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【21枚目】くるり『THE PIER』

くるりの11枚目のアルバム『THE PIER』(2014)

関連:【17枚目】くるり『ソングライン』

先週くるりのライブ『LIVEWIRE くるり in 京都磔磔』を見ました。くるりの曲ってやっぱいいなぁと思ったんで今回は『THE PIER』です!

コロナ禍に入ってから初めて見たライブ。あまり見ないトリオの編成の曲をやっていたり、最新作『thaw』から数曲を生演奏で聴くことができたりとマニアックなライブだった印象。

少しマイナスな話?になりますがライブは生で体験するものだなぁ...と思いました。アーカイブでも見れるんで個人的に2時間集中して聞けないんですよ。ライブハウスとかフェスとか音に集中できる環境じゃないと自分はダメだなぁと感じた次第です。あと単純に普通のイヤホンで聞いてて視聴の環境が良くないですね!これを機にオーディオにこだわっていくのもありかも?

くるりから一曲「奇跡」を紹介します。磔磔のライブでもやってましたが、この曲は改めて良いですね。何がいいって全部良い。手放しで褒めたい。優しくて力強い素敵な曲。スライドギターによる泣きのフレーズ。特に武道館ライブは感情がこもって全員がいきいきとした演奏で最高。

『THE PIER』は「多国籍」がテーマの作品ですね。これは「どこの音楽?」と思うような曲ばかり。民族的な雰囲気にエレクトリックな要素もあって曲が面白い。挑戦的で驚きがありますね。くるりが良い意味で進化している。難しいことは置いといて、よくわからんけど「すごい!」と純粋に感じられる作品です。

”「さまざまな時代、さまざまな文化の音楽を無尽蔵に取り込んだ」多国籍なサウンド”

【収録曲】

1.2034
インスト。わくわく感。好奇心をくすぐられる曲。飛び跳ねてキラキラしている感じがアルバムのスタートにぴったりですね。「2034」というタイトルは西暦?未来を思わせる音楽。食器の擦れる音、電子音が日常と異物感が混じりあってる感じがしてGOOD。

2.日本海
ゆらゆらと漂った雄大な雰囲気を感じる。ドラムのズカズカ波打つようなリズムがとても好きです。この曲も時折感じる異物感が絶妙にマッチしていますね。「日本海」というタイトルだけど異国情緒のようなものを感じる。

3.浜辺にて
インドな感じ?エスニックな曲。ギターの怪しいフレーズ、トランペットのふわー、ねっとりした感じが曲を盛り上げますね。後半のコーラスが楽しいけど不気味な感じで良い。どこの浜辺の曲なんだろう...2,3曲目は異国への航海を連想させる。

4.ロックンロール・ハネムーン
素直に良い曲ですよね。ドラムの軽快な感じにボーカルが気持ちよく乗ってる。心地よいポップス。キーボードがレトロで憂いがある。明るくて幸せ、華やかな曲なんだけど含みがあるというか...純粋に楽しいだけの曲ではないように感じる。未来に期待しながらも不安を抱いた曲?ロックンロール・ハネムーン!※特に好きな曲なんですがYOUTUBEにない...

5.Liberty&Gravity
ポップ&プログレ。変態でキャッチー。攻めた濃い曲。コロコロ変わるおいしい曲の構成。歌詞に民衆の労働、自由&重力に関わるワードがあって訴えるものがありますね。雰囲気はのらりくらり、肩の力が抜けているけどエネルギーの塊。初めて聞いた時は変な曲に感じたけど聞くほどいいスルメ曲。ウィーンのホテルの部屋でギター一本で書いた曲だそう。(全裸で)

”誰かのために働く 土曜日の風が吹いてる
力を出して働く はみ出しそうでも働く”

6.しゃぼんがぼんぼん
ハードロック!頭を空っぽにして駆け抜ける激しい曲。ゴリゴリのベース、ド派手なトランペット、ハードロック感満載のキーボード等、やっぱりこういう曲は好きですね。あと地味に歌詞が良い!刹那的なロックンロール。

”思い出なんかどっか飛んでゆけ 突風に吹かれて飛んで行け
珈琲一杯と煙草三本の間に思い出せればいい”
”今を生きる悦びを 抱きしめてどっか飛んで行け”

7.loveless <album edit>
多幸感。これもお手本のような明るくて良い曲って感じですね。Teenage Fanclubみたいなギターロック最高。こういう曲はずっと聞けます、期待を裏切らない心地の良い音がずっと続く。歌い方が優しい感じ。トランペットの音が明るくて映えますね。

”悩みはつきないな でもそれぐらいのほうが
君の気持ちが全部 わかるんだ”

8.Remember me
イントロがOASISの「Whatever 」ですね(imaginedですね)上品、穏やかで落ち着いた曲。ノスタルジック。涙腺に攻撃してくる。後半がかなり熱いですね。ストリングスがいい。

9.遥かなるリスボン
ファド音楽というらしい。おしゃれで外国の匂いを感じる。アコーディオン?の仕事が大きいのかな。リスボンはポルトガルの首都だそうですね、リスボンの空気が曲につまっている感じ。リスボンの街の画像を見たら曲のイメージがぴったりだった。

ファド(ポルトガル語: fado [ˈfaðu])は、ポルトガルに生まれた民族歌謡。

10.Brose&Butter
ひねった民族的な曲というイメージ。外国の独特な日常、食卓を連想させる。ファンタジーでおもしろい曲ですね。小気味良いテンポに癖のあるフレーズを隙間なく詰めた感じ。

11.Amamoyo
コミカルで妙な爽やかさ。ギターの空間系でくちゅっとした音が好きです。縦横無尽に音が駆け巡っていて面白い。リズム隊がいいですね。ドラムのソフトで邪魔しない軽快な演奏、のびのびとして楽しげなベース。

12.最後のメリークリスマス<album edit>
童謡っぽい。クリスマスの期待。どこか懐かしくなるような温かい曲。ポップだけど歌詞は割と悲しげですね。トランペットの明るさ、もの悲しさを含んだ音が素晴らしい。優等生な感じでつっこみどころが少ない!

13.メェメェ
つなぎですね。羊の声がしたあとのゲームみたいな音が奇妙。

14.There is(always light)
イントロからパワー全開って感じ。ファンファーレ。キラキラ、いきいきとしてますよね。ギターのジャジャーンっていうフレーズにいろんな音を乗せて進んでいくイメージ。前向きになれる。大円団でアルバムを〆る感じが良いです。

※ジャケットがいいですよね。『THE PIER』は「橋脚」という意味だそう。何回も出るワードですが異国、未来、海とかが連想されてテーマがまとまった作品。世間の評価も高いそうで完成されすぎて不気味という意見が面白かったです。新しい音楽で説明する言葉がないってのもグッときます。

”プリプロダクションは主に京都府北部にある岸田の別宅で行われた。ジャケットはその別宅の近くにて、ファンファンがiPhoneで撮影した写真がもととなっている”

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