショート007

膝栗毛(ひざくりげ)

江戸の街中、人々の話題の中心は「伊勢参り」だった。移動が厳しく制限される中、伊勢参りだけは特例として許されていた。その移動方法はもちろん"膝栗毛"、つまり徒歩だった。

ある日、町の若者・直次は、伊勢参りから帰ったばかりの老人から不思議な話を聞いた。「未来の世界では、空を飛ぶ馬車や、手のひらに収まる道具で遠くの人と話すことができるらしい」と。
直次は興味津々で、その未来の話を聞き入れた。そして、ある決意をする。「自分も伊勢参りに行って、未来の神託を得たい」と。

数年の後、直次の願いは叶い"膝栗毛"で伊勢神宮を目指した。長い道のりは決して楽なものではなかった。しかしその道中、彼は多くの人々と出会い、様々な話を聞いた。そして、直次は様々な体験を通じて自身の"膝栗毛"、脚や身体の存在を強く意識するようになった。

伊勢神宮に到着した直次は、神前で深く祈った。「未来の世界を見せてください」と。
その夜、直次は夢の中で未来を訪れた。空を飛ぶ馬車、手のひらの道具、そして人々が自由に移動する姿。しかし、その中で彼が最も驚いたのは、人々が"膝栗毛"を忘れていたことだった。
夢から覚めた直次は、深く考えた。未来は素晴らしいが、人々が"膝栗毛"の大切さを忘れてしまうのは悲しい。彼は江戸に戻り、未来の話をしながら"膝栗毛"の大切さを伝え続けた。

そして、その話は次の世代へと受け継がれ、人々は"膝栗毛"の価値を継承することとなった。
これが日本という国が、世界の中で珍しい"歩ける街"が至極当然当となった理由なのだ。


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膝栗毛の意味は"歩いて旅行する"
知っていましたか?
ボクは今朝知りました。笑
そこからインスパイアしたこのショートショートですが、江戸から伊勢神宮まで歩いて片道15日ほどかかったそうです。よくもそんなに歩けるな、。
海外に行くと驚くほど歩けるエリアは少ないのですが、日本はまだまだ歩くことは日常のまま残っています。故に長寿国なのかも知れません。
ボクは毎朝犬の散歩をしていますが、季節の匂いなど身の回りの環境変化に敏感になりました。
もう少し、歩くことの価値を見直しても良いかも知れませんね。

追伸
日本の道を歩くアプリ
「膝栗毛」というのがありました。
このストーリーは、その宣伝では無いのですが。。
ちょっと面白そう。

備忘録としてリンクです

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