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野球のファッション

始めに

 今回は私と同じように学生生活を終え、休日に軟式野球をしている人へ向けての内容ではあるが、読者の気分を害する可能性がある。それでもいいという方以外は今の内にページを閉じることを推奨する。

1.バックボーン

 私は現在、休日を軟式野球に費やしている。しかし、入部先を探すのにかなり苦労した。私の本職となる守備位置は投手だ。軟式野球では投手の存在は捕手の次に重宝される。しかも腐っても高校時代は野球名門校で地獄みたいな野球生活をしていたことがあった為、サイトに書き込めばお誘いの言葉が多数寄せられた。とはいえ私は120キロ台の球で粋がっており、3年夏に背番号が貰えずベンチ漏れし、涙を飲んだ身なのでチームの強弱に関してはそこまで多くは求めない(試合時にヘルメットを着用しないとか、煙草を吸いまくるとか、マナー面がなっていなかったり、正面のゴロも処理できなかったり全力疾走ができないようなチームからのお誘いは流石に蹴っていたが)。多数のお誘いがありながら、私は軟式野球の入部先を探すのに苦労したのである。それには周囲に理解して貰えるかすら分からない、細かな拘りが自分の中にあったからだ。

 入部先を決める基準として野球をするビジュアルを私は最重要視していた。ユニフォームのことだ。野球のユニフォームは元々作業着であったという話を聞いたことがある。事実、全国高等学校野球選手権で、次の試合に入る準備時間で紹介される「白球の記憶」に出てくる先人の野球時のビジュアルはとにかく地味な作業着そのものである。それらが変化して、ユニフォームとなった。高校野球では、旧制中学時代から使用されているビジュアルがある。帽子もシャツもパンツもアンダーも、全身真っ白な格好はまさに野球時のビジュアルが作業着であったことの名残を感じさせる。確かにユニフォームは、作業着であったのだと思わされる程の白。真っ白なユニフォームは大学野球なら、早稲田大学が該当する。高校野球ならば常連校なら早稲田実(西東京)、そうでない場合は東奥義塾(青森)、小山(栃木)、高崎(群馬)高松(香川)、土佐(高知)、東筑(福岡)の進学校辺りによく見られるビジュアルだ。

2.こんな格好はイヤだ

 私のユニフォームのビジュアルに拘りについても解説する。やはり野球のユニフォームが元々作業着であった事実がある以上恥ずかしい格好はしたくないという考えが大部分を占める。大学野球以上になると、ツートンカラービジュアルのユニフォーム着用が認められる。シャツとパンツの色を合わせないビジュアルデザインである。私はこのツートンカラービジュアルに抵抗があった。理由は単純、ダサいと思っているからである。プロ野球でならよく目にするビジターの格好だ。様々な意見があるが、Twitterでもプロ野球のユニフォームに苦言を呈する方が一定数存在するので、その人達の立場に立ち、自分の意見も交えながら考察する。

 ツートンカラービジュアルで最もよく見るのは白パンツ+カラーリングシャツだろう。私はこの格好を見る度に思う。
「どうしてパンツが白いのにシャツはこんなにゴチャゴチャしているの、なんかイヤだな」
素朴な疑問である。飽くまでも上半身をデザインすることが悪い訳ではない。上半身をキッチリとデザインするなら下半身もそれに合わせた方がカッコいいと考えている。ところが何故か下半身はプレーンな白パンツなので、どこか寂しく見える。しかも白パンツなので色彩的に明るい色でも最も弱い色であり、シャツとのコントラスト差がつきすぎて下半身がどうしても貧弱に見えてしまうのだ。また、色彩的に弱いということは、折角下半身を鍛えてもそこまで見て貰えない可能性が出てくる。シャツの色彩も強い色だったりすると、チームの顔であるはずのロゴで主張するのが難しくなる。折角のユニフォーム姿なのにこれでは勿体ない。ダサいと思われたくない格好がしたいと考えた私は、ツートンカラービジュアルのチームには行かないと決めていたのである。それに私はプロ野球選手ではないのでこのような格好をしていると恥ずかしくて仕方がないのである。逆に言えば、上下で色をしっかり揃えているチームからのお誘いの言葉が貰えたときは基本的にすぐに返信をしていた。そのくらいに、上下で色が揃ったユニフォームの拘りは強いし、ダサいと思われたくない野球のファッションに気を付けているつもりでいる。
 ここまで読んで頂いた読者は「そこまで言うならお前がやれ!」と思うかもしれない。しかし、私は野球以外にも美術デザインの教養があり、京都着物デザインコンテストでの実績もあるので、貴方が今着ているユニフォームを今よりも格好良くする為の助言なら十分にできる自信はある。

