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【10枚目】Sly & The Family Stone『Fresh』

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Sly & The Family Stoneの6枚目のアルバム『Fresh』(1973)

ここ最近になってSlyをちゃんと聞きました。とんでもなかった。
ジャンルはファンク、自分の守備範囲外です...。あまり聞かない分野でも名作は押さえておくべきだなと再認識しました。もったいない。

Sly & The Family Stoneはアメリカ合衆国の人種・性別混合編成のファンク、ロックバンド。この時代に人種や性別の壁を越えたバンドは革新的だったそう。個性がぶつかりあって生まれるグルーブ感、メッセージ性も強い。いつの時代も新しかったり、尖ったりする音楽はかっこいい。

R&Bやファンク、ソウルの境目が曖昧でよくわかってないんですが、このCDのブックレットに「ファンクとソウルの違いって何なのか?」が書いてました。(勉強になる)

”ファンクは悪意の鋭さがある、悪魔の音楽。
ソウルは天使からの贈り物。魂のための音のミルク”

みたいなことらしい。今後聞くうえで意識してみよう。Slyはこの両面を持つバンドで”ソウル/ファンク・バンドとしては無敵の存在”だそうです。

アルバムは4枚目『Stand!』、5枚目『暴動』、6枚目『Fresh』は聞きました。どれも傑作といわれる奴ですね。もっと他の作品も聞いていきたい。この3作の流れで聴くとSlyの音楽の進化を感じる。洗練されてより音楽が高度になっていく感じ。

この『Fresh』はクール、スマート、タイトでどこか達観したような印象を受けました。前作の『暴動』よりは明るいファンク。リズム隊が上手すぎる。特にベースラインが好き。

バックグラウンドとして『Fresh』の時期はドラッグの影響や、時代の流れもあってウッドストック・フェスティバルでの音楽の成功が幻想だった失望感のある病んだ時期だそう。この60年代後半~70年代前半の音楽ってラスボスみたいなバンドや作品ばかりですね。69年の音楽のニュースとか戦国時代みたいに濃い。

【収録曲】

1.In Time
キーボードがぬるっと入ってくる良いスタート。ベースがボンボンなってていい感じ。歌いだしが文句なしにかっこいい。クールなかっこいいファンク。サックスのソロも渋い。

2.If You Want Me To Stay
憂いを感じる曲。ボーカルに秘めた熱を感じる。ジャズっぽいピアノが綺麗で印象的。淡々とした展開。この曲はベースが前に出て支配しているような気がする。

3.Let Me Have It All
リズムが気持ちいい。ベースのハネ感。ふらふらしてる。女性のバックコーラスがあるとR&B感が増しますね、おしゃれ。力強い。

4.Frisky
イントロの軽い感じで始まるのが印象に残る。歌い方にエロスを感じません?曲調はだらっとした感じだけど技術が高すぎてギャップがおもしろい。どんどんのめりこむ。

5.Thankful N' Thoughtful
ダウナーな感じ。小刻みなトランペット?のフレーズが印象に残った。2分あたりの各パートが絡み合うところが最高。全員が邪魔せずお互いを引き出しているような。計算でやってるのか感覚でやってるのか気になる。

6.Skin I'm In
緊張感あるイントロ。今までの流れを加速させる曲、インパクト絶大。スライの伸びやかな歌い方が爽快。何か必死に訴えかけているよう。情熱的で軽快、でもどこか冷めてる。

7.I Don't Know (Satisfaction)
「Skin I'm In」の余韻を残したまま盛り上がる曲。激しめ。この曲のベースのやりたい放題感すごい、ベンベン動きまくっている。曲名の通り明るいSatisfaction感はない。欲求不満。ローリング・ストーンズの代表曲「(I Can't Get No) Satisfaction」がモチーフらしい。

8.Keep On Dancin'
ユニークでふらふらしてる感じ。改めてドラムがすごいことしてんなと気づいて集中して聞いた。ギターのスルスル弾くフレーズもおもしろい。Slyのヒット曲「Dance to the Music」を連想させる。

9.Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)
ドリス・デイのカバー曲。ムーディーな曲ですね。甘い。これがソウルらしい。キーボードの音が優しい。これもドラムがバカクソ上手い。曲名のケ・セラ・セラってなんか聞いたことありますね。一般に「なるようになる」と和訳される言い回しだそう。

10.If It Were Left Up To Me
ポップすぎる曲。今までのクールな曲とは対照的で明るい、ギャップで悲しくなってくる。こういう曲を唐突にぶち込んでくるのがずるい。「ジャジャジャ」で終わる感じがかわいい、泣ける。

11.Babies Makin' Babies
このアルバムを通して感じるクールでファンキーな曲で締められる。あまりアルバムの終わり感はなく次に続いていきそうな感じで曲が進んでいく。最後の曲がサクッと終わるのもいいですね。

※Slyの音楽はファンクの帝王「ジェームズ・ブラウン」と比較されて書かれてあることが多いですね。ジェームズ・ブラウン...全く聞いてないので勉強します。あと盲目的なべた褒めはよくないですね。難解で理解できない曲や単純に好みじゃない曲はちゃんと素直に書くようにしたい。

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