アメリカに居た時のハナシPart3
描き始めに
たぶんPart3では終わらない気がする
Part2でようやくアメリカで練習始めれましたね
まだ1度目の渡米の話しなんで
2度目もあるんで...
昔話を気長に付き合ってください
Part2で書いた様に
多くの偶然的な出会いから
素晴らしい人々のサポートがあり
遂にアメリカでプロレスの練習を始めれた
あまりにも不思議な偶然ばかりだが
100%ノンフィクションである
さてフロリダのインディー団体
Coastal Championship Wrestling
通称 C.C.Wでトレーニングを始めた
練習は
月、水、金、土
平日は18:00〜 土曜日は12:00〜
アメリカ、いや海外のやり方だろう
それは2019年にランズエンドでアイルランドのO.T.Tに行き、道場にも行ったから感じたが
プロ、練習生、問わず同じ練習だ
リング上でプロレスの試合の為の
受け身であったりロープを走ったり
基礎体力をつける腕立てやスクワットはしない
全くではないが、やってもリング上の人数が多く、順番待ち時間にスクワットをしたりする
なのでプロレスラー=スクワット1000回!みたいなのが無い
リング上で使うスタミナはリングでの動きでつけろ
身体作りはジムでやって来い!
というスタンスだった
何が正解なんて無いと思うが
日本的な根性トレも必要だと思うし
アメリカで学んだ最初から実戦的な練習も大事だと思う
とにかく、毎回が新たな事ばかりで
本当に楽しかった
多い時は選手、練習生合わせて20人くらいが来て練習していた(現在は更に増えてるらしくリングも2つになったらしい)
さてPart1のラストに書いた
ギャングレルとの出会い
パブロさんの繋がりで新たにコーチとして加わった
このギャングレルコーチの出会いは
自分のファイトスタイルに大きな影響となった
ギャングレルさんは
WWEでの活躍が印象強いと思うが
1991年に全日本プロレスさんで活躍したタッグチーム
ザ ・ブラックハーツのデストラクションとして日本でも活動していたのだ
なので
たまたま行ったフロリダで
たまたま連絡したプロレス団体に
日本で活躍した選手が2人もコーチとしていたのだ
本当、不思議な話しだ
ここまで来ると、知ってて連絡したんだろって思われても仕方がない
それくらい話が出来すぎだ
とにかく、ギャングレルコーチも日本への理解がある人間だった
日本への理解あるって書いてるが
その当時、新日本プロレスさんとかがアメリカでも注目され
練習に来てる人たちは日本のプロレスを見て
日本て凄いな、俺たちも日本に行きたいな
と言うが
日本の知識はそれくらい
あとはアニメ、あとなんだ?寿司.........サムライ....
おいおいフロリダだろ?
マイアミマーリンズにイチローいるだろ?
あぁイチローもそうか....
そんな感じだった
だから日本でどうゆう生活をするのか
日本人はこんな感じだ
というのは全く知らない
不思議だが
自分達はハリウッド映画を観たりしてるせいか
アメリカってこんな生活してるよね!
って感覚がある
アメリカ人は日本人に対してそんな感覚は無い
特にフロリダに日本人が居ない(2度目の渡米時フロリダ在住の日本人の家族に会うのだが...それは後ほど...)
観光地のマイアミですら自分は日本人に会ったのは
イチロー観に来てる球場にいた観光客と
空港
くらいでしか見かけなかった
なのでマイアミから車で1時間半くらいかかる
住宅街の観光地なんて無いフォートローダーデールで日本の文化に触れ合う機会なんてスーパーにある寿司くらいだ
話が脱線したがとにかく素晴らしいコーチに囲まれ
プロレスを学んで行った
基礎をパブロ
細かい修正をジミー
試合での実戦的な事をギャングレル
といった感じだ
時折り話す日本時代の話しも面白かった
ギャングレルは日本時代出会った好物があった
それはポカリスエット
それも粉のポカリスエット
20年以上経った今でもあの味が忘れれないと
アメリカでのスポーツ飲料水はゲータレードが主流だった
粉ポカリスエットを少し多めに入れるのが最高なんだ!
と他のレスラーに力説してた
2度目の渡米時、粉ポカリ買ってたらめちゃくちゃ喜んでたのはいい思い出だ
パブロの日本にまつわる話しで印象に残ってるのは
道場にはデッキ付きのブラウン管があり
パブロが持ってるVHSが色々置いてあり
みちのくプロレスさんでの映像とかもあった
その中の1本に
パブロがプエルトリコに居た時の試合映像があった
そして対戦相手は
真壁選手だったのだ
へー
って思いながら観てた
なんとなくスマホで動画撮りながらね
しかしこのVHSの内容は7年経った今年に
大発見をする
ある選手と話してて
プエルトリコでの話しになり
自分がパブロvs真壁選手をVHSで見た事ある
と話したら
たぶんそれ自分もいるな
となり.....
スマホを見直したら
なんと真壁選手の入場時にいた!!
それは
藤田ミノルさん!
まさかこんなサプライズがこのVHSにあったとは...
しかもよく会う、藤田さんとは....
なんか不思議である
まだまだ色々な話しがあるが本編に戻ろう
さてトレーニングを続けて数週間
C.C.Wの大会の日が来た
パブロからプレデビューとしてバトルロイヤルに出てみるか
と
言われる
まだ自分でも自信はないが
せっかくのチャンスだし
日本に帰るまでに何回こんな機会があるかわからない
是非出たい!
