縫製会社、木綿づくりに手を出した。【①畑の整備と畝(うね)作り】
突然ですが、木綿を栽培したことはありますか?おそらくほとんどの方が、「ない」と答えるのではないかと思います。普通はそうですよね(笑)。 ところがダイナンでは今、木綿を育てているんです。でもなんで、生地を仕入れて縫う会社が...? という訳で、私たちダイナンが木綿づくりにも「手」を伸ばした道のりを、但馬(たじま)社長へのインタビュー形式でお送りしたいと思います! by ダイナンnote編集部
始まりは…思いつき!?
ダイナンnote編集部(以下、編) 生地を仕入れて洋服に仕立てる縫製会社が、原料の原料である木綿を作りはじめた訳ですが…。どういうきっかけで木綿づくりを始めようと思ったんですか?
但馬 思いつき、ですね。
編 思いつき!いつ頃、どんな思いつきがあったんですか。
但馬 会社のロゴやHPのリニューアルが一通り落ち着いたタイミングですね。ブランディングをお願いしているGRAPHの榎本さんと、何かしたいですね、と話をしてまして。
編 はい。もともと「地域を巻き込んだ取り組みをしていきたい」って言ってましたもんね。
但馬 「お祭りとかやる?」なんて色々アイデアを出してたんですね。その中で、ユニフォームのデザインをしてくださった村田さんが、ずっと木綿を育ててるっていう話があって。じゃあ木綿畑やったらどうだろう、と。
編 村田さんが、「やるならコットン作りから…」と、冗談ぽく提案されていたお話を、本当に始めてしまった、と!
但馬 はい。最初は遊びでもいいからやってみようか、という感じでした。
編 そのノリ、いや、フットワークの軽さ、素敵だと思います(笑)。
【畑の整備編】地元の方の、「手」のありがたみ。
編 「遊びでもいいからやってみようか」って、畑を始めるための土地はどうやって用意したんですか?
但馬 気軽に見に行けるように、会社の近くに畑を持ちたいなと思っていて。近所の大野川の向こうに竹中地区っていうところがあって、商工会議所つながりの方に休耕地はないか相談したんですよね。これが多分1月とかかな。
編 メールをさかのぼると、1月末に、村田さんと「やりましょう!」というやりとりをされているようですね。
但馬 そう、それで畑の相談はこの時期に地元の方にしてるんですよ。休耕中の荒地で木や草が生い茂った状態だったんですけど、竹中地区の、もう父親くらいの年齢のじっちゃんがですね。相談者さんのお友達なんですが、トラクターを借りてきて綺麗にしてくれたんです。草とかも全部焼いてくれて。それで僕たちはちょっと耕すのと、肥料作りと、種を蒔くための下地作りだけで済みました。
編 地元のじっちゃんが手を貸してくださったんですね。社長もじっちゃんも、スピード感と行動力がすごい(笑)。
但馬 そうですね。地主さんも、「借りてくれるなら、それだけでありがたい」と。水を引くための費用が年間数千円は必要なんですけど、それだけ払ってくれたらいいよ、って言ってくれましたね。
編 年に数千円で!?ちなみに広さはどれぐらいなんですか?読んでる方にも分かりやすい感じでお願いします!
但馬 どれくらいかな…。全部でテニスコート2面くらいですかね。1月中に話が進んで。じっちゃんは2月と4月にも耕してくれてますね。ありがたいです。
編 思いつきから始まって、1月に話し始めて4月には畑が揃ってるって、やればできちゃうもんですね!!
【畝作り編】土地も豊か。人も豊か。
編 社内で声がけを始めたのはいつぐらいですか?
但馬 これも4月に入ってからですね。3月末に資料を作ってます。
編 これですね。綿花へのリスペクトに加え、「お子さんの原体験・情操育成…」いいですね〜。
但馬 3月の終わりから、4月の頭にかけて、社内で告知してますね。
編 これはもちろん…「お仕事」ではないんですよね?
但馬 はい。あくまでも有志の課外活動ですね。「おいしいお昼つきです」って告知して、初作業は4月20日でしたね。
編 何人ぐらい集まったんですか。
但馬 村田さん入れて、12人ぐらいですかね。4月中は畝作りと、ボカシという肥料作りをしました。
編 これが初作業日の光景ですね。
但馬 この日は畑を仕込む日で。畝を作って、ボカシを仕込みましたね。子連れの人も結構いました。うちの子もバドミントンの練習前に友達と一緒に。
編 練習前に!情操育成だけでなく、筋トレにもなりそうですね(笑)。
但馬 はい、かなり…。畑仕事は普段使わない筋肉を使うので。
編 この鍬(くわ)はどうしたんですか?
但馬 鍬は…全部手配しました。村田さんから教わったんですけど、鍬にも地域性があって、種類があるんですよ。
編 地域性!へえ…。土の質とか作物の種類とか、色々あるんでしょうね。
但馬 社員やその家族だけでなく、外部部の方も来てくださったんですよ。うちの個人向けサービス「縫製のおてつだい」をご利用いただいている方で。
編 おお、デザイナーさんですか?
但馬 「着物と農業で地域に貢献します」と言うメッセージを掲げ、着物のアップサイクル事業などをされている、株式会社クラフトマンシップの清水夏子さんという方です。うちで浴衣のリメイクのお手伝いをしていて、その打ち合わせ最中に話が出て。
編 なるほど〜。地元の方との素敵なご縁に恵まれてますねえ。ちなみに作業は何時くらいから始めたんですか?
但馬 9時くらいからかな。本当に結構な重労働で…。これが社員の感想文ですね。
編 感想文!
但馬 「畝作りは短時間なのに結構な重労働だった。 田んぼの脇を歩くたびに、大きめのカエルがとび跳ね、小さな草花がふかふかの土に生い茂って、土壌が豊かなんだろうと感じました」「布ができた時の嬉しさを想像して、服作りの楽しさがより広がり勉強になるので、可能な限り参加したい」とありますね。
編 身内びいきですが、感性豊かな社員たちじゃないですか!もれなく重労働についても触れてますが。よっぽどだったんですね(笑)。
以上、今回は木綿を育て始めたきっかけから、畝作りまでのお話でした。
ところで知ってましたか?牛の糞って、売ってるんですよ…!
木綿作りの次回の記事は、9月中旬を予定。驚きのあった肥料作りから、種取りの様子まで、お届けしたいと思います!
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