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「チキン南蛮」が好きだ

チキン南蛮が好きだ。

前回の「運転」に続き、これもそんなに大きな理由はないかもしれない。とにかく美味しい。好き。

これまでを振り返っても、不味いチキン南蛮には出会ったことがないと思う。正直、どんなチキン南蛮でも美味しくない?

でっかい鳥の一枚肉みたいなやつを揚げて甘酢とタルタルソースをつけて食べる。もうそれだけで最高決定でしょ。

でも、チキン南蛮には2つのタイプがあると思っている。一つは“本物の”チキン南蛮。もう一つは鳥の唐揚げっぽいものに甘酢とタルタルソースがかけられた料理だ。

後者はよく見る。お弁当屋さんとかスーパーの惣菜、定食屋さんなんかでもこのパターンを結構見る。なんなら、それが一般的なチキン南蛮の認識なのかもしれない。(ちなみに、僕はそれも好きだ。)

だけど、違うんだ。本物の、あえて本物と書いたが実際には定義が難しいので、正確には“本場の”チキン南蛮、というものがあるのだ。どこに?そりゃ、チキン南蛮発祥の地、宮崎だ。そう、チキン南蛮の発祥の地は九州の宮崎県なのだ。

宮崎県北部の町、延岡(のべおか)でチキン南蛮という偉大な料理は誕生した。ある洋食屋でまかないとして作られていたものがその原型と言われている。そのまかないを本格的にメニューにしたのが、現在も延岡で営業している「直ちゃん」だ。お店には「元祖チキン南蛮」の文字。

驚きかもしれないが、その元祖チキン南蛮にはタルタルソースは付いていない。ここ以外でタルタルソースが付かないチキン南蛮は見たことがないが、揚げた後の熱々のチキンに甘酢をかけたというその形が、そもそものチキン南蛮ということらしい。

しかし、これがなんとも美味いのだ。単純に鳥肉が美味しい土地だからというのもあるかもしれないが、なんといっても味付けが最高だ。ご飯が進む進む!

あと、宮崎県で提供されているチキン南蛮の多くには鳥の胸肉が使われていることも付け加えておく。直ちゃんも例外ではない。これは、そもそもメニューに使いづらい胸肉をできるだけ美味しく食べようと考えてできたのがチキン南蛮だから、という理由を聞けば一発で納得である。

でも、チキン南蛮の肉が胸肉と聞くと、「え?パサパサになりそう…」と思うかもしれない。が、ちょっと淡白なその肉質が食べる際に感じる重さを減らし、どんどんと箸が進むのだ。そのサッパリ感もあってか、直ちゃんのチキン南蛮は女性からの人気も高いとのこと。

うん、正直言葉で伝えるのは難しいので、とりあえずチキン南蛮好きは一度行ってみてほしい。僕はこれまで3回しか宮崎に行ったことがないのだが、直ちゃんには3回行った。近所に住んだら、たぶん週1以上のペースで通うと思う。

と、直ちゃんのことを書くとめちゃくちゃ長くなるので、宮崎県でもう一つチキン南蛮の発祥と言われるお店も紹介しておこう。「おぐら」といって宮崎県内に2店舗ある、普段使いであろう地元の方々の姿も見られるファミリーレストランのようなところだ。

ここまで元祖は直ちゃん、と紹介してきたが、実はおぐらは「タルタルソース付き」のチキン南蛮を始めた店なのである。

おぐらが提供し始めたタルタルソース付きのチキン南蛮。こちらも人気に。そして、このスタイルが後々に日本全国にチキン南蛮文化を広めるに至ったというわけだ。

チキン南蛮という最高の料理を生み出した直ちゃんは僕の中で神のような存在だが、これにタルタルをかけてみた、というおぐらにも同じく神レベルに感謝している。願わくば、全都道府県に1おぐらを置いてほしいと、初めて食べた7年前から切実に思っている。(直ちゃんももちろんあれば嬉しいが、1店舗でやっている潔さみたいなのも好きだし、延岡へチキン南蛮の聖地巡礼として訪問する楽しみが減ってしまうのはちょっと残念かも、とかも本当に勝手ながら思っている)

さて、美味しいお店のことを書いていると終わらなくなるので、紹介はこの辺で。とりあえず、本場はやっぱりすげぇよ!って話なんだけど、宮崎はアクセスがあんまりよくなく、行ったことないという方も結構多い場所だと思う。

しかし、もっと多くの方に本場のチキン南蛮の美味しさを堪能してもらいたい、というのが本音のところ。ぜひ行ってみてほしい。変えよう、誤ったチキン南蛮観!

ちなみに、最近は宮崎以外でも美味しいチキン南蛮を食べられるお店を探しまくっている。メニューにチキン南蛮があったらとりあえずそれを頼むw

どっかにチキン南蛮が美味しいとこあったら、教えていただけたら幸いです。(九州はいっぱいありそうやね…)

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単にジューシーな鳥の揚げ物、というだけでなく衣までが甘酢と絡んで美味く、タルタルとの相性は最高。なんて食べ物だ。
とにかく、僕はチキン南蛮が好きだ。

(写真:宮崎のチキン南蛮)

※本文に書かれていることは基本的に筆者の個人的な嗜好によるものです。関係者の方々、好き勝手言ってすみません…また食べ行きます。

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