3.そもそも何故そのようなビジュアルデザインにしてしまうのか

 やはり着るなら、ダサく見られたくないものだし、上半身・下半身供に色を統一したものが良いと考える。例えば上下供にプレーンな白基調でも、全身を均等に見て貰えるので煩く見えることは殆どなくなる。シャツとパンツの色も強すぎるものにしなければ、ロゴやマークでチームの顔が主張ができるので、シンプルながらオシャレにも見えてくるという算段だ。ロゴやマークに関してはチームの監督や創設者のクリエイティブ能力が問われるが、これだけでも見た目に関しては大きく変わる。
 ビジュアルを決めるということは何かしら意図があるものだと思いたい。しかし恐らくそのような意図はないだろう。ただ格好良く見えると思うからというノリだろうとも思う。それ自体は悪いとは思わない。しかしそれだけではいけない。
 個人的な理由ではあるもののダサいと思われかねない理由については先述で語っている。これから述べていくのは何故ダサいと思われるビジュアルを作ってしまうのかということについてだ。これはとても簡単なことで、それはプロ野球選手のオフの格好にある。
 時折、プロ野球選手の普段着がダサいという話題が挙がることがある。彼らがダサい格好をしてしまうのは、野球漬けの毎日を送っていたから普段着を着用する機会があまり無かったのが原因だ。普段着を着用がする機会がないと、当然コーディネートする機会も損なわれる。プロ野球選手に限ったことではないのだが、服装に無頓着な人が着こなしも含めた不自然な格好をしてしまうという具合である。
 ユニフォームのビジュアルデザインにもプロ野球選手の服装に通ずるところがある。軟式野球では、ユニフォームをビジュアルデザインの提案は、基本的のチームの監督が行うことが多いのだが、この人が普段の服装に無頓着な人だととんでもないビジュアルデザインのユニフォームが作られてしまう。
 しかも人間は生きている以上老いていく。「格好良いと思われたい格好」がしたいと思うのは良いことだが、必ずどこかで「格好良いと思われたい格好」から「ダサいと思われたくない格好」に切り替えなくてはならないタイミングが来る。このことに気付けない人がとんでもないビジュアルのユニフォームを作ってしまうのだろうと考えた。これは日本紙幣のデザインや高輪ゲートウェイの駅名を決めたお偉い方々にも言えることではないだろうか。幸い私は24歳にしてこのことに気付くことができたし、その上美術デザインの教養があるお陰で少なくとも着用していて恥ずかしくなるようなダサいユニフォームを作らずには済みそうである。

4.最後に

 自分の野球のユニフォームに対する拘りと、ダサいユニフォームが何故できあがるのかと考察をした。ダサいと考えた理由については先述の通りでその人の生活習慣からくるものがあると考えた。今度はそれをどう活かしていくかが問題である。今は格好良いと思われたい気持ちで良いかもしれないが、自分にもその転機がやってくる。それをしっかり見極められるようにして、これからを生きていきたい。

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作新学院2014卒。高校では硬式野球をしていました。高校卒業後は大学で空間デザインを勉強し、現在は建設会社でまちづくりニュースやマンガ絵を描かせて頂いています。趣味は野球をすることと絵を描くことです。
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