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俺の調理 第1話

ひょっとすると第1話だけかも知れないが・・・。

俺は小学生の頃から家庭料理というものにあまり縁がない。
両親が塾をやっていたせいで夕食の準備ができず、近所の魚屋から刺身が来るか食堂からかつ丼が届くかのどちらかだった。そのお陰で今でも刺身とかつ丼は大好きだ。なんか落ち着くのだ。

画像は文章とは無関係です

日曜だけは塾が休みなので母ちゃんがカレーライスを作ってくれた。子どもに人気の「ハウスバーモンドカレー」だ。ほぼ毎週だった。実は母ちゃんは料理が苦手なのかも知れない。

結婚したら・・・

毎日嫁さんが料理を作ってくれるので、嬉しくてたくさん食べた。気付いたらデブになっていた。嫁さんからは「詐欺師!」と言われたが痩せられなかった。脂っこくて濃い味付けの嫁さんの料理が大好きだった。
長男・次男と次々と生まれ、いつの間にか二人とも学校を終えていた。その間俺は親らしいことは何一つせず、ひたすらライブに出演する日々を過ごしていた。ん-・・・、太ってるとギター弾き辛いなー。そう思い始めた。

子どもたちの巣立ち

二人とも勝手に家を建て、嫁をもらった。俺には事後承諾のようなものだった。せめて建築資金か結婚資金の相談位して欲しかった。まあ、俺は金持ってねーけど。
そして事件は突然起こった。

今日からご飯作らん

嫁さんが言い放った。
「今までは子供のためにご飯の用意したけど、もういないからやめた。もともとあんたのために作ってた訳じゃないし。」
地獄に落とされた。仕事で帰宅は遅いし、嫁さんにしたら食べるかどうかも分からない夕食の準備なんてしたくないかー。そう自分に言い聞かせた。
それでも気が向くと というか多分女性の血が騒ぐのか昼から夕食の準備をしているときがある。
それも子供たちが二人ともいるかのような量をだ。
「せっかく作ったから全部食べてね」
別の地獄を見た。食える訳ねーじゃん。ほとんど残すと毎回怒られた。
「食べられんくせに太ってんじゃねー」

なかなか本題に行けないので続く・・・


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