と言い
コスチュームを履いた
急な出来事で緊張より
急すぎて緊張どころじゃなかった
大会の前半にバトルロイヤルがあったから
あっという間に出番
もはや訳わからないまま入場した
全員同時入場でリングに入っていったから
緊張とテンパりを誤魔化せたと思う
突然始まって
しれーっとコーナー側に行って身を潜めたり
今、自分が出来る事で反撃したりで
なんか気づいたらラスト2名
あまりにも予想外な事が起こりすぎて当時の事はぶっちゃけちゃんと覚えて無い
あっという間に時間が過ぎていく感じだったのだが....
まさかのプレデビューのバトルロイヤルで優勝したのである
自分でもマジかみたいになりながら
バックステージに帰り
パブロコーチがまず歓迎してくれた
"よくやったな、誇りに思うぞ!"
そして仲間達からも
プレデビューではあったが、何かこれまでの苦難が少し報われた気がした
さてさて
なんとかプレデビューはした
しかしデビューはというと.......
その1ヶ月後にチャンスが訪れる
大会後、初の練習でパブロコーチから
"ソウ、この前はおめでとう、急に出る事になったにも関わらず頑張ったな、さて相談だがデビューマッチを12月にやらないか?"
"ゲスト選手を呼ばない、自団体の選手だけの大会を予定してる、近所で小さな音楽フェスみたいなのが開催されるんだが、その会場でやる大会なんだ"
是非出たい!と伝えた
もちろんまだまだ学ぶ事だらけの状態だが
12月末で帰国しないといけなかったので
こんなチャンスは無い!と思い即答した
"分かった!ただシングルマッチの予定だ、だからこの期間でちゃんと練習て出来そうなら出すが、ダメそうなら最悪の場合キャンセルだからな"
練習に熱が入る
ここ、アメリカに来るまで挫折、挫折、挫折で
コレをラストチャンスと考え
運に助けられたとはいえここまで来た
どんなカタチでもいい、デビューするんだ
自分で決めた事だが
やっぱりプロレスが大好きだから夢を見続けたい
だからデビューすれば自分との約束通り夢を見続けれる
練習も今まで以上に細かく厳しく
上手くいかない事が続き怒られて
意気消沈して帰った事もある
でも
これも自分達と感覚が違うところなのか
ミスをして怒られ、その日は怒られたまま終わり
次の練習でコーチにこの前はすまなかったと謝りに行ったら
"何の事だ?あぁ前回のか?そんなのその日はその日、今日は今日"
"いい日もあれば
悪い日も誰にでもある
今日を良い日にすれば良い"
と言われた
怒られた事はその先に引きずる
ネチネチと何度も
みたいな経験を受けて来た事が今までに多かったので
この考え方には本当に救われた
またフレッシュな気持ちで今日を迎えれた
練習の日々を過ごしていた時
また1人素晴らしいコーチに出会えた
休みの日だった
パブロから電話がかかって来た
"今日は暇か?暇なら道場に来てくれ!元NXTの選手が練習見てくれる事になり急遽だが道場を開けるぞ"
その時、NXTを退団し、在住のフロリダで練習場所を探してた
Josh "The Goods" Woods 選手が
パブロに連絡をし、道場に来たのだ
ジョシュは大学レスリングや総合格闘技もやっていてオールラウンダーな選手
とにかく新しい練習メニューばかりで楽しかった
NXTを退団されたばかりだったので
それまでNXTでやっていた練習も教えてくれて
非常に有意義な時間となった
それと共に、こんな素晴らしいフィジカルにスキルがありルックスも良いのに生き残れない
NXTの世界の怖さも感じた......
それから何度か道場に練習しに来てくれる事があり
自分もマンツーマンでアドバイスをもらったり
非常に良い経験を得た
その甲斐があったのか
パブロから
"よし!12/3いけるな!デビュー戦だ"
"対戦相手はC.C.Wのチャンピオンでもある
リッキーラッシュだ!"
リッキーはC.C.Wの皆んなのお兄ちゃんみたいな存在で
初めて会った時も積極的に話しかけ来てくれて
家まで車で送ってくれたり
良き友達だった
そんなリッキーとデビュー戦
リッキーも喜んでくれた
そして12月3日を迎えた.....
屋外でのフェスだったから心配してたが
晴天
会場に着き、リングを組み立て始めた
が.....
なかなかリッキーが来ない
プロレスは6時から
リングが完成したのは1時頃だった
が
リッキーがまだ来ない
その時、パブロに電話が入る
何かパブロが怒りながら電話をしてる
電話が終わり
パブロがこっちに来た
"リッキーが来れなくなった、仕事でトラブルがあったみたいだ"
日本ならあり得ないような理由だが
皆、正社員などで働きながら練習に来て、休みの土日で試合が当たり前のライフスタイル
仕方がないかもしれないが.....
マジかい......
3試合を予定していて
選手はリッキー合わせて6人
そう、全部シングルマッチの予定で最小人数で会場に来てたのだ
時刻は2時
あと4時間
パブロが
"誰かしらを探す!どうにかするよ!"
と言ってくれたが
おいおいおい.....
まさか運を使い果たして
こんなアンラッキーがよりによってデビュー戦で起きるのかよ!
気が気じゃなかった
だが待つしかない
3時過ぎ
パブロが来た
"ソウ!見つかったぞ!対戦相手!"
"今からこっちに来てくれる!"
"ソウ!君のデビュー戦の相手は"
"ジョシュ・ウッズだ!"
Part4へ.........