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小さな会社の戦略は「常識外れ」という型で勝負したい(起業時も同じ)。

おはようございます。カイロスマーケティングで代表をしております佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。

あっという間にゴールデンウィークも終わりました。あちらの方はもう少し延長する気配がありますね。事業環境も当面このままなのかな、という兆しもあります。

不測の事態にならないよう、事業計画を作り直さなきゃ。そう思っています。


事業戦略つくり方をざっくり説明

新たに事業を立ち上げようと思ったら、事業計画とか事業戦略などがあったほうが良いというのは周知の事実。自分一人で事業を立ち上げるにしても、頭のなかで思い描いているやり方を紙に落とし込む。頭のなかを整理できるだけでなく、他の誰かに説明しやすくなるのでおすすめ、と言うよりも絶対やった方がいいと思っています。

事業戦略の作り方には「型」があります。

PEST分析をしながらファイブフォース分析で市場感をえる。その後3Cを整理しながらクロスSWOTに当てはめて、自社の事業戦略とりうるオプションを洗い出す。どのオプションを採択するか決めたらSTP4P(プロダクトポートフォリオ)を同時に決めて実行計画を作る。

事業戦略はこんなイメージを持っていただければ、そんなに間違ってないと思います。

詳細は当社の運営するメディア「マケフリ」の記事でどうぞ。

それぞれの分析をカッチリ&キッチリやっていくのは大企業のイメージです。中小企業やスタートアップで事業計画を作る場合は、きっちりやっていたら時間の無駄。ザクってやっていく感じで進めていくといいと思います。

資金調達をしたい場合には、事業戦略に加えてビジネスケース(資金繰り計画)が必要です。特にデッド(銀行や制作金融公庫からの借入)の場合にはビジネスケースをしっかりと。エクイティの場合には、その事業戦略で上場まで十分にたどり着けること、投資家のリターンを十分に確保できることを見せてあげる必要があります。


よく知られた競争戦略のフレームワークは顧客重視で使う

事業戦略のフレームワークに当てはめていくと、自社のこと、自社から近い既存顧客のこと、事業と密接に関係のある法改正のこと、など自社に深く関係する情報ばかり集まります。当然のことですよね。自ずと自社中心の視点で見た事業戦略ができあがります。

例えば3C分析でも、顧客→競合→自社の順に情報を整理していく事業戦略は、事業を取り巻く環境の変化を自社がどのように有利に対処していくか、に尽きるからです。

できあがった事業戦略を見ても、なんだか大手企業に勝てる気がしない。もしくは事業そのものから利益が出るとは思えない。そんな感じの事業戦略になりがち。教科書に沿った事業戦略のレシピだと、結局のところ、「競争戦略」ができあがり、結果的に価格競争になるからではないか、と思っています。

ごく自然な自社を見せるだけでいいんじゃないか

価格競争を突き詰めると、Winner takes it all. になります。つまり勝てるのは1社のみ。きっと価値の出し方に一考の余地があるのではないかと思っています。

お客さまが製品を買って感じる価値を、購入前/後にわかるもの、金銭価値の有無、の2つの軸で分けます。まぁ、こんな価値を感じて製品を購入するでしょう。

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まぁまとめるとこんな感じです。

購入前にわかって、かつそれが金銭的価値としてわかるものだけを対象にして戦略を考えると、価格競争になりがち。もしブランドと言う非金銭的価値があるのなら、価格競争を避けられるでしょうけど、中小企業やスタートアップではかなり厳しい注文です。だから(A)の領域で勝負しがち。

製品に圧倒的な優位性があったとしても、パテントで縛りをかけていない限り、大手さんがコピーしてしまう。利益の出る分野には誰もが参入したがるので当然のことです。だから、製品の圧倒的な優位性も賞味期限が出てしまいます。ましてや価格競争されたらひとたまりもありません。やっぱり(A)の分野での勝負は厳しい。

費用対効果は価格x製品の性能もしくは効用です。だから、圧倒的な優位性があったとしても、その優位性には賞味期限付き。

すると、購入後にわかる非金銭的価値である(D)の領域で勝負するしかない。って、ことになります。

この記事を読んでいるような、勉強熱心で真面目な方が働いている会社なんて、絶対に真面目で誠実な人が多いと思います。だからこそ、会社の自然な日常を、購入前のお客さまに紹介するだけでいいのではないか、と思います。


ハードなことを突き詰めて、感情を動かすストーリーを露出する

Dの領域って、感情とかストーリーが有効。例えば、こんなものがあります。

・創業ストーリーや社長の想い
・従業員が生き生きと働く姿
・整頓された工場など
・マナーの圧倒的な良さ・圧倒的な誠実さ(納期など)
・事実や意見をはっきりと伝える高い専門性
・進んでサービスを申し出る・問題解決に前向きな姿勢を示す従業員の姿勢

お客さま全員が共感することは無いでしょうけど、一部の人だけでも共感していただけたらしめたものです。

どれも経済合理性を考えたら、そこまでやるべきだろうか?という要素。戦略的に取り組むべきとは思えません。とにかく、中小企業やスタートアップでは、大企業がやらないことをやる。これに尽きます。面倒くさいこと、人がやらないこと、手間がかかって面倒なこと。

でも値引きは絶対にNG。値引きしたら価格競争の始まりです。

そして、あたり前なことは徹底的にやりましょう。例えば、納期を確実に守る、お客さまに対して誠実である、など。常識は非常識にやりぬく(当社のバリューでもあります)。

大手企業の意思決定のロジックの根底には合理性があります。だから、収益構造を満たすことが必要条件で、収益構造を満たす仕組みが効率的であることが求められます。

続けることで、性能や効用以外の価値が芽生えてきます。いつか信用や信頼に変わって、そしてブランドとして育ってきます。

こういった内容を自社のホームページで紹介するとなると、WEB制作屋にお願いして、時間と費用がかかってしまいます。もっと簡単に、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSでの露出や、noteに記事化することもできます。特定のお客さまだけに知っていただければいいので、メールの署名に追加したり、ホームページから自社のSNSにリンクを貼る程度で十分です。フォロワーを増やすほどやり切らなくても大丈夫でしょう。


逆張りだらけの事業戦略が適当じゃないか。

中小企業やスタートアップは、大企業がやらないハードなことを突き詰めてやり続けることが、実は成功への近道じゃないかと思っています。カイロスマーケティングを8年半も経営してきて、本当にそう思っています。

起業とかスタートアップや中小企業は、一見非常識とも思える逆張りをうまく動かすことで成長している感じがします。ホント逆張りだらけ。

最初はハードで面倒なことをする。徐々にシステム化・マニュアル化して負荷を軽減していく。こんな運用がいいんじゃないか、と思っています。